轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

三菱 ekスペース

2014-04-18 18:46:26 | MITSUBISHI
助手 「やっぱりデイズ・ルークスとekスペースの話、ちゃんとしましょうよ。」

所長 「別に構わんが。」

助手 「えーと、どこからでしたっけ。四角くって運転がしやすそうってトコまで話ましたよね。」

所長 「逆じゃろ。他のが四角いのばっかりじゃから立体的なデザインがいいって話じゃなかったか。」

助手 「そうでしたっけ。」

所長 「ま、どっちでもいいんじゃけど。」

助手 「なんか投げやりですね。えーと、それじゃ販売面はどう思います。」

所長 「そりゃ、売れんと困るじゃろ。」

助手 「そりゃ、困りますけど、そんなのどのクルマでもそうでしょ。」

所長 「いや、そういうんじゃなくって、売れんかったらリスクを背負った意味がないって話じゃ。」

助手 「ああ、日産からしたらそうですよね。」

所長 「別に売るだけじゃったら、今までのようにスズキからスペーシアを引っ張ってくるコトも出来たワケじゃ。」

助手 「そうですよね。」

所長 「スペーシアじゃったら、自動ブレーキもあるし、燃費も自慢のエネチャージで29キロ、今の軽の最先端の装備がついてくるワケじゃ。」

助手 「言われてみればそうですよね。スズキから入れてたらリスクを被るコトなく、もれなく最先端のクルマが手に入るワケですよね。そう考えたらなんで三菱と組んで開発にまで手を出したのか不思議ですよね。」

所長 「別に不思議でも何でもないじゃろ。要はOEMで入れたのを売るんでは、利幅が少なくて商売にならんのじゃろ。」

助手 「そういうコトか。」

所長 「多分、日産も初めはそれでいいって思っとったんじゃないか。軽を売って儲けるよりも軽がないコトでお客がヨソへ流れてしまわんようにするための手段じゃったと思うんじゃ。」

助手 「今のトヨタなんかそんな感じですよね。」

所長 「じゃが思った以上によぉ売れたのと、軽のシェアが増えてきたんで本腰を入れてきたんじゃろ。」

助手 「だったら同じ手を組むのなら、スズキの方が良かったんじゃないですか。」

所長 「スズキは日産に供給はしても、開発までは口を出させんじゃろ。今のままで商売になっとるワケじゃしな。」

助手 「あっ、そうですね。その点では今の三菱って取り組みしやすい相手と言えますよね。」

所長 「もちろん三菱も単独で出来るんなら、その方がいいんじゃろうけど、信頼回復が遅れとる国内でしか売れん軽よりも、海外で売れるアウトランダーやミラージュに注力したいじゃろうから、販売力のある日産と組むのは願ったり叶ったりじゃろ。」

助手 「ですね。三菱単独で出したのがトッポの再販ですからね。」

所長 「じゃから双方にとってメリットがあると踏んだから手を組んだワケじゃ。じゃがそれも売れてこその話じゃから、売れてもらわんとイカンと言うとるんじゃ。」

助手 「わかりました。昨年出たデイズとekワゴンの台数を見てる限り成功してると言えるんじゃないですか。どっちも目標台数を平均でクリアしてますしね。」

所長 「じゃな。デイズが出たのが6月なんじゃが、日産は軽の最高台数を記録しとるし、三菱もここんトコ台数が減りっぱなしじゃったのが、上向いたしの。何よりも日産に出しとる分も全部三菱の工場でつくっとるワケじゃし、工場が潤っとるのが大きいじゃろうな。」

助手 「ですね。これでスーパーハイトワゴンのデイズ・ルークスとekスペースが加わったら、ダイハツ、スズキ、ホンダに続く第四極になりそうですね。」

所長 「まぁ、そうならんとイカンじゃろうな。じゃがまだまだシェアは小さいし、今後車種を増やしてどうなるかじゃろうな。取り敢えず、デイズ・ルークスとekスペースが出たコトで、デイズとekワゴンの台数が減ってしまうようじゃと厳しいじゃろうな。増えた分はヨソからの純増でないとイカンじゃろ。」

