助手 「フォードのフォーカスが再上陸しましたね。」
所長 「フォーカスと言えば、ちょっと前に販売台数の世界一をカローラと言い争ってたの。」
助手 「ありましたね。アメリカの調査会社のデータで、フォーカスが104万台売れて昨年の車名別の乗用車で一番になったってコトだったんですけど、カローラは116万台売れてるってトヨタが言い出したんですよ。その調査会社の集計では84万台だったんですけどね。ズレの原因は中国の合弁での生産分や派生車種のカウントの違いとか言われてますね。」
所長 「うーん、日本でもカローラ・ルミオンなんかをカローラの集計に入れるのはおかしいってよく言われとるしの。」
助手 「ですよね。アメリカではサイオンxBとして売られてるクルマですし、カローラとはプラットフォームからして違いますからね。」
所長 「言い出せば日本で売っとるカローラとアメリカで売っとるカローラも全く別モンのクルマじゃろ。それをカローラって名前でひとくくりにするのもおかしいんじゃけどな。」
助手 「それもそうですよね。それがまかり通るんだったら、いっそのことプリウスもアクアもみんなカローラシリーズに組み込めばいいって話になってしまいますよね。」
所長 「トヨタもなんでそんなコトを言い出したんじゃろうな。言ったところであんまりいい方へ転ぶとは思えんのじゃが。」
助手 「言えてますね。で、そのフォーカスですけど、どうですか。」
所長 「カローラに勝っとるか負けとるかは別にして、年間100万台以上売ったベストセラーには違いないじゃろ。そんなクルマがこれまで日本で買えんかった方が不思議なぐらいじゃ。」
助手 「ですよね。ヨーロッパなんかでは、シャーシー性能ではゴルフを上回ってるってもっぱらの評判ですし、もっと評価されていいクルマですよね。」
所長 「うーん、フォーカスの話になると、必ずゴルフが引き合いに出されるじゃろ。どうも気に入らんの。」
助手 「それは仕方がないでしょ。それだけこのクラスでゴルフは絶対的な存在なワケですから。」
所長 「じゃがそのゴルフよりフォーカスの方が売れとるんじゃろ。じゃったらいちいちゴルフを持ち出さんでもいいんじゃないかのぉ。」
助手 「そうは言っても日本ではゴルフに到底及びませんし、仕方ないでしょ。」
所長 「それはそうなんじゃけど。」
助手 「再上陸するっていうんで期待してたんですけど、正直期待はずれですね。」
所長 「ああ、エンジンも2リッターの1グレードらしいの。」
助手 「ゴルフが1.2リットルや1.4リットルの低燃費エンジンに移行してるのに、今どき2リッターって言うのもね。フォードには評判のいい3気筒1リットルのエコブーストもあるのに。」
所長 「日本に入れるフォーカスってタイでつくっとるらしいんじゃけど、タイでつくっとるヤツにはエコブーストは搭載しとらんのじゃないかのぉ。ま、いずれは積んでくるじゃろうけど。」
助手 「ああ、そういうコトかもしれませんね。」
所長 「あと価格が293万っていうのもどうなんじゃろうな。ゴルフⅥの一番安いのが1.2リットルで249万円なんじゃ。ボルボのV40で269万円、ベンツのAクラスでも284万円、そう考えると、競争力が低いと思うんじゃがな。」
助手 「ま、入ってくるタイミングも悪かったんですけどね。アベノミクスの効果かなんか知りませんけど円安になりましたし、フォルクスワーゲンも来月値上げするって話ですしね。」
所長 「それもわからんでもないんじゃけど、再導入するワケじゃからもっと売り方を考えんとイカンのじゃないかのぉ。それでなくても一度販売をやめとるのって、悪いイメージがついとるワケじゃし。」
助手 「言えてますね。正直な話、ボクがフォーカスのオーナーだったとしても、もう一回フォーカスを買おうって気になるとは思えませんね。」
所長 「じゃがフォーカスってクルマ自体に魅力があるのも事実じゃろ。なんせ去年1年間で100万人も買ったヒトがおるワケじゃからな。先代に乗っとって新型の導入を心待ちにしとったモンもおるんじゃないか。」
助手 「それもそうですね。」
所長 「じゃから日本で買えるようになったのは有難い話には違いないんじゃ。じゃが、どうせ売るんじゃったらもっと売れるようにせんともったいないと思うんじゃ。じゃないと売れんかったらまたやめるコトになりかねんしの。」
助手 「ですね。」
