助手 「昔の方が良かったってよく言うじゃないですか。」
所長 「いきなり、なんじゃ。」
助手 「いや、だから、よく昔の方が良かったって言ったり、聞いたりするコトってあるでしょ。」
所長 「ま、モノによるがの。何に関しての話じゃ。」
助手 「クルマのデザインの話です。」
所長 「なんじゃ、それじゃったらそうと早く言わんか。お前の話は要領が悪いんで意味がさっぱりわからんわ。で、クルマの場合、確かに昔の方が良かったって思うコトが多いの。」
助手 「例えば、新型が出たら先代の方が良かったって言いますし、その先代が出たときも、もうひとつ前のが良かったって言ったりしてたじゃないですか。」
所長 「もっと言うと80年代のクルマの方が良かったって言うの。ま、その80年代には60年代や70年代の方が良かったって言ってたワケじゃが。」
助手 「でしょ。ま、実際に比べてみても昔のクルマの方が味があっていいと思いますけどね。」
所長 「性能なんかは飛躍的に良くなってきとるんじゃろうけど、ことデザインに関しては最新のが一番いいって風には、なかなかならんの。」
助手 「そうなんですよ。新しいデザインがなかなか受け入れられないんでしょうね。変わったカタチのクルマだったりすると、馴染むのに時間が掛かりますし、あとになってジワーと良さがわかっているのもありますしね。」
所長 「それはあるじゃろうな。あと昔に比べて制約が多くなっとるのもあるんじゃろうな。」
助手 「安全性とか空力特性とかですね。クラッシャブルゾーンの確保のためにボンネットが高くなるって聞いたコトがありますよね。」
所長 「居住空間確保のためにキャビンが大きくなってズングリする傾向もあるじゃろな。」
助手 「技術が進歩してボディパネルやパーツ類なんかの設計の自由度は上がってるんでしょうけど、それ以上に求められる要件のレベルが上がってるんでしょうね。初めのデザインスケッチはカッコいいのに実車になるとなんだかなぁってクルマが多いですからね。」
所長 「そうじゃな。で、何が言いたいんじゃ。」
助手 「えっ、あっ、そうそう、今度出たマツダのアクセラを見てて思ったんですよ。」
所長 「ああ、アクセラか、あれはいいの。」
助手 「でしょ。ボクも文句なしにカッコいいと思うんですよ。今度ので3代目になるんですけど、明らかに先代、先々代と比べてもダントツでカッコいいじゃないですか。」
所長 「ま、好みによるじゃろうけど、ワシも今度の方が好きじゃな。」
助手 「これって実は凄いコトじゃないかって思ったんですよ。」
所長 「ん、何が凄いんじゃ。」
助手 「だから、新しいのが一番カッコいいって思えるのが、ですよ。」
所長 「ああ、そういうコトか。じゃがそれを言うんならアテンザなんかにも言えるじゃろ。」
助手 「アテンザもそうですよね。じゃあ魂動デザインになってからのマツダ車って括りでもいいんですけど、歴代のマツダ車と比べても負けてないように思うんですよ。」
所長 「うーん、好みにもよるんじゃろうけど、まぁ言わんとするコトはわからんでもないの。」
助手 「代を追うごとにカッコ悪くなるのが当たり前のようなクルマのデザインで、今までで一番いいって思えるアクセラって凄いってコトを言いたいんですよ。」
所長 「アクセラが素晴らしいというよりは、格好が悪くなるのが当たり前って言われる新型の開発に問題があるんじゃろうけどな。」
助手 「言えてますね。ユーザーに歓迎されない新型車があるってコトをメーカーも少しは考え直さないといけませんよね。」
所長 「まぁ、口で言うのは簡単じゃが、お客の嗜好の問題じゃからの。誰もが気に入るクルマなんてそう易々とつくれるモンじゃないじゃろう。」
助手 「でも実際に今度のアクセラがあるじゃないですか。」
所長 「アクセラにしたって、評判がいいのは間違いないんじゃろうけど、それにしたって誰でもがいいと思っとるワケでもないじゃろ。」
助手 「それはそうでしょうけど。」
所長 「現にワシも気に入らんトコもあるしの。」
助手 「どこが気に入らないんですか。」
