先日、北海道新聞の今日の話題欄に“湿原の宝石”のことが書かれていた。湿原の宝石とは、オオサンショウウオの卵を包む袋「卵のう」である。透明感のある青色から「湿原のサファイア」の異名がある。
キタサンショウウオのいる釧路湿原は、東京都のJR山手線内にすっぽり入る約2万6千ヘクタールの湿原で、国内にある湿原の面積の約3割を占めている。若い頃、日本百名山の“至仏山”と“燧岳(ひうちだけ)”の頂上から「尾瀬ケ原湿原」を見たが、釧路湿原の大きさはその約35倍で、とても大きいのである。
釧路湿原は、最高気温が20度以上にならないため乾燥化が進まず、また釧路沖で千島寒流と日本暖流がぶつかり合うことによって、有名な“釧路の霧”が発生することで湿原が保たれている。その霧は、80キロ離れた“摩周湖”の霧にもなるのである。“霧の摩周湖”の唄は布施明が歌っているが、摩周湖を見る展望台ではいつもBGMで流れている。
ところでキタサンショウウオが、環境省の絶滅危惧種に指定されている。その理由のひとつが湿原の汚染で、湿原の周りのあちらこちらに真っ黒な太陽光パネルが規則正しくびっしりと設置されているらしい。太陽光パネルの処理方法がまだ出来ていないと聞いている。以前は、釧路湿原が産業廃棄物のゴミ処理場として問題になったことがあるが、人間のやることは何と浅はかなのであろうか。
「十勝の活性化を考える会」元会長
注) 釧路湿原
季節やエリアによって全くの別世界が広がる、日本最大の湿原
釧路湿原は、釧路川とその支流を抱く日本最大の湿原で、その広さは東京の都心がすっぽりと入ってしまうほどです。約700種の植物、39種の哺乳類、4種の両生類、5種の爬虫類、38種の魚類、200種の鳥類、そして確認されただけでも1,150種の昆虫が生息しています。特別天然記念物に指定されているタンチョウなどの水鳥をはじめ、多くの野生生物の貴重な生息地となっています。
釧路湿原には、細岡展望台、北斗展望地、釧路市湿原展望台、コッタロ湿原展望台、サルボ・サルルン展望台と、5つの展望台があり、それぞれ異なった湿原風景がパノラマで楽しめます。また、釧路市湿原展望台の遊歩道、温根内木道、シラルトロ湖の遊歩道、細岡展望台の遊歩道、達古武夢ヶ丘歩道、塘路湖畔歩道・フィトンチッドの森歩道と6つの遊歩道が整備されており、バードウォッチングや植物観察が心ゆくまで楽しめます。
(出典:北海道観光振興機構ホームページより)
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