助手 「フェラーリからニューモデルが出ましたね。」
所長 「ああ、カリフォルニアじゃろ。なかなか格好いいのぉ。」
助手 「ですよね。ここんとこフェラーリのデザインってとっつきにくいのが多かったですけど、カリフォルニアはひと目で気に入りましたよ。」
所長 「モデナなんて実車を見れば惚れ惚れするんじゃが、出たときの写真では良さが全くわからんかったしの。そういう意味では今度のカリフォルニアは幅広い層から支持されそうな感じじゃな。」
助手 「確かこのクルマって前にディーノが復活するって言ってたクルマですよね。」
所長 「そう言えばそんな話があったの。これがそれなのか知らんが。」
助手 「ディーノって言う方がインパクトがあるんでしょうけど、ディーノの現代解釈版というわけでもなさそうですし、違う名前でよかったのかもしれませんね。」
所長 「そうじゃな、昔の名前に頼らんでも十分魅力的じゃしな。」
助手 「ディーノの他にもミウラやストラトスの復刻版もショーモデルが出てましたけど、そのあと音沙汰ないですね。」
所長 「ま、出せばそこそこ売れるんじゃろうけど、ここんとこ昔の復刻版が続いとるし、あっちもこっちもじゃ、いい加減うんざりしてくるしの。」
助手 「そうかもしれませんね。名車の名前を傷つけることにもなりかねませんしね。」
所長 「メーカーもその辺は慎重なんじゃろう。ま、そんなのに頼らんでもいいに越したことないしの。」
助手 「かもしれませんね。フェラーリにしたって、この不況時に過去最高の販売を記録してますしね。」
所長 「過去最高と言っても6,500台ほどじゃから、この間のエヴォーラのときとおんなじで不況にあんまり左右されんのじゃろ。」
助手 「そうですね。不況で儲けてるヒトもいっぱいいるでしょうしね。ところでこのカリフォルニアですけど、見た目のイメージよりも大きいようですね。サイズを見てみるとF430よりも少し長くて幅が狭いって感じなんですよ。」
所長 「4シーターじゃから、長くなるのは仕方がないじゃろ。」
助手 「そうなんですけど、てっきり大きくなり過ぎたV8フェラーリの下に位置するモンだとばっかり思ってたんですけどね。」
所長 「F430が2シーターのスポーツカーで、カリフォルニアはオープンエアが楽しめるGTカーじゃし、棲み分けは出来とるんじゃろ。」
助手 「それはわかるんですけど、価格も2,360万でF430と変わりませんし、せめて2,000万円を切ってきて欲しかったんですけどね。」
所長 「2,000万以下じゃったら買うんか。」
助手 「いや、買いませんよ。買えるわけないじゃないですか。」
所長 「じゃあお前の意見はいらんじゃろ。」
助手 「でもV8フェラーリもF355の頃は1,500万ぐらいだったんですよ。もっと安いクラスのクルマがあってもいいと思うんですけどね。例えばもっと排気量の小さいエンジンを選べるようにするとか。」
所長 「あのなぁ、フェラーリって他のメーカーと違って主役はエンジンなんじゃ。ひとつのモデルにいくつものエンジンを用意することなんてあり得んじゃろ。ほらっエンジンを買ったら流麗なボディが付いてきたって言うじゃろうが。」
助手 「ああ、そうですね。エンジンが変わるときはモデルチェンジしてしまいますよね。」
所長 「そういうことじゃ。それに高いクルマしかなかった去年が過去最高じゃったんじゃろ。ならなんの心配もいらんじゃろうが。だいたいフェラーリなんて庶民が買うクルマじゃないから値段なんて関係ないじゃろ。高いと思うモンは買わんかったらいいんじゃ。」
助手 「そりゃまぁそうですけど。」
所長 「普通の金銭感覚のモンは2,000万も出してクルマを買うなんて想像もつかんじゃろ。クルマにそれだけの価値も見出せないしの。この手のクルマを買えるモンは、初めから金を唸るほど持っとるんじゃろ、生活を切り詰めて買うという感覚じゃないんじゃ。だいたいフェラーリのロードカーって始まりはレースの資金を集めの手段じゃったんじゃろ。」
助手 「じゃあ安いクルマは必要ないということですか。」
所長 「今のところはな。高いクルマが売れんようになったら考えんといかんじゃろうけどな。」
助手 「うーん、そうですか。・・・ところでカリフォルニアのルーフラインですけど、この手の電動ハードトップの中では一番カッコいいですよね。」