所長 「車種構成じゃ。ハッチバックとセダンとでキャラクターを分けとるのが気に入らんの。」
助手 「ああ、そこですか。確かにスポーティなハッチバックとフォーマルなセダンって車種構成になってますよね。だいたいネーミングからしてハッチバックはアクセラスポーツですからね。」
所長 「セダンはベーシックな1.5リッターとハイブリッド、ハッチバックは1.5リッターに2リッターエンジン、あとクリーンディーゼルと選べるエンジンが違っとるんじゃ。セダンでもスポーティな2リッターやディーゼルに乗りたいモンもおるじゃろうし、反対にハッチバックで燃費のいいハイブリッドが欲しいモンもおるはずじゃ。」
助手 「そりゃ、もちろんどっちのボディでも選べるに越したコトはないでしょうね。でも実際に売れるのはどっちかに偏ってくるんでしょうね。」
所長 「マーケティングとかそんなのはトヨタに任せとけばいいんじゃ。マツダはクルマ好きをターゲットにしとるんじゃったら、もっと間口を広げてくれてもいいと思うんじゃけどな。だいたいセダンに乗るモンは安いグレードと燃費のいいハイブリッドって決めつけられとるのが気に喰わんの。」
助手 「確かにそうですね。」
所長 「例えばいすゞのFFジェミニなんかセダンとハッチバックをラインナップしとったんじゃが、売れたのは圧倒的にセダンじゃったじゃろ。それこそイルムシャーやロータスなんかのスポーツモデルも軒並みセダンばっかりじゃったはずじゃ。」
助手 「確かにそうでしたね。でもジェミニはセダンの方がカッコ良かったですし、当然と言えば当然でしょうけど。」
所長 「じゃあ、アクセラのセダンはハッチバックに負とると言うのか。」
助手 「いや、どっちもカッコいいと思いますけど。」
所長 「じゃろ。これだけ格好のいいセダンをつくっときながら、カローラやサニーなんかとおんなじような売り方というのはどうかと思うぞ。」
助手 「まぁ、確かにセダンはカローラの方向を向いてますよね。ただユーザーもそう考えてアクセラのセダンを見てるヒトが多いのも事実だと思いますけど。」
所長 「じゃったらセダンのイメージを変える努力をせんとイカンと思うんじゃがな。ほれっ、スポーツシビックじゃったかのぉ、セダンにフェリオって名前をつけて、それまでのハッチバックのオマケのような存在から脱却させたじゃろ。あのときもスポーティでいいデザインじゃったのと、Vテックを搭載したのが効いてたんじゃないのか。あとレガシィのB4なんかにも言えるんじゃないかのぉ。」
助手 「言われてみれば、どっちも日陰の存在だったセダンにスポットを当てるコトで成功しましたよね。」
所長 「じゃろ。特にアテンザの大きさに辟易してアクセラに流れてくるお客にはスポーティなセダンは不可欠じゃと思うんじゃがな。」
助手 「それはありそうですね。あとあれもありますよね。プリウスに飽き飽きしてるヒトにとっておんなじシステムを積んでるアクセラって魅力的じゃないですか。だったらより売れるハッチバックに設定しない手はありませんよね。」
所長 「それはそうなんじゃろうけど、そこはまた違う事情がある気がするんじゃ。」
助手 「どういう意味ですか。」
所長 「トヨタとの駆け引きの結果なんじゃないかのぉ。正直、マツダの販売量ではトヨタからすると脅威に思っとらんじゃろうけど、今の情勢ではハイブリッドに人気が集中してしまう可能性もあるじゃろ。」
助手 「どうでしょうね。フィットなんかだと大半がハイブリッドを選ぶそうですけど、マツダはまた違うかもしれませんよ。走りを求めて選ぶヒトが多そうですしね。」
所長 「かもしれんの。じゃが仮にハイブリッドに人気が集中したとするじゃろ、そうなると当然トヨタにも影響が出てくるんじゃないかのぉ。」
助手 「あっ、そうか。一時に比べると落ち着いたとはいえ、プリウスは相変わらず2万台以上売れてますからね。そこにマツダへ回す分が出てくればさらに納期が延びてしまいますよね。」
所長 「じゃろ。そうなると販売店から苦情も出てくるじゃろう。トヨタは他と違って販売店のチカラが強いから、そっちにも気を使わんといかんワケじゃ。」