所長 「ワシが売る立場じゃったら、1リットルのエコブーストは外せんの。実際の数値は知らんが1リットル3気筒はゴルフの1.2リットルのTSIを凌ぐインパクトがあるじゃろ。」
助手 「言えてますね。」
所長 「で、タイ生産の旨味を生かして価格をグッと下げんとイカンじゃろ。どれぐらいまで下げられるのか知らんが、少なくともゴルフより安くしたいの。出来るんならポロとおんなじぐらいまで下げてじゃな、ポロの価格でゴルフが買えるのを売りにしたいところじゃな。」
助手 「でもそんなコトするとタイ製の安モンのイメージがついてしまうんじゃないですか。」
所長 「じゃが実際にタイでつくっとるんじゃろ。日本でタイ生産と聞いたらやっぱり安モンのイメージはつきまとうじゃろ。それじゃったら、タイ製のメリットも生かさん手はないじゃろ。」
助手 「それはそうかもしれませんね。」
所長 「で、安くで売れる体制が出来たら、今度はイメージアップじゃ。」
助手 「どうするんですか。」
所長 「フォーカスにはSTってスポーツモデルがあったじゃろ。あれを入れるんじゃ。高くなってもいいしヨーロッパ製のヤツをな。」
助手 「ルノーがルノースポールで一定の成果を上げてますし、いいかもしれませんね。」
所長 「向こうでの評価は高いんじゃから、それこそ『ハンドリングで選ぶならフォーカス』とか『ヨーロッパが育んだ足回り』とかベタな売り文句で、日本ではゴルフの独断場になっとるんじゃが、向こうでは事情が違うってコトをもっとアピールした方がいいじゃろ。」
助手 「それはいいかもしれませんね。」
所長 「あと一番やらんとイカンのが、フォードってブランドを変えてしまうんじゃ。」
助手 「えっ、何を言ってるんですか。」
所長 「フォードってひと口に言ってもアメリカとヨーロッパとじゃ全くの別モンじゃろ。それをおんなじフォードって名前で売ろうとするから、ブランドイメージが定まらんのじゃ。もっと言うとオートラマで売っとったマツダ製のレーザーやフェスティバなんかのイメージもまだ残っとるじゃろうし。」
助手 「それはわかりますけど、ブランドを変えるのはいくらなんでもやり過ぎでしょ。それも日本の都合だけで。」
所長 「何も新しくブランドを立ち上げろって言っとるワケじゃないんじゃ。」
助手 「じゃあ、どうしろと言うんですか。」
所長 「『フォード・アメリカ』と『フォード・ヨーロッパ』に分けてしまうんじゃ。」
助手 「へっ。」
所長 「マークのデザインはそのままでいいし、アメリカとかヨーロッパを付け足すだけじゃったら、金もそんなに掛からんじゃろ。CMや広告もそれぞれのイメージでつくり分けて、売るのも店舗は一緒でもいいんじゃが、コーナーごとに分けて展示して違うメーカーのクルマみたいな顔をして売るんじゃ。そうすると知らん客でも区別がつくようになるんじゃないかのぉ。そもそもフォーカスやフィエスタのような大衆欧州車とマスタングやエクスプローラーのようなイカついアメ車を一緒にくたにする方がどうかしとると思うぞ。」
助手 「確かにユーザー層も全然違いますよね。」
所長 「フォーカスを売りたかったら、みんなの大好きなゴルフとおんなじドイツ製って言うのをもっとアピールせんともったいないじゃろ。」
助手 「いや、タイ製ですけどね。」
所長 「うっ・・・。じゃあドイツ開発のクルマというコトでもいいわ。だいたいドイツ車っていうても、どこのメーカーでも海外の工場が増えとるから、別に問題ないじゃろ。」
助手 「ですね。でも所長のアイデア、結構面白いと思いますよ。」
所長 「じゃろ。」
助手 「でも所長もゴルフを引き合いに出してるのが気にいりませんけどね。」
所長 「・・・・。」
参考資料
フォード・フォーカス(フォード・ジャパン・リミテッド)
フォード・エクスプローラー(轟クルマ文化研究所)
フォード・クーガ(轟クルマ文化研究所)
フォルクスワーゲン・ゴルフその2(轟クルマ文化研究所)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
所長 「フォーカスと言えば、ちょっと前に販売台数の世界一をカローラと言い争ってたの。」
助手 「ありましたね。アメリカの調査会社のデータで、フォーカスが104万台売れて昨年の車名別の乗用車で一番になったってコトだったんですけど、カローラは116万台売れてるってトヨタが言い出したんですよ。その調査会社の集計では84万台だったんですけどね。ズレの原因は中国の合弁での生産分や派生車種のカウントの違いとか言われてますね。」
