goo blog サービス終了のお知らせ 

ALH84001

私的コラム&雑記(&メモ)

GPD WIN Max (4) 導入編

2020-09-05 | ガジェット / PC DIY

 IndieGoGoで出資していたGPD WIN MAXが香港から到着した。

ハードウェア

 ハードウェアのファーストインプレッションについてはPC Watchなど各種メディアで既報なので深くは追及しないが、想像と違った部分を中心に書いておこうと思う。

 まず、材質や組立精度はなかなか良い。天板は金属・本体は樹脂製ということで身構えていたが、最初に手に取っただけでは材質の違いに違和感を覚えるようなこともなく高級感もある。一方で気になったのは、他のレビューでも触れられているがズッシリと重くNintendo Switchのように抱えてゲームするのは想像し難い。
 ほかに気になったのは8インチ液晶ディスプレイも天板も指紋が目立ちやすいことだろうか。天板はともかく液晶については保護フィルターを入手したいところだ。

 使ってみて気になったのはファンの風切音が意外に煩いことだ。ファンの停止方法についてはマニュアルにも記載されているため割愛するが、わざわざマニュアルに大きく載せているあたり当初からの問題点だったことが伺える。もっとも、GPDが謳う通りゲーミングを想定するならファン設定を変更することは現実的ではないかもしれない。

 ところで、GPD WIN MAXはゲーミングをウリにLPDDR4X-3733搭載を謳っていたが、いつの間にやらLPDDR4-3200にダウングレードされていたのは残念だ。IndieGoGoなどのプロモーションではLPDDR4X-3733のLPDDR4-3200に対する優位性が宣伝されていたのだが、それが特にアナウンスもなくひっそりと更新されていたことは個人的には騙されたような複雑な気持ちだ。

Windows 10 Proをクリーンインストール

 GPD WIN MAXにはWindows 10 Homeがプリインストールされているが、到着後すぐにWindows 10 Proに入れ直した。私の運用ではRemote DesktopでのアクセスやHyper-Vが使える方が便利というのもあるし、特別にGPDのことを疑う意図はないが中華PCのプリインストールOSやプリインストールアプリは一貫して信用しないことにしているためだ。テクノロジー系ブログ(?)で政治のことを話題にする意図は無いが技術を政治利用できてしまうのが共産主義の怖いところなのでリスクを事前に回避することは当然のことだ(※旅行先の外国で犯罪発生率の高い地域に立ち寄らないのと同じ)。
 そもそも、GPD WIN MAXには必要なさそうなソフトウェアがプリインストールされていることも個人的には気持ちが悪い。具体的にはOpenALNVIDIA PhysX System SoftwareMicrosoft XNA FrameworkVisual C++ Redistributable Packagesが2008~2019まですべてプリインストールされているが、すべて必要とも思わないし、いずれも必要になれば自前でインストールすればいいのでプリインストールの必要性は感じない。ただでさえGPD WIN MAXはコントローラー部分やネイティブ ポートレートタイプの液晶ディスプレイなどドライバー周りなどが素のWindows 10とは異なりドライバーや各種設定に手が入っているので、まっさらにしておきたかったのもある。

 上記のような理由でWindows 10 Proをクリーンインストールしたが、内蔵SSDのパーティションも併せて変更した。
 GPD WIN MAXには中国BIWIN製 500 GBのM.2 NVMe SSDが搭載されているが、初期状態では概ね100 GB + 350 GBにパーティションが区切られており、350 GBのD:ドライブは空の状態になっている(※注:GBのカウント方法の違いやUEFI領域・リカバリー領域などの都合で総容量は450 GB程度である)。これを、今回は100 GB + 250 GB + 100 GBに切り直した。これはゲーミング用途を想定しシステム・ゲーム・データのライフサイクルの違いを念頭においたものだ。
 私の場合、前世代メインPC=ThinkPad X220では256 GBのSSDをシステムとデータの2パーティションに分割していたが、このシステム+データの区切りは一般的だろうと思う。WindowsシステムはWindows as a Serviceに従うなら半年に1回インストールし直すことになるしWindowsもアプリ類も壊れたらインストールし直せば済むが、データは半永久的に残すものだからだ。今回はこれに大容量 250 GBのゲーム領域を追加した格好だ。
 私のゲーミングプラットフォームはSteam + Epic Gamesで、上記の2パーティション制でいうとC:ドライブにインストールすべきアプリ類に相当するように思われるが、一般的なアプリ類(例:Microsoft Office)とゲームとを比較すると、ゲームの場合は新作を買ったらインストール・飽きたらアンインストールというライフサイクルが比較的短いし、また容量も大きく気が付いたらC:ドライブを食い尽くしていた…などということがあっても困る(つまりクォータの代わり)。そういったことを考慮するとゲーミング用に専用パーティションを区切ることは理に適っていると思う。