助手 「それはありそうですね。」
所長 「あと腑に落ちんのが、アクセラ・ハイブリッドの性能じゃ。」
助手 「燃費は30.8キロでプリウスを上回ってますよね。」
所長 「燃費に関してはプリウスも改良してもっと伸ばしてくるじゃろうけど、ワシが言いたいのは馬力の方じゃ。」
助手 「馬力、ですか。」
所長 「そうじゃ。プリウスは1.8リッターエンジンを積んどるんじゃけど、アクセラは2リッターエンジン、それも自慢のスカイアクティブじゃろ。スカイアクティブとハイブリッドの組合せじゃと期待できるじゃろ。で、諸元表を見てみたんじゃ。」
助手 「どうだったんですか。」
所長 「システム出力が136馬力で、エンジンの出力が99馬力、トルクが14.5キロなんじゃ。この数字って1.8リッターエンジンのプリウスと全くおんなじなんじゃ。」
助手 「そうなんですか。」
所長 「つまりスカイアクティブ・テクノロジーとプラス200ccの排気量は全く生かされとらんというコトじゃ。」
助手 「どうしてなんでしょうね。」
所長 「アクセラの2リッターエンジンは155馬力、トルクが20キロっていうスペックなんじゃが、ハイブリッドに組み合わせるとバランスが悪くなるとかなんとかで結局プリウスの1.8リッター並にデチューンしたって話なんじゃが、そこまで極端に落とさんでもいいような気がするんじゃ。ま、素人意見じゃけどな。」
助手 「というコトは意図的にプリウスの数字に合わせたってコトでしょうか。」
所長 「まぁ、そう考えるのが普通じゃろうな。ワシが思うにそのままでハイブリッドと組み合わせたら多少燃費は落ちるじゃろうけど、その分パワーのあるマツダらしいハイブリッドになったんじゃないかって気がするんじゃ。そうなると困るのは誰じゃと思う。」
助手 「えっ、誰ですか。」
所長 「SAIなんじゃないか。SAIは2.4リッターエンジンにハイブリッドを組み合わせとって、システム出力が190馬力なんじゃが、エンジン単体で150馬力、トルクが19.1キロとアクセラの2リッターエンジンに近い数字なんじゃ。」
助手 「サイズなんかも近いかもしれませんね。」
所長 「SAIの方が全長が10センチほど長い以外はそう変わらんの。それで燃費は22.4キロと大きく落ちるし、価格に至っては320万と100万も違うんじゃ。」
助手 「SAIにとっては脅威ですね。」
所長 「プリウスじゃったらアクセラの台数なんて気にならんじゃろうけど、SAIからすると立派な強敵になるじゃろ。SAIもつい最近、大規模なテコ入れをしたトコじゃし、面白くないわな。」
助手 「ですね。」
所長 「で、SAIとは車格が違うと言いたいがための出力ダウンなんじゃないかって気がするんじゃ。それでも100万の差は埋めれんと思うんじゃが。」
助手 「考えられなくはないですけど、マツダからしたらかなり無茶な条件を飲んだというコトになりますよね。」
所長 「そのための懐柔策が、燃費のプリウス超えなんじゃないかのぉ。そうじゃないと開発した本家を上回る数字を出すなんてあり得んじゃろ。一時的とは言えそれをマツダに与えたのはトヨタとしては最大の譲歩のつもりなんじゃないかのぉ。」
助手 「マツダにとってもハイブリッドの一番の売りである燃費でアピール出来るのは悪い話じゃないですしね。それに性能云々ではディーゼルも控えてますしね。」
参考資料
マツダ・アクセラ(マツダ株式会社)
マヅタ・アクセラ(轟クルマ文化研究所)
マツダ・アクセラその2(轟クルマ文化研究所)
トヨタSAI(轟クルマ文化研究所)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
所長 「いきなり、なんじゃ。」
助手 「いや、だから、よく昔の方が良かったって言ったり、聞いたりするコトってあるでしょ。」
所長 「ま、モノによるがの。何に関しての話じゃ。」
助手 「クルマのデザインの話です。」