助手 「それは言えてますね。軽の場合、背の高さとスライドドアの有無しか変わりませんし、同じメーカーで競合するコトも十分考えられますしね。」

所長 「ま、それはヨソのメーカーも一緒じゃけどな。で、4社のシェアが20%台でしのぎを削るようになったら面白いんじゃがな。」

助手 「ますます軽の販売が上向きそうですね。」

所長 「規格や税金、TPPに超小型モビリティと外的要因に左右されるんじゃろうけど、今、国民に一番支持されとるのは間違いないし、前向きに考えて欲しいモンじゃな。」

助手 「ですね。」

所長 「あと、早いトコ自動ブレーキを設定せんと辛いじゃろうな。新車効果が薄れてきて競合車と比較検討して選ばれるようになったら、一番優劣がつくトコじゃろうしな。」

助手 「ですね。日産も三菱も搭載しているクルマはありますし、出来ないコトはないと思いますけどね。」

所長 「じゃが今度の新車発売のタイミングで載せてこれんかったトコを見ると、コストかなんかに問題があるんじゃろうな。」

助手 「かもしれませんね。ま、言ってる間に出てくるんでしょうけどね。」

所長 「じゃな。あっ、それと気になるのは、三菱の商用車からの撤退じゃ。ミニキャブがスズキのエブリィ・キャリィのOEMなってしもうたの。」

助手 「みたいですね。」

所長 「なんか呆気なかったのぉ。サンバーがなくなるときはあんなに大騒ぎじゃったのに。」

助手 「言われてみればそうですね。ま、サンバーと違って熱狂的なファンが少なかったからでしょうね。」

所長 「そうかぁ、ミニキャブも50年近い歴史があるクルマじゃし、三菱の軽で言えば乗用車に匹敵する販売台数を誇っとったクルマじゃぞ。」

助手 「そうかもしれませんけど、趣味性が低いんで一般ユーザーにとってはエブリィに変わっても差し支えないんじゃないですか。」

所長 「そう言われるとそうなんじゃが、ワシは気に入らんのぉ。」

助手 「その分、軽乗用車に開発資金が回りまわるワケですし、今の三菱の状況だったら仕方ないと思いますけどね。」

所長 「うーん、ワシには日産主導の決定のように感じるんじゃがな。スズキからのOEMにしても日産が橋渡ししとるんじゃろうし。」

助手 「それはそうでしょうね。でも三菱にとって悪い話じゃないと思いますけど。」

所長 「そうかのぉ。当たり外れの少ない商用車って、安定してつくれるワケじゃし、工場の稼動状況から考えると強い武器じゃと思うんじゃがな。じゃから三菱は手放したくなかったんじゃないかのぉ。反対に日産からするとNMKVで積極的に開発に取り組むほど魅力があるワケでもないし、ヨソから入れるんじゃったら、三菱でもスズキでもそうたいして変わらんじゃろ。」

助手 「でもスバルが軽自動車から撤退するときは所長、肯定的だったじゃないですか。」

所長 「それはスバルのメイン車種と軽を両立させるのは効率が悪いと思ったからじゃ。三菱は軽をつくり続けるワケじゃし、商用車だけやめるっていうのが腑に落ちんのじゃ。」

助手 「言われてみればそうですね。」

所長 「うがった見方をすれば、日産が軽を自前でやるコトによって、これまでのスズキとの関係を良好に保つための担保にしたとか。」

助手 「いくらなんでもそこまでしないでしょ。所長、モノの見方がだいぶネくれてきましたね。」


参考資料
三菱ekスペース(三菱自動車株式会社)
三菱ekスペースカスタム(三菱自動車株式会社)
日産DAYZルークス(轟クルマ文化研究所)


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6 コメント

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軽自動車には夢が無い (トヨタアンチ)
2014-04-19 20:42:41
さて、三菱と日産の合同チームの次回作としては、軽自動車のハイブリッド化を目指すようです。
ホンダとダイハツは久々に軽のスポーツカーを出すようですし、軽自動車がもの凄い勢いで盛り上がっています。
盛り上がっていますが・・・うーむ。
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Re:軽自動車には夢が無い (宇垂)
2014-04-21 20:30:55
トヨタアンチさん

