助手 「クロスオーバーの後は日産が続きますけど、今度はNMKVの第2弾のデイズ・ルークスと三菱のekスペースが出ましたね。」
所長 「ああ、だいぶんと前からデザインは公開されとったんじゃが、実際出てみるとなかなか迫力があっていいんじゃないか。」
助手 「えー、そうですかぁ。ボクはうねったようなラインがあんまり好きじゃないですけど。」
所長 「まぁ、その辺りは好き好きじゃと思うんじゃが、このクラスのタント、Nボックス、スペーシアと四角いのが揃っとるから、これぐらいやらんと目立たんじゃろ。」
助手 「それもそうでしょうけど。」
所長 「窓枠の下のラインがうねっとるのは単に格好をつけるためだけじゃなくって、サイドとリアの見切りの良さにも一役買っとるんじゃろうし。」
助手 「前にタントが出たときに言ってましたよね。このクラスのクルマってデカいけど、実は手足のように使えるんじゃないかって。」
所長 「ま、軽の箱バンには敵わんがな。それもオートマじゃったら言うコトないわ。」
助手 「えーっ、所長、オートマがいいんですかっ。見損ないましたよ。」
所長 「そうかぁ。運転のしやすさで言えばオートマの方が分があるじゃろうが。」
助手 「いや、それは否定しませんけど、仮にもクルマ文化研究所の所長を名乗ってるヒトが、しれっとした顔で『オートマじゃったら言うコトないわ』なんて悲しくなってきますよ。」
所長 「大げさなヤツじゃのぉ。もちろんワシも自分で運転するんなら、例え軽バンでもマニュアルの方がいいわ。楽しめるしの。」
助手 「じゃあ、なんでオートマがいいなんて言うんですか。」
所長 「マニュアルでは絶対にオートマに勝てんトコがあるんじゃ。何かわかるか。」
助手 「えっ、えーと、渋滞の煩わしさとか。」
所長 「そんなモン別になんともないわ。まぁ、長時間の渋滞じゃと足が攣りそうになるが、そんなコト滅多にないしの。」
助手 「じゃあ、あれじゃないですか。信号が青に変わったときにマニュアルだとひと呼吸置いてからじゃないと動き出せないでしょ。たまに後ろのクルマにホーンを鳴らされて焦ってしまうコトがありますしね。」
所長 「そんなモン、準備が足らんだけじゃろうが。横の信号が赤に変わるのを見て1速にほおり込んで、いつでも動き出せるようにしとけば問題ないわ。」
助手 「違うんですか。じゃあ、運転中に彼女の手を握れるとかですか。」
所長 「何をバカなコトを恥ずかしげもなく言っとるんじゃ。オートマであろうと運転中はちゃんとハンドルを持っとかんとイカンに決まっとるじゃろ。」
助手 「えー、他に何かありましたっけ。あっ、坂道発進ですか。」
所長 「それもテクニック次第じゃ。マニュアルに乗っとるからこそ、エンストせんようにスムーズに発進する技術が身につくんじゃ。ワシが言うとるのは構造的にオートマの方が絶対に有利なモンがあるんじゃ。」
助手 「えー、何ですか、教えてくださいよ。」
所長 「なんじゃ、もうギブアップか、情けないのぉ。しょうがないから教えてやるわ。バックじゃ。」
助手 「バック、ですか。」
所長 「そうじゃ。なんでバックかわかるか。」
助手 「あっ、わかりました。オートマだとバックするときにブザーが鳴るから、間違いを起こしにくい。どうですか。」
所長 「全然違うわ。マニュアルでもブザーが鳴るのもあるし、ブザーが鳴ったぐらいで間違えんのじゃったら、事故なんて起こらんわ。ホントにダメなヤツじゃのぉ。仕方がないから教えてやるわ。クラッチじゃ。」
助手 「クラッチ、ですか。」
所長 「まだわからんのか。マニュアルを運転してバックするところを想像してみぃ。まず右足でブレーキを踏んどる状態で、左足でクラッチペダルをグッと踏み込むじゃろ。」
助手 「はい。」
所長 「で、左手でギアをバックに入れるじゃろ。ほんで後ろを見ながら右足をアクセルに踏み変えて、アクセルを軽く踏みながらクラッチを繋げていくんじゃ。」
助手 「そうですね。それのどこがオートマに負けてるんですか。」
所長 「オートマじゃったら、クラッチを踏まんでもいいじゃろ。」
助手 「当たり前じゃないですか。」