 GPD WIN MAXのWindowsのクリーンインストール自体は意外にも難しくない。
 GPD HKのダウンロードサイトからドライバーを入手する必要があるが、Windows 10 FirmwareセクションからGPD謹製の標準Windows 10 Homeイメージ、Driver & BIOSセクションからドライバーを一括ダウンロードすることができる。今回はMicrosoftからダウンロードした素のWindows 10に後者のドライバーパッケージを適用した。
 このドライバーパッケージが面白いのは、多くのベンダー製PCのドライバーとは違い一括インストールを想定していることだ。ダウンロードしたZipファイルを展開すると、各種ドライバー類が格納されたフォルダーとAutoInstallDrivers.batファイルが出てくるが、このバッチファイルを管理者権限で実行することですべてのドライバーを一括で適用することができる。
 ちなみに、フォルダーに入っているドライバー類が必要なドライバーかどうかは確認したが改変されているかどうかについては確認しなかった。Windows 10の場合、ドライバーもWHQLドライバーがMicrosoft Updateで更新可能なためドライバーのバイナリーを確認することにはほとんど意味がないからだ(Settings→Update & Security→Windows Update→View optional updates)。
 GPD WIN MAXの8インチ液晶ディスプレイはポートレート スタイルがネイティブでドライバーで90度回転させている状態だが、クリーンインストールするとWindows 10のインストール完了時点まではポートレート スタイルになっており、これがドライバー類をインストール・再起動するとランドスケープ スタイルに切り替わる。もっとも、Intel Graphicsは標準でControl + Alt + 矢印キーで画面を回転させることが可能なのでGPDが何かを改変しているわけではなくIntel純正の機能をレジストリー設定の追加で適用しているだけだ。ちなみに、もしドライバーインストール→再起動後にランドスケープ スタイルに切り替わっていない場合でもSettings→System→DisplayでDisplay orientationからLandscapeを選択することで切り替えることができる。
 AutoInstallDrivers.batで適用されるのはフォルダー内のすべてのinfファイルとレジストリー設定3個で、レジストリー設定は上述のディスプレイ オリエンテーションの変更のほかDPI設定の変更・PCデスクトップアイコンの追加だけだ。

 調べていて分かったのだが、GPD WIN MAXのようなやや特殊なPCを使う場合はDouble Driverを使う方法があるらしい。この場合、現時点で動いているシステムをベースにDouble Driverでドライバーのバックアップを取得し、Windowsのクリーンインストール後にバックアップしたドライバーを適用する。

 GPD純正のドライバーパッケージを使う方法とDouble Driverを使う方法とで、どちらが良いかは悩ましい問題だ。ドライバーパッケージはもとより、Double DriverでバックアップするプリインストールされているドライバーもGPDが提供しているものだからバージョンはともかく内容的には違いが無いと思われる。
 個人的には、初回はGPD純正のパッケージを利用し、次回からはDouble Driverを使う方法を検討したいと思う。上述の通りWindows 10ではWHQLドライバーもMicrosoft Updateで配信されることから、GPDのパッケージでインストールしたドライバーも更新されることになる。GPD自身もダウンロードページ上のドライバーパッケージを更新するだろうが、安定性や入手元の素性という意味ではMicrosoft経由のWHQLドライバーをインストールするのが一番安全だろうからだ。


post a comment

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。