所長 「なんじゃ、それじゃったらそうと早く言わんか。お前の話は要領が悪いんで意味がさっぱりわからんわ。で、クルマの場合、確かに昔の方が良かったって思うコトが多いの。」
助手 「例えば、新型が出たら先代の方が良かったって言いますし、その先代が出たときも、もうひとつ前のが良かったって言ったりしてたじゃないですか。」
所長 「もっと言うと80年代のクルマの方が良かったって言うの。ま、その80年代には60年代や70年代の方が良かったって言ってたワケじゃが。」
助手 「でしょ。ま、実際に比べてみても昔のクルマの方が味があっていいと思いますけどね。」
所長 「性能なんかは飛躍的に良くなってきとるんじゃろうけど、ことデザインに関しては最新のが一番いいって風には、なかなかならんの。」
助手 「そうなんですよ。新しいデザインがなかなか受け入れられないんでしょうね。変わったカタチのクルマだったりすると、馴染むのに時間が掛かりますし、あとになってジワーと良さがわかっているのもありますしね。」
所長 「それはあるじゃろうな。あと昔に比べて制約が多くなっとるのもあるんじゃろうな。」
助手 「安全性とか空力特性とかですね。クラッシャブルゾーンの確保のためにボンネットが高くなるって聞いたコトがありますよね。」
所長 「居住空間確保のためにキャビンが大きくなってズングリする傾向もあるじゃろな。」
助手 「技術が進歩してボディパネルやパーツ類なんかの設計の自由度は上がってるんでしょうけど、それ以上に求められる要件のレベルが上がってるんでしょうね。初めのデザインスケッチはカッコいいのに実車になるとなんだかなぁってクルマが多いですからね。」
所長 「そうじゃな。で、何が言いたいんじゃ。」
助手 「えっ、あっ、そうそう、今度出たマツダのアクセラを見てて思ったんですよ。」
所長 「ああ、アクセラか、あれはいいの。」
助手 「でしょ。ボクも文句なしにカッコいいと思うんですよ。今度ので3代目になるんですけど、明らかに先代、先々代と比べてもダントツでカッコいいじゃないですか。」
所長 「ま、好みによるじゃろうけど、ワシも今度の方が好きじゃな。」
助手 「これって実は凄いコトじゃないかって思ったんですよ。」
所長 「ん、何が凄いんじゃ。」
助手 「だから、新しいのが一番カッコいいって思えるのが、ですよ。」
所長 「ああ、そういうコトか。じゃがそれを言うんならアテンザなんかにも言えるじゃろ。」
助手 「アテンザもそうですよね。じゃあ魂動デザインになってからのマツダ車って括りでもいいんですけど、歴代のマツダ車と比べても負けてないように思うんですよ。」
所長 「うーん、好みにもよるんじゃろうけど、まぁ言わんとするコトはわからんでもないの。」
助手 「代を追うごとにカッコ悪くなるのが当たり前のようなクルマのデザインで、今までで一番いいって思えるアクセラって凄いってコトを言いたいんですよ。」
所長 「アクセラが素晴らしいというよりは、格好が悪くなるのが当たり前って言われる新型の開発に問題があるんじゃろうけどな。」
助手 「言えてますね。ユーザーに歓迎されない新型車があるってコトをメーカーも少しは考え直さないといけませんよね。」
所長 「まぁ、口で言うのは簡単じゃが、お客の嗜好の問題じゃからの。誰もが気に入るクルマなんてそう易々とつくれるモンじゃないじゃろう。」
助手 「でも実際に今度のアクセラがあるじゃないですか。」
所長 「アクセラにしたって、評判がいいのは間違いないんじゃろうけど、それにしたって誰でもがいいと思っとるワケでもないじゃろ。」
助手 「それはそうでしょうけど。」
所長 「現にワシも気に入らんトコもあるしの。」
助手 「どこが気に入らないんですか。」
所長 「車種構成じゃ。ハッチバックとセダンとでキャラクターを分けとるのが気に入らんの。」
助手 「ああ、そこですか。確かにスポーティなハッチバックとフォーマルなセダンって車種構成になってますよね。だいたいネーミングからしてハッチバックはアクセラスポーツですからね。」