所長 「クラッチを踏まんでいいってコトはじゃな、左足の位置を自由に動かせるってコトじゃろうが。」
助手 「ですね。」
所長 「バックをするときに下手クソなモンは首だけを後ろに向けるから、真っ直ぐ下がれないんじゃ。腰からガバっと後ろに向けて、顔が完全に真後ろを向くようにすれば、前に走っとるのとおんなじように進むコトが出来るじゃろ。」
助手 「あっ、確かにそうですね。」
所長 「あとハンドルの一番上を持つのも忘れてはイカンの。で、そのときに左足を後ろに下げて横に向ければ後ろを向くのが楽なんじゃ。ケツも斜めにずらして、ちょうど半身の体勢みたいな感じじゃな。」
助手 「言われてみればそうやってますね。」
所長 「それがマニュアルじゃとクラッチを踏まんとイカンから、左足をクラッチペダルの位置から動かせないんじゃ。」
助手 「確かに無理な体勢をとらないといけませんよね。でもクラッチをつないでしまえば、左足はフリーになるんじゃないですか。」
所長 「じゃが、止まるときにはまたクラッチ踏まんとエンストしてしまうじゃろ。バックするときってたいがい駐車や方向転回とか、低速で動いて止まるの繰り返しじゃろ。左足はいつでもクラッチを踏めるようにしとかんとイカンしの。」
助手 「それもそうですね。」
所長 「じゃからこれだけはクルマの構造上、圧倒的にオートマが有利なんじゃ。それも右ハンドルのな。」
助手 「えっ、あっ、そうか。左ハンドルなら、間逆になりますし、右足はアクセルペダルの上ですモンね。」
所長 「そうじゃ。ことバックに掛けては、右ハンドルのオートマが一番理想的なペダル配置じゃと言えるんじゃ。」
助手 「へー、それは知りませんでした。って言うか、考えたコトもなかったですね。」
所長 「じゃが、最近はバックするときに前を向いたままバックミラーやサイドミラーだけを見て下るモンが増えとるんじゃ。あれじゃと思わぬ障害物に当ってしまう可能性が高いと思うんじゃ。」
助手 「ですね。ボクも最近ついつい手を抜いてミラーだけを見て下がってしまいますね。それで突起物に当ったコトもありますよ。でもあの位置は後ろを見てても見えませんけどね。」
所長 「もちろん、どうやっても死角はあるんじゃ。じゃからそれを少しでも減らすために後ろを見て、見えんトコはミラーで確認するのをクセにせんとイカンのじゃ。ま、日産のアラウンドビューモニターがあれば、それもなくなるのかもしれんが、如何せん今のヤツじゃ見えづらすぎるわ。バックミラーの隅にちょこっと映るだけじゃとワシなんかじゃと全然見えんわ。」
助手 「言えてますね。もっと、そうリアガラスいっぱいに映るようになったらいいんですけどね。」
所長 「後ろはダメじゃ。実際の景色が見えんようになってしまうしの。それよりフロントガラスの方がいいんじゃないか。それだったら後ろを見て、確認するときに前を見ればいいんじゃしな。」
助手 「バックギアに入ってるときだけなら、フロントの景色が見えなくなってもあんまり支障はないかもしれませんね。」
所長 「それにフロントガラスにアラウンドビューモニターの映像が映っとるのなら、間違ってバックに入れたまま、前に進もうとするのも防げるかもしれんのぉ。」
助手 「あっ、それいいかもしれませんね。」
所長 「今回は珍しくなかなか有意義じゃったのぉ。」
助手 「あれっ、終わろうとしてませんか。まだデイズルークスとekスペースの話が・・・。」
所長 「ん、そうじゃったかのぉ。」
参考資料
日産DAYZルークス(日産自動車株式会社)
三菱ekスペース(三菱自動車株式会社)
三菱ekスペースカスタム(三菱自動車株式会社)
ダイハツ・タント(轟クルマ文化研究所)
アラウンドビューモニター(日産自動車株式会社)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
所長 「ああ、だいぶんと前からデザインは公開されとったんじゃが、実際出てみるとなかなか迫力があっていいんじゃないか。」
助手 「えー、そうですかぁ。ボクはうねったようなラインがあんまり好きじゃないですけど。」