所長 「うーん、日本でもカローラ・ルミオンなんかをカローラの集計に入れるのはおかしいってよく言われとるしの。」
助手 「ですよね。アメリカではサイオンxBとして売られてるクルマですし、カローラとはプラットフォームからして違いますからね。」
所長 「言い出せば日本で売っとるカローラとアメリカで売っとるカローラも全く別モンのクルマじゃろ。それをカローラって名前でひとくくりにするのもおかしいんじゃけどな。」
助手 「それもそうですよね。それがまかり通るんだったら、いっそのことプリウスもアクアもみんなカローラシリーズに組み込めばいいって話になってしまいますよね。」
所長 「トヨタもなんでそんなコトを言い出したんじゃろうな。言ったところであんまりいい方へ転ぶとは思えんのじゃが。」
助手 「言えてますね。で、そのフォーカスですけど、どうですか。」
所長 「カローラに勝っとるか負けとるかは別にして、年間100万台以上売ったベストセラーには違いないじゃろ。そんなクルマがこれまで日本で買えんかった方が不思議なぐらいじゃ。」
助手 「ですよね。ヨーロッパなんかでは、シャーシー性能ではゴルフを上回ってるってもっぱらの評判ですし、もっと評価されていいクルマですよね。」
所長 「うーん、フォーカスの話になると、必ずゴルフが引き合いに出されるじゃろ。どうも気に入らんの。」
助手 「それは仕方がないでしょ。それだけこのクラスでゴルフは絶対的な存在なワケですから。」
所長 「じゃがそのゴルフよりフォーカスの方が売れとるんじゃろ。じゃったらいちいちゴルフを持ち出さんでもいいんじゃないかのぉ。」
助手 「そうは言っても日本ではゴルフに到底及びませんし、仕方ないでしょ。」
所長 「それはそうなんじゃけど。」
助手 「再上陸するっていうんで期待してたんですけど、正直期待はずれですね。」
所長 「ああ、エンジンも2リッターの1グレードらしいの。」
助手 「ゴルフが1.2リットルや1.4リットルの低燃費エンジンに移行してるのに、今どき2リッターって言うのもね。フォードには評判のいい3気筒1リットルのエコブーストもあるのに。」
所長 「日本に入れるフォーカスってタイでつくっとるらしいんじゃけど、タイでつくっとるヤツにはエコブーストは搭載しとらんのじゃないかのぉ。ま、いずれは積んでくるじゃろうけど。」
助手 「ああ、そういうコトかもしれませんね。」
所長 「あと価格が293万っていうのもどうなんじゃろうな。ゴルフⅥの一番安いのが1.2リットルで249万円なんじゃ。ボルボのV40で269万円、ベンツのAクラスでも284万円、そう考えると、競争力が低いと思うんじゃがな。」
助手 「ま、入ってくるタイミングも悪かったんですけどね。アベノミクスの効果かなんか知りませんけど円安になりましたし、フォルクスワーゲンも来月値上げするって話ですしね。」
所長 「それもわからんでもないんじゃけど、再導入するワケじゃからもっと売り方を考えんとイカンのじゃないかのぉ。それでなくても一度販売をやめとるのって、悪いイメージがついとるワケじゃし。」
助手 「言えてますね。正直な話、ボクがフォーカスのオーナーだったとしても、もう一回フォーカスを買おうって気になるとは思えませんね。」
所長 「じゃがフォーカスってクルマ自体に魅力があるのも事実じゃろ。なんせ去年1年間で100万人も買ったヒトがおるワケじゃからな。先代に乗っとって新型の導入を心待ちにしとったモンもおるんじゃないか。」
助手 「それもそうですね。」
所長 「じゃから日本で買えるようになったのは有難い話には違いないんじゃ。じゃが、どうせ売るんじゃったらもっと売れるようにせんともったいないと思うんじゃ。じゃないと売れんかったらまたやめるコトになりかねんしの。」
助手 「ですね。」
所長 「ワシが売る立場じゃったら、1リットルのエコブーストは外せんの。実際の数値は知らんが1リットル3気筒はゴルフの1.2リットルのTSIを凌ぐインパクトがあるじゃろ。」
助手 「言えてますね。」
所長 「で、タイ生産の旨味を生かして価格をグッと下げんとイカンじゃろ。どれぐらいまで下げられるのか知らんが、少なくともゴルフより安くしたいの。出来るんならポロとおんなじぐらいまで下げてじゃな、ポロの価格でゴルフが買えるのを売りにしたいところじゃな。」