所長 「セダンはベーシックな1.5リッターとハイブリッド、ハッチバックは1.5リッターに2リッターエンジン、あとクリーンディーゼルと選べるエンジンが違っとるんじゃ。セダンでもスポーティな2リッターやディーゼルに乗りたいモンもおるじゃろうし、反対にハッチバックで燃費のいいハイブリッドが欲しいモンもおるはずじゃ。」
助手 「そりゃ、もちろんどっちのボディでも選べるに越したコトはないでしょうね。でも実際に売れるのはどっちかに偏ってくるんでしょうね。」
所長 「マーケティングとかそんなのはトヨタに任せとけばいいんじゃ。マツダはクルマ好きをターゲットにしとるんじゃったら、もっと間口を広げてくれてもいいと思うんじゃけどな。だいたいセダンに乗るモンは安いグレードと燃費のいいハイブリッドって決めつけられとるのが気に喰わんの。」
助手 「確かにそうですね。」
所長 「例えばいすゞのFFジェミニなんかセダンとハッチバックをラインナップしとったんじゃが、売れたのは圧倒的にセダンじゃったじゃろ。それこそイルムシャーやロータスなんかのスポーツモデルも軒並みセダンばっかりじゃったはずじゃ。」
助手 「確かにそうでしたね。でもジェミニはセダンの方がカッコ良かったですし、当然と言えば当然でしょうけど。」
所長 「じゃあ、アクセラのセダンはハッチバックに負とると言うのか。」
助手 「いや、どっちもカッコいいと思いますけど。」
所長 「じゃろ。これだけ格好のいいセダンをつくっときながら、カローラやサニーなんかとおんなじような売り方というのはどうかと思うぞ。」
助手 「まぁ、確かにセダンはカローラの方向を向いてますよね。ただユーザーもそう考えてアクセラのセダンを見てるヒトが多いのも事実だと思いますけど。」
所長 「じゃったらセダンのイメージを変える努力をせんとイカンと思うんじゃがな。ほれっ、スポーツシビックじゃったかのぉ、セダンにフェリオって名前をつけて、それまでのハッチバックのオマケのような存在から脱却させたじゃろ。あのときもスポーティでいいデザインじゃったのと、Vテックを搭載したのが効いてたんじゃないのか。あとレガシィのB4なんかにも言えるんじゃないかのぉ。」
助手 「言われてみれば、どっちも日陰の存在だったセダンにスポットを当てるコトで成功しましたよね。」
所長 「じゃろ。特にアテンザの大きさに辟易してアクセラに流れてくるお客にはスポーティなセダンは不可欠じゃと思うんじゃがな。」
助手 「それはありそうですね。あとあれもありますよね。プリウスに飽き飽きしてるヒトにとっておんなじシステムを積んでるアクセラって魅力的じゃないですか。だったらより売れるハッチバックに設定しない手はありませんよね。」
所長 「それはそうなんじゃろうけど、そこはまた違う事情がある気がするんじゃ。」
助手 「どういう意味ですか。」
所長 「トヨタとの駆け引きの結果なんじゃないかのぉ。正直、マツダの販売量ではトヨタからすると脅威に思っとらんじゃろうけど、今の情勢ではハイブリッドに人気が集中してしまう可能性もあるじゃろ。」
助手 「どうでしょうね。フィットなんかだと大半がハイブリッドを選ぶそうですけど、マツダはまた違うかもしれませんよ。走りを求めて選ぶヒトが多そうですしね。」
所長 「かもしれんの。じゃが仮にハイブリッドに人気が集中したとするじゃろ、そうなると当然トヨタにも影響が出てくるんじゃないかのぉ。」
助手 「あっ、そうか。一時に比べると落ち着いたとはいえ、プリウスは相変わらず2万台以上売れてますからね。そこにマツダへ回す分が出てくればさらに納期が延びてしまいますよね。」
所長 「じゃろ。そうなると販売店から苦情も出てくるじゃろう。トヨタは他と違って販売店のチカラが強いから、そっちにも気を使わんといかんワケじゃ。」
助手 「それはありそうですね。」
所長 「あと腑に落ちんのが、アクセラ・ハイブリッドの性能じゃ。」
助手 「燃費は30.8キロでプリウスを上回ってますよね。」
所長 「燃費に関してはプリウスも改良してもっと伸ばしてくるじゃろうけど、ワシが言いたいのは馬力の方じゃ。」
助手 「馬力、ですか。」
