轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

マツダ CX-3

2015-05-01 20:01:24 | MAZDA
助手 「マツダから魂動シリーズの第5弾、CX-3が発売されましたね。」

所長 「ちょくちょく見掛けるの。」

助手 「デミオベースのクロスオーバーでCX-5の弟分って位置づけですけど、どう思われます。」

所長 「いいんじゃないか。クロスオーバーは世界的に人気のあるジャンルじゃし、市場が広がってBセグメントのクルマも増えてきとるし、マツダが手を出してもなんら不思議はないじゃろ。」

助手 「デミオベースってコトでもっとちゃっちい感じになるかと思ってましたけど、意外に立派に見えますよね。」

所長 「サイズ的にデミオよりもアクセラに近いしの。」

助手 「デザインは魂動デザインの最新版らしく、少し雰囲気が変わりましたね。ライトのカタチとか、サイドのガラスからリアへ繋がってるように見せてるトコとか。」

所長 「そうじゃな。顔つきも少しクールな感じになったのぉ。」

助手 「ですね。」

所長 「横から見たフォルムなんか、かなりいいんじゃないか。」

助手 「CX-5よりもスポーティな感じですよね。」

所長 「コンセプトカーがそのまんま市販されたって感じかのぉ。日産のジュークほど奇抜な格好はしとらんが、デザイナーが描いた尖ったデザインを上手く市販車に落とし込んどるの。」

助手 「居住スペースが少し心配になりますけどね。」

所長 「魂動デザインも正直見飽きたって言うか、違うカタチを見てみたいと思っとったんじゃが、今度のCX-3の方向性じゃったらアリじゃと思うの。」

助手 「デミオのときは散々言ってましたけど。」

所長 「デミオの場合、アテンザ、アクセラと比べて小さいコトがマイナスに作用しとったと思うんじゃ。決して悪くはないんじゃが、小さいサイズの良さを生かす方法がもっとあったんじゃないかって思えたんじゃ。それが今度のCX-3はなんて言うか居住性や使い勝手よりもデザインを最優先させたって感じがするんじゃ。ま、あくまでもワシの印象の話に過ぎんのじゃけどな。」

助手 「デミオはデミオでいいと思いますけど、CX-3に関しては同感ですね。SUVやクロスオーバー特有の重たそうな感じがまったくしませんよね。」

所長 「じゃろ。」

助手 「あとCX-3ってディーゼルしかありませんけど、どう思います。」

所長 「うーん、マツダのように車種の少ないメーカーの場合、エンジンのバリエーションは必要だと思うんじゃがな。」

助手 「ですよね。価格も一番安いので230万ですから、Bセグメントと考えればハードルが高いですよね。」

所長 「確かに高いのぉ。ま、高性能なディーゼルとしては妥当な値段かもしれんが、出来ればアクセラと同程度の170万程度から選べるようにして欲しいの。」

助手 「HR-Vが120万で買えたのを考えると隔世の感がありますね。」

所長 「時代が違うから仕方がないのかもしれんが、ひとつ上のCセグメントの一番安いのが200万からってイメージじゃったから、その感覚で見るとやけに高く感じてしまうんじゃ。」

助手 「言えてますね。これはぜひ1.5のガソリンの設定をしてもらいたいところですね。」

所長 「ただ最近の傾向を考えると難しいかもしれんが。」

助手 「どうしてですか。」

所長 「ほれっ、ホンダのグレイスやジェイドがハイブリッドのみの設定になっとるじゃろ。海外ではガソリンモデルも設定しとるのに。」

助手 「アコードやカムリ、あとレジェンドなんかもそうですよね。」

所長 「ようはあんまり出ん車種はバリエーションを絞り込んできとるんじゃ。」

助手 「ですね。でもCX-3は結構出るんじゃないですか。人気のあるカテゴリーですし。」

所長 「じゃがマツダの他の車種を見とってもディーゼルの販売比率が7割とか8割とか言っとるじゃろ。」

助手 「あっ、そうですね。そう考えればディーゼルに絞り込んでも不思議はないですね。」

所長 「これがデミオやアクセラじゃったら、もっとワイドなバリエーションが必要になってくるんじゃろうけど、クロスオーバーっていうカテゴリーや、買うモンの嗜好を考えるとディーゼルのみの車種構成も頷けるじゃろ。」

助手 「ですね。」

所長 「じゃが商売って難しいモンじゃから、初めっから230万って聞くと腰が引けてしまうような気がするんじゃ。売れんでもいいから安いモデルを用意した方がいいと思うんじゃがな。それこそガソリンモデルを買うつもりで来たお客にディーゼルを試乗させて、鞍替えさせるって手もあると思うんじゃが。」