助手 「でもそんなコトするとタイ製の安モンのイメージがついてしまうんじゃないですか。」
所長 「じゃが実際にタイでつくっとるんじゃろ。日本でタイ生産と聞いたらやっぱり安モンのイメージはつきまとうじゃろ。それじゃったら、タイ製のメリットも生かさん手はないじゃろ。」
助手 「それはそうかもしれませんね。」
所長 「で、安くで売れる体制が出来たら、今度はイメージアップじゃ。」
助手 「どうするんですか。」
所長 「フォーカスにはSTってスポーツモデルがあったじゃろ。あれを入れるんじゃ。高くなってもいいしヨーロッパ製のヤツをな。」
助手 「ルノーがルノースポールで一定の成果を上げてますし、いいかもしれませんね。」
所長 「向こうでの評価は高いんじゃから、それこそ『ハンドリングで選ぶならフォーカス』とか『ヨーロッパが育んだ足回り』とかベタな売り文句で、日本ではゴルフの独断場になっとるんじゃが、向こうでは事情が違うってコトをもっとアピールした方がいいじゃろ。」
助手 「それはいいかもしれませんね。」
所長 「あと一番やらんとイカンのが、フォードってブランドを変えてしまうんじゃ。」
助手 「えっ、何を言ってるんですか。」
所長 「フォードってひと口に言ってもアメリカとヨーロッパとじゃ全くの別モンじゃろ。それをおんなじフォードって名前で売ろうとするから、ブランドイメージが定まらんのじゃ。もっと言うとオートラマで売っとったマツダ製のレーザーやフェスティバなんかのイメージもまだ残っとるじゃろうし。」
助手 「それはわかりますけど、ブランドを変えるのはいくらなんでもやり過ぎでしょ。それも日本の都合だけで。」
所長 「何も新しくブランドを立ち上げろって言っとるワケじゃないんじゃ。」
助手 「じゃあ、どうしろと言うんですか。」
所長 「『フォード・アメリカ』と『フォード・ヨーロッパ』に分けてしまうんじゃ。」
助手 「へっ。」
所長 「マークのデザインはそのままでいいし、アメリカとかヨーロッパを付け足すだけじゃったら、金もそんなに掛からんじゃろ。CMや広告もそれぞれのイメージでつくり分けて、売るのも店舗は一緒でもいいんじゃが、コーナーごとに分けて展示して違うメーカーのクルマみたいな顔をして売るんじゃ。そうすると知らん客でも区別がつくようになるんじゃないかのぉ。そもそもフォーカスやフィエスタのような大衆欧州車とマスタングやエクスプローラーのようなイカついアメ車を一緒にくたにする方がどうかしとると思うぞ。」
助手 「確かにユーザー層も全然違いますよね。」
所長 「フォーカスを売りたかったら、みんなの大好きなゴルフとおんなじドイツ製って言うのをもっとアピールせんともったいないじゃろ。」
助手 「いや、タイ製ですけどね。」
所長 「うっ・・・。じゃあドイツ開発のクルマというコトでもいいわ。だいたいドイツ車っていうても、どこのメーカーでも海外の工場が増えとるから、別に問題ないじゃろ。」
助手 「ですね。でも所長のアイデア、結構面白いと思いますよ。」
所長 「じゃろ。」
助手 「でも所長もゴルフを引き合いに出してるのが気にいりませんけどね。」
所長 「・・・・。」
参考資料
フォード・フォーカス(フォード・ジャパン・リミテッド)
フォード・エクスプローラー(轟クルマ文化研究所)
フォード・クーガ(轟クルマ文化研究所)
フォルクスワーゲン・ゴルフその2(轟クルマ文化研究所)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
一応新型車も注視していましたが、出てみたら…何だこりゃ。新型フォーカスはBMWにも劣らない立派な価格。。
ヨーロッパフォードの新型車を待っている人も本当に少なからず居るとは思いますが、別に大きく立派になったフォーカスを待っていたんじゃなくて、200万円切る位の
価格の車を待っていたでしょうに。
フォードジャパンのマーケティングってどんな風になっているのか不思議でなりません。
>ついにガマン出来ずに乗り換えてしまいました。
あららら、確かに遅過ぎましたね。
>フォードジャパンのマーケティングってどんな風になっているのか不思議でなりません。
誠にもって仰るとおりですね。
マーケットの大きい高級車のゾーンを狙ってるのかもしれませんが、難しいでしょうね。