~中途障害者のメールから~
私の周りの人たちから、本にまとめたらと言われますが、私は医療者でも研究者でもありません。そのため、理論にまとめるのは別の人に任せます。
私がアイディアを出し、仲間の医療者や研究者がエビデンスに纏めていきます。私は、病気と障害に負けない生き方の体現者として、障害当事者の視点から、おかしいことはどこがおかしいのかを主張しています。些かおこがましいのですが、個々の人間を超えて国や地域まで適用した人間らしいく生きる権利の回復(主体性の回復)を訴えて行きたいと思っております。
私は理論より、どうやったら弱った気持ちを再び輝いた気持ちにさせることが重要だと思います。私は、機能回復の面ではまだまだ完全治癒は出来ていませんが(永遠の課題)、人間らしく生きるという面では復権出来たと感じております。この二つがバランスよくとれて、はじめて“リハビリテーション”と言えると思っております。
ところが、医療ではリハビリテーションと言えば、機能回復訓練がメインです。心のリハビリテーションについて、医療者が理論として示しておりますが、私にはピンときません。
私は、リハビリテーションは理論になり難いと思います。体現者によるどうやって立ち直ったか等のロールモデルが必要だと考えております。とかく障害をマイナス面だけで捉えられがちですが、プラスに考えられれば、グッと楽になります。障害は百人百様ですが、マイナスで考えるのではなくプラスに考えるのは、すべてに共通していると思います。
「自分らしく生きる」とは、これからの障害者福祉を考える上で『主体性』がキーワードになります。故日野原医師は老いて、はじめて自分のことが判ってきたと言っていました。障害者も同じで、倒れて分かったことも一杯あります。
リハビリするのは、とかく「元の身体や生活に戻る」と思われがちです。もちろんこれも重要ですが「新しい生活・人生を創り出す」という前向きに考えることも大切です。立ち止まっているばかりでなく、勇気を出して一歩踏み出そうと思います。一人では出来なくても、皆と一緒にいることで希望が湧いてくるものです。私は障害を持って良かったとは思いませんが、障害を持ってはじめて気がついたことが一杯あります。
「十勝の活性化を考える会」ブログ読者