所長 「まぁ、その辺りは好き好きじゃと思うんじゃが、このクラスのタント、Nボックス、スペーシアと四角いのが揃っとるから、これぐらいやらんと目立たんじゃろ。」
助手 「それもそうでしょうけど。」
所長 「窓枠の下のラインがうねっとるのは単に格好をつけるためだけじゃなくって、サイドとリアの見切りの良さにも一役買っとるんじゃろうし。」
助手 「前にタントが出たときに言ってましたよね。このクラスのクルマってデカいけど、実は手足のように使えるんじゃないかって。」
所長 「ま、軽の箱バンには敵わんがな。それもオートマじゃったら言うコトないわ。」
助手 「えーっ、所長、オートマがいいんですかっ。見損ないましたよ。」
所長 「そうかぁ。運転のしやすさで言えばオートマの方が分があるじゃろうが。」
助手 「いや、それは否定しませんけど、仮にもクルマ文化研究所の所長を名乗ってるヒトが、しれっとした顔で『オートマじゃったら言うコトないわ』なんて悲しくなってきますよ。」
所長 「大げさなヤツじゃのぉ。もちろんワシも自分で運転するんなら、例え軽バンでもマニュアルの方がいいわ。楽しめるしの。」
助手 「じゃあ、なんでオートマがいいなんて言うんですか。」
所長 「マニュアルでは絶対にオートマに勝てんトコがあるんじゃ。何かわかるか。」
助手 「えっ、えーと、渋滞の煩わしさとか。」
所長 「そんなモン別になんともないわ。まぁ、長時間の渋滞じゃと足が攣りそうになるが、そんなコト滅多にないしの。」
助手 「じゃあ、あれじゃないですか。信号が青に変わったときにマニュアルだとひと呼吸置いてからじゃないと動き出せないでしょ。たまに後ろのクルマにホーンを鳴らされて焦ってしまうコトがありますしね。」
所長 「そんなモン、準備が足らんだけじゃろうが。横の信号が赤に変わるのを見て1速にほおり込んで、いつでも動き出せるようにしとけば問題ないわ。」
助手 「違うんですか。じゃあ、運転中に彼女の手を握れるとかですか。」
所長 「何をバカなコトを恥ずかしげもなく言っとるんじゃ。オートマであろうと運転中はちゃんとハンドルを持っとかんとイカンに決まっとるじゃろ。」
助手 「えー、他に何かありましたっけ。あっ、坂道発進ですか。」
所長 「それもテクニック次第じゃ。マニュアルに乗っとるからこそ、エンストせんようにスムーズに発進する技術が身につくんじゃ。ワシが言うとるのは構造的にオートマの方が絶対に有利なモンがあるんじゃ。」
助手 「えー、何ですか、教えてくださいよ。」
所長 「なんじゃ、もうギブアップか、情けないのぉ。しょうがないから教えてやるわ。バックじゃ。」
助手 「バック、ですか。」
所長 「そうじゃ。なんでバックかわかるか。」
助手 「あっ、わかりました。オートマだとバックするときにブザーが鳴るから、間違いを起こしにくい。どうですか。」
所長 「全然違うわ。マニュアルでもブザーが鳴るのもあるし、ブザーが鳴ったぐらいで間違えんのじゃったら、事故なんて起こらんわ。ホントにダメなヤツじゃのぉ。仕方がないから教えてやるわ。クラッチじゃ。」
助手 「クラッチ、ですか。」
所長 「まだわからんのか。マニュアルを運転してバックするところを想像してみぃ。まず右足でブレーキを踏んどる状態で、左足でクラッチペダルをグッと踏み込むじゃろ。」
助手 「はい。」
所長 「で、左手でギアをバックに入れるじゃろ。ほんで後ろを見ながら右足をアクセルに踏み変えて、アクセルを軽く踏みながらクラッチを繋げていくんじゃ。」
助手 「そうですね。それのどこがオートマに負けてるんですか。」
所長 「オートマじゃったら、クラッチを踏まんでもいいじゃろ。」
助手 「当たり前じゃないですか。」
所長 「クラッチを踏まんでいいってコトはじゃな、左足の位置を自由に動かせるってコトじゃろうが。」
助手 「ですね。」
所長 「バックをするときに下手クソなモンは首だけを後ろに向けるから、真っ直ぐ下がれないんじゃ。腰からガバっと後ろに向けて、顔が完全に真後ろを向くようにすれば、前に走っとるのとおんなじように進むコトが出来るじゃろ。」