所長 「そうじゃ。プリウスは1.8リッターエンジンを積んどるんじゃけど、アクセラは2リッターエンジン、それも自慢のスカイアクティブじゃろ。スカイアクティブとハイブリッドの組合せじゃと期待できるじゃろ。で、諸元表を見てみたんじゃ。」
助手 「どうだったんですか。」
所長 「システム出力が136馬力で、エンジンの出力が99馬力、トルクが14.5キロなんじゃ。この数字って1.8リッターエンジンのプリウスと全くおんなじなんじゃ。」
助手 「そうなんですか。」
所長 「つまりスカイアクティブ・テクノロジーとプラス200ccの排気量は全く生かされとらんというコトじゃ。」
助手 「どうしてなんでしょうね。」
所長 「アクセラの2リッターエンジンは155馬力、トルクが20キロっていうスペックなんじゃが、ハイブリッドに組み合わせるとバランスが悪くなるとかなんとかで結局プリウスの1.8リッター並にデチューンしたって話なんじゃが、そこまで極端に落とさんでもいいような気がするんじゃ。ま、素人意見じゃけどな。」
助手 「というコトは意図的にプリウスの数字に合わせたってコトでしょうか。」
所長 「まぁ、そう考えるのが普通じゃろうな。ワシが思うにそのままでハイブリッドと組み合わせたら多少燃費は落ちるじゃろうけど、その分パワーのあるマツダらしいハイブリッドになったんじゃないかって気がするんじゃ。そうなると困るのは誰じゃと思う。」
助手 「えっ、誰ですか。」
所長 「SAIなんじゃないか。SAIは2.4リッターエンジンにハイブリッドを組み合わせとって、システム出力が190馬力なんじゃが、エンジン単体で150馬力、トルクが19.1キロとアクセラの2リッターエンジンに近い数字なんじゃ。」
助手 「サイズなんかも近いかもしれませんね。」
所長 「SAIの方が全長が10センチほど長い以外はそう変わらんの。それで燃費は22.4キロと大きく落ちるし、価格に至っては320万と100万も違うんじゃ。」
助手 「SAIにとっては脅威ですね。」
所長 「プリウスじゃったらアクセラの台数なんて気にならんじゃろうけど、SAIからすると立派な強敵になるじゃろ。SAIもつい最近、大規模なテコ入れをしたトコじゃし、面白くないわな。」
助手 「ですね。」
所長 「で、SAIとは車格が違うと言いたいがための出力ダウンなんじゃないかって気がするんじゃ。それでも100万の差は埋めれんと思うんじゃが。」
助手 「考えられなくはないですけど、マツダからしたらかなり無茶な条件を飲んだというコトになりますよね。」
所長 「そのための懐柔策が、燃費のプリウス超えなんじゃないかのぉ。そうじゃないと開発した本家を上回る数字を出すなんてあり得んじゃろ。一時的とは言えそれをマツダに与えたのはトヨタとしては最大の譲歩のつもりなんじゃないかのぉ。」
助手 「マツダにとってもハイブリッドの一番の売りである燃費でアピール出来るのは悪い話じゃないですしね。それに性能云々ではディーゼルも控えてますしね。」
参考資料
マツダ・アクセラ(マツダ株式会社)
マヅタ・アクセラ(轟クルマ文化研究所)
マツダ・アクセラその2(轟クルマ文化研究所)
トヨタSAI(轟クルマ文化研究所)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
嫌だなぁ~って感じで。
アクセラハイブリッドがプリウスみたいな感じではなくマツダらしく走るなら良いですね。
デザインも代々で1番良いし、でも評判の良いアテンザ は初代のクーペが圧倒的に好きです。
わたしがアクセラで魅力的に感じるのは「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」です。ナビへの視線移動が少なくなって、より安全に運転できそうです。
スペックだけで実際にはもっとパワーが出てて、乗って楽しめるハイブリッドとかだったら嬉しいんですが。
>でも評判の良いアテンザ は初代のクーペが圧倒的に好きです。
クーペって5ドアのスポーツですよね?