助手 「ありそうですよね。」

所長 「ま、十分ディーゼルの性能が知れ渡っとるっていうマツダの自信の表れなのかもしれんがの。」

助手 「調子いいみたいですね。この間発表された決算も前年比ふた桁の増収増益ですし、市場別の台数も国内22万5000台、北米42万5000台、欧州22万9000台、中国21万5000台、その他の地域が30万3000台と非常にバランスがいいんですよね。消費税の影響で国内のみマイナスでしたけど、それ以外はすべて増加してますし、魂動デザインとスカイアクティブの組合せは大成功ですよね。」

所長 「これまで地道に積み重ねとったモンが実ったって感じじゃな。バブルのあとの5チャンネル化の失敗や、フォード傘下からの自立とか、決して順風満帆とは言えん道筋じゃったんじゃが、最近のクルマ好きに的を絞った開発、特にいたずらに販売を伸ばそうとせんと、世界シェア2%のお客に確実に届くようなクルマを目指したのが功を奏したようじゃな。」

助手 「まったくですね。それにしても所長、今日はマツダをベタ褒めしますね。いつもは厳しいのに。」

所長 「そうかぁ。ワシは日本の、いや世界の自動車メーカーの中でも一番考えに共感できると常日頃思っとるんじゃが。」

助手 「その割りには注文が多いような気がしますけどね。」

所長 「それだけ期待が大きいってコトじゃ。もちろんワシの声が届いとるワケじゃないんじゃが、ワシが願っとるようなクルマをちゃんとつくってきとるじゃろ。例えば先代のアクセラが出たときに5ドアはもっとデミオのような軽快感を、セダンはアテンザのような流麗なデザインにせんとイカンと言っとったんじゃが、現行のアクセラはどうじゃ。」

助手 「所長の言ってた通りのクルマになりましたよね。」

所長 「ワシの意見を取り入れたんじゃなくって、ワシが思っとるのとおんなじコトをマツダが思っとったってコトじゃろ。そんなメーカーじゃからこそ、共感できるんじゃ。」

助手 「ま、それはたまたまでしょうけど、確かに嬉しいモンですよね。」

所長 「あと、今度のCX-3が出て一番嬉しかったのが、ベリーサを継続しとるコトじゃ。」

助手 「何なんですか、それは。CX-3関係ないじゃないですか。」

所長 「巷の噂では、CX-3の発売と入れ替わりにベリーサがラインナップ落ちするって話じゃったんでハラハラしとったんじゃ。」

助手 「そう言えば聞いたコトがありますね。」

所長 「それがCX-3が出てもそのまま継続しとるだけでなく、特別仕様車まで出すチカラの入れようじゃ。」

助手 「ああ、なんか本革シートのヤツが出ましたよね。」

所長 「ベリーサって2代目のデミオがベースじゃから、二世代も前のクルマなワケじゃ。魂動デザインどころか流デザインより前の2004年のデビューじゃ。それを11年経ってもなお、ラインナップに残しとるのは有り難い話じゃろ。」

助手 「そんなに売れてるワケでもないですし、落とそうと思えばいつでも出来るんでしょうけど、代わるクルマがないってコトなんでしょうね。」

所長 「ベリーサって今のマツダの路線では出せんクルマじゃしな。あと変にいじらんトコもマツダの良心を感じるの。普通これだけ長いコト売っとったら、マイナーチェンジで顔をいじったり、無理やり魂動デザインっぽいグリルを付けてきたりしそうなモンじゃが、ベリーサって出てからまったく表情を変えとらんのじゃ。」

助手 「言われてみればそうですよね。スイフトみたいにおかしなホワイトルーフの設定もありませんし、意外に大事に育てられてますよね。」

所長 「意外には余計じゃ。」


参考資料
マツダCX-3(マツダ株式会社)
マツダ・デミオ(轟クルマ文化研究所)
マツダ・ベリーサ(マツダ株式会社)


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2 コメント

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Unknown (L10)
2015-09-14 21:11:54
CX-3の話じゃありませんが
ベリーサ、ついに生産中止になってしまったようです。
僕も、割と好きだったので残念です。
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Unknown (宇垂)
2015-09-15 19:46:03
L10さん

えーっ!!マジですか!?

マツダのHPで確認しました。
「ベリーサは現在、店頭在庫のみの販売となっています。」のクレジットが。
ついに来るべきときが来たって感じですね。
特別仕様車はファイナルエディションってコトだったんでしょうね。

ネットでは次期型の噂もちらほらありますし、キープコンセプトで10年基準の新型車を期待したいところですが。
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