助手 「あっ、確かにそうですね。」
所長 「あとハンドルの一番上を持つのも忘れてはイカンの。で、そのときに左足を後ろに下げて横に向ければ後ろを向くのが楽なんじゃ。ケツも斜めにずらして、ちょうど半身の体勢みたいな感じじゃな。」
助手 「言われてみればそうやってますね。」
所長 「それがマニュアルじゃとクラッチを踏まんとイカンから、左足をクラッチペダルの位置から動かせないんじゃ。」
助手 「確かに無理な体勢をとらないといけませんよね。でもクラッチをつないでしまえば、左足はフリーになるんじゃないですか。」
所長 「じゃが、止まるときにはまたクラッチ踏まんとエンストしてしまうじゃろ。バックするときってたいがい駐車や方向転回とか、低速で動いて止まるの繰り返しじゃろ。左足はいつでもクラッチを踏めるようにしとかんとイカンしの。」
助手 「それもそうですね。」
所長 「じゃからこれだけはクルマの構造上、圧倒的にオートマが有利なんじゃ。それも右ハンドルのな。」
助手 「えっ、あっ、そうか。左ハンドルなら、間逆になりますし、右足はアクセルペダルの上ですモンね。」
所長 「そうじゃ。ことバックに掛けては、右ハンドルのオートマが一番理想的なペダル配置じゃと言えるんじゃ。」
助手 「へー、それは知りませんでした。って言うか、考えたコトもなかったですね。」
所長 「じゃが、最近はバックするときに前を向いたままバックミラーやサイドミラーだけを見て下るモンが増えとるんじゃ。あれじゃと思わぬ障害物に当ってしまう可能性が高いと思うんじゃ。」
助手 「ですね。ボクも最近ついつい手を抜いてミラーだけを見て下がってしまいますね。それで突起物に当ったコトもありますよ。でもあの位置は後ろを見てても見えませんけどね。」
所長 「もちろん、どうやっても死角はあるんじゃ。じゃからそれを少しでも減らすために後ろを見て、見えんトコはミラーで確認するのをクセにせんとイカンのじゃ。ま、日産のアラウンドビューモニターがあれば、それもなくなるのかもしれんが、如何せん今のヤツじゃ見えづらすぎるわ。バックミラーの隅にちょこっと映るだけじゃとワシなんかじゃと全然見えんわ。」
助手 「言えてますね。もっと、そうリアガラスいっぱいに映るようになったらいいんですけどね。」
所長 「後ろはダメじゃ。実際の景色が見えんようになってしまうしの。それよりフロントガラスの方がいいんじゃないか。それだったら後ろを見て、確認するときに前を見ればいいんじゃしな。」
助手 「バックギアに入ってるときだけなら、フロントの景色が見えなくなってもあんまり支障はないかもしれませんね。」
所長 「それにフロントガラスにアラウンドビューモニターの映像が映っとるのなら、間違ってバックに入れたまま、前に進もうとするのも防げるかもしれんのぉ。」
助手 「あっ、それいいかもしれませんね。」
所長 「今回は珍しくなかなか有意義じゃったのぉ。」
助手 「あれっ、終わろうとしてませんか。まだデイズルークスとekスペースの話が・・・。」
所長 「ん、そうじゃったかのぉ。」
参考資料
日産DAYZルークス(日産自動車株式会社)
三菱ekスペース(三菱自動車株式会社)
三菱ekスペースカスタム(三菱自動車株式会社)
ダイハツ・タント(轟クルマ文化研究所)
アラウンドビューモニター(日産自動車株式会社)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
個人的には普通のekワゴンやDAYZよりも好きです。
日常性を重視した軽自動車であるなら、より居住空間が大きい方がいいかと思います。
長い目でみるならスペーシアやタント、ekスペースやDAYZルークスといった車が軽自動車の正解かな?
道具としてのクルマ、日常の使い勝手の良さ、なんかの視点から見れば、このクラスのクルマってとてもよく出来ていますよね。
かつてのルノー・キャトルやフィアット・パンダのコンセプトを突き詰めたひとつのカタチかもって気がします。
ただ個人的にはスライドドアはいらないんで、ekワゴンやDAYZの軽快感の方にひかれます。