初代のアテンザって実は苦手だったりします。いいとは思うんですが、なんか爬虫類っぽい感じがして…。
へー、それは知りませんでした。
>わたしがアクセラで魅力的に感じるのは「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」です。ナビへの視線移動が少なくなって、より安全に運転できそうです。
HPで確認しました。
走行情報を一等地に配置し、快適・利便情報と隔離する考えはマツダらしくて好感が持てますね。
インテリアも兄貴分のアテンザより凝っていてCセグの国産車では一番良いのではと思ってしまいます。 ユーノス500とかプレッソが好きだったのでスポーティーでインテリジェンスさえ感じる雰囲気はむちゃくちゃツボです。
欲を言えばリアドアのドアハンドルを新型ルーテシアやヴェゼルみたいに隠してぱっと見3ドアみたいな処理にしたり、マツダスピードアクセラがあれば言うこと無しなんですが
これだけ良いもの創ってるのに日本国内ではマツダ=安物イメージなのが残念です 欧州とかでは評価高いのに…
新型のアクセラカッコいいですね。
佇まいや性能、装備なんかも含めてCセグメントで一番いいと思います。
>これだけ良いもの創ってるのに日本国内ではマツダ=安物イメージなのが残念です 欧州とかでは評価高いのに…
一連の新型車がよく売れてるんで徐々に変わってきてると思いますが、一度付いたイメージを覆すのは大変ですよね。
ま、その恩恵で安く手に入れられるんなら値引き大歓迎ですけど・・・。
アクセラXD-MTが気になっているので、アテンザのディーゼルMTとアクセラの2.0ガソリンエンジンと2台に乗れば合わせ技でアクセラXD-MTが想像できるかなぁ、と。
アクセラは乗りやすくて本当にいい車でした。
わたし初めてオルガンペダルの車に乗ったのですが、イイですね!
アクセラのディーゼル気になりますねぇ。
確かにアテンザのディーゼルMTとアクセラの2リットルを乗れば感じは掴めそうですね。
一度乗ってみたいクルマです。
>わたし初めてオルガンペダルの車に乗ったのですが、イイですね!
言われてみたら、オルガンペダルって乗ったコトないかも・・・。
(気づいてないだけかもしれませんが)
評判を見ていると長距離走るのにはオルガンペダルの方が疲れないみたいですね。
欧州が主戦場のマツダらしくていいですね。
1.5Lだとパワー不足かな、と思ったけどMT車を買うという決意があったので。
噂の2.0MTも魅力だけど発売日が正式発表されないし、車検切れの都合やら消費税の問題やら…。
車を買うのってタイミングがありますよね。
アクセラ、ご購入ですか!羨ましいですね。
それも1.5Lをマニュアルで引っ張るって面白うそうじゃないですか。
ディーゼルもいいですが、ボクはこっちの方が好みです。
納車されたらまた感想をお聞かせ下さい。
増税前に間に合うといいですね。