三菱と日産の件ですが、EVですよね。どっちも実績のある会社ですし、案外早く出るような気がします。
軽スポーツ、出たときは凄い盛り上がりなんでしょうけど、長続きするか心配ですね。CR-Zや86にしても最近は大人しいモンですしね。

ま、いずれにしろ安いクルマで選択肢が増えるのは消費者にとって有り難い話だと思います。

ボクは軽もアリだと思いますよ。
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「イ」は大きな「イ」 (ひでゆき)
2014-04-25 19:14:22
 というワケで
×スズキのエブリィ・キャリィ
○スズキのエブリイ・キャリイ

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Re:「イ」は大きな「イ」 (宇垂)
2014-04-25 20:22:59
ひでゆきさん

これは失礼しました。
恥ずかしながら、ずっと小さな「イ」だとばっかり思ってました。
これからは性格にエブリイと発音したいと思います。

調べてみたんですが、アクティは小さな「イ」でした(笑)
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Unknown (llll)
2014-10-04 22:41:00
日産が自社工場稼働率アップの為に軽の自社生産までやりたいらしいですね。そんなことされたら三菱としたらたまったもんじゃないですね。でも自社生産したら三菱に追加料払う必要があるとか?

個人的に三菱はいすゞと同様に乗用よりも働く車に強いイメージがありました。

しかし三菱は収益率を高める為に利率が低い商用車を止めたみたいですね。ふそうはダイムラーの完全子会社になりましたし。でもミニキャブMievやトライトンは続けるというのが意味不明です。タイ生産ミラージュも利率が良さそうな車には思えないです。商用車部門が赤字でないのなら続けた方が良さそうですが。ふそうの件に関してはただ単にキャッシュが欲しかっただけなのかもしれませけど。

まあ、軽乗用台数が上がってきているのに対し、軽貨物台数が年々減っていることを考えれば経営判断としては間違っていないのかもしれません。

ただし、ミニキャブは安定したシェアを持っていたのに対し、ブラボー・タウンボックスってイマイチ人気が無いですよね。

パジェロミニ復活の噂はありますが、ミニカ復活はどうなんでしょうね。アルト・ミラの販売はまだ安定している様ですし、ホンダはトゥデイの様な車を復活させるみたいですね。

軽自動車自社開発は0(全面撤退)か100(フルラインアップ継続)のどちらかの方が良いと思います。メーカーの垣根を越えた良い所取り共同開発なんかもやった方が良いのでは。
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Unknown (宇垂)
2014-10-08 19:24:18
llllさん

>日産が自社工場稼働率アップの為に軽の自社生産までやりたいらしいですね。そんなことされたら三菱としたらたまったもんじゃないですね。でも自社生産したら三菱に追加料払う必要があるとか?

日産は三菱を踏み台するつもりなんでしょうかね。三菱にしたらホントたまったモンじゃないですね。

>しかし三菱は収益率を高める為に利率が低い商用車を止めたみたいですね。ふそうはダイムラーの完全子会社になりましたし。でもミニキャブMievやトライトンは続けるというのが意味不明です。タイ生産ミラージュも利率が良さそうな車には思えないです。商用車部門が赤字でないのなら続けた方が良さそうですが。ふそうの件に関してはただ単にキャッシュが欲しかっただけなのかもしれませけど。

うーん、外から見てる以上に台所事情は苦しいのかもしれませんね。

>パジェロミニ復活の噂はありますが、ミニカ復活はどうなんでしょうね。アルト・ミラの販売はまだ安定している様ですし、ホンダはトゥデイの様な車を復活させるみたいですね。

ダイハツやスズキのチカラの入れようを見てると見過ごすワケにはいかない気がしますね。ただベーシックなクルマを出そうとすると、燃費競争で優位に立てないと厳しいかもしれませんね。

>軽自動車自社開発は0(全面撤退)か100(フルラインアップ継続)のどちらかの方が良いと思います。メーカーの垣根を越えた良い所取り共同開発なんかもやった方が良いのでは。

経営判断からすれば0か100にならざるを得ないのかもしれませんが、そうなるとなんでもかんでも切り捨てて、どんどん縮小し、将来的にどこかの企業の一部門になってしまいそうな気も。出来るコトなら収益性は低くとも残せる道を探し出して欲しいところです。
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