ときぐろ日記

●ときぐろの育児日記。主に、アトピー+魚鱗癬を持つ「うちの王様」ユウの日々を書き留めています。

自分の感性

2014年09月03日 09時28分23秒 | 育児

 夏休みが終わりました。

 去年、息子のユウは家でゲームばかりしていましたが、今年五年生の夏はゲーム機を没収していたことあって、プールに行ったり図書館に通ったりしていました。
 図書館はクーラーが効いて涼しいし、何より息子の好きな漫画や本がたくさん置いてあります。
 半日読みふけって、大量に借りてきて、しかも予約までして夕方帰ってきます。
「どうせ図書館に行くんだったら、宿題持っていったらいいのに」
 私がブツブツ言うと、息子はあっけらかんと言いました。
「図書館で勉強したらあかんねん。調べ物してノートに書くのはいいけど」
 ……はぁ、さよですか。じゃあ、一体いつ夏休みの宿題をするんですかねぇ??
 そこを問いつめると、息子はニッコリ笑って返事をしないまま私の前から姿を消すのでした。

 おいっっっ!

 

 二学期の足音が聞こえ始めて、ようやく宿題の工作に取りかかった息子。
 トイレットペーパーの芯の周囲を紙粘土で固め、楽しそうに形を作っていきました。紙粘土が乾くと、ちぎった折り紙をボンドで貼っていき、仕上げにラッカーを吹き付けて艶を出し、完成させます。
「これ、何?」
 私は完成した貯金箱を差して息子に聞きました。恐竜のような首、全身赤づくめの胴体。
「カメロケットや」
 息子は嬉々と語りました。
「カメロケット……?」
 不思議な発想です。

 しかし二学期早々、カメロケットを学校に提出した息子は項垂れて帰宅しました。
「何これって、皆に聞かれるねん」
「そうかぁ」
 そうかもなぁ。私も「何これ」って尋ねた口だわ……(汗;)。
「皆、お菓子の家とか綺麗なの作っててん」
 息子は泣きそうな顔でしょぼんと言います。
 似たような経験を持つ私は、元気な声で息子に言いました。
「自分の感性、もっと信じてもいいと思うで」
「……あかんねん。皆に馬鹿にされたんやで」
 息子は反発してきました。
「お菓子の家は誰でも考えるし誰でも作れる。でもカメロケットはユウにしか作られへんで」
 その発想は、ユウにしか考えつかない宝物です。
 中学生時代、私も人と違う感覚の絵を完成させ、人の絵を見て自分の絵が恥ずかしいと思ったことがあります。でもその絵はどこかの展示場を巡り、二つの賞を受賞して私の手元に帰ってきました。
「人と違う発想ができるってことは、凄いことなんやで、ユウ」
 私はもう一度強調しました。
「僕は賞なんか取られへんねん!」
 吐き出すように息子は言いました。
「そんなこと分かれへんやん。まだ持っていったばっかりやのに。もっと自信持ちや」
 息子はもう、何も反論してきませんでした。


 ちゃんと分かってくれたんでしょうか?