所長 「じゃな。閉めておれば収納されるとは思えんぐらいの出来じゃな。さすがはピニンファリーナと言ったところじゃな。」
助手 「ですよね。あとフェラーリ初の電動ハードトップという風に言われてますけど、前にスーパーアメリカの回転式のがありましたよね。」
所長 「ああ、あの電気釜のフタのみたいなヤツか。開閉方法としてはシンプルで面白かったのぉ。」
助手 「そうですね。裏返してむき出しになってるのが、笑えましたよね。」
所長 「回転式と言えば、80年代の終わりごろトレーザーのTR1ってクルマがあったのを知っとるか。」
助手 「トレーザーですか、うーん・・・覚えがないですね。」
所長 「コンセプトカーだけで結局市販されんかったようじゃけど、トレーザーというアウディのチューナーが企画したクルマで、ルーフが座席の後ろに回転して収納されるんじゃ、ちょうどヘルメットのシールドを上げるような感じじゃ。」
助手 「なんかよくわかりませんけど、案外つくり易そうな感じですね。」
所長 「ベンツのSLKはおろか、デルソルやソアラのエアロキャビンも出てない頃じゃから、ルーフが収納されるというのが未来的で実によかったんじゃ。」
助手 「ソアラのエアロキャビン、懐かしいですね。キャビンが妙にちっちゃかったですよね。」
所長 「あとこのトレーザーには他にもギミックがあってリトラクタブルヘッドライトなんじゃが、ライトが上がるんじゃなくって、ライトの前の部分が下がるんじゃ。なかなか面白いクルマじゃったわい。」
助手 「合体ロボ世代のボクにはたまらないですね。」
所長 「クルマ自体はゴルフⅡのコンポーネントを使った小型のスポーツカーじゃったし、案外現実的な価格になったと思うんじゃ。発売されんかったのが惜しいのぉ。」
助手 「現実的な価格だったら買うんですか、所長。」
所長 「ん、・・・買わんじゃろうな。」
助手 「じゃあ、所長の意見はいらないですね。」
参考資料
フェラーリ・カリフォルニア(Ferrari S.p.A.)
ディーノ206GT(『GAZOO.COM』 トヨタ自動車株式会社)
ランボルギーニ・ミウラコンセプト(『webCG』 日経デジタルコンテンツ)
フェノメノン・ストラトス(『Response.』株式会社IRIコマース&テクノロジー)
フェラーリ・スーパーアメリカ(Ferrari S.p.A.)
トレーザー・ロードスター T1(treser-audi.de)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
所長 「ああ、カリフォルニアじゃろ。なかなか格好いいのぉ。」
助手 「ですよね。ここんとこフェラーリのデザインってとっつきにくいのが多かったですけど、カリフォルニアはひと目で気に入りましたよ。」
所長 「モデナなんて実車を見れば惚れ惚れするんじゃが、出たときの写真では良さが全くわからんかったしの。そういう意味では今度のカリフォルニアは幅広い層から支持されそうな感じじゃな。」
助手 「確かこのクルマって前にディーノが復活するって言ってたクルマですよね。」
所長 「そう言えばそんな話があったの。これがそれなのか知らんが。」
助手 「ディーノって言う方がインパクトがあるんでしょうけど、ディーノの現代解釈版というわけでもなさそうですし、違う名前でよかったのかもしれませんね。」
所長 「そうじゃな、昔の名前に頼らんでも十分魅力的じゃしな。」
助手 「ディーノの他にもミウラやストラトスの復刻版もショーモデルが出てましたけど、そのあと音沙汰ないですね。」
所長 「ま、出せばそこそこ売れるんじゃろうけど、ここんとこ昔の復刻版が続いとるし、あっちもこっちもじゃ、いい加減うんざりしてくるしの。」
助手 「そうかもしれませんね。名車の名前を傷つけることにもなりかねませんしね。」
所長 「メーカーもその辺は慎重なんじゃろう。ま、そんなのに頼らんでもいいに越したことないしの。」
助手 「かもしれませんね。フェラーリにしたって、この不況時に過去最高の販売を記録してますしね。」
所長 「過去最高と言っても6,500台ほどじゃから、この間のエヴォーラのときとおんなじで不況にあんまり左右されんのじゃろ。」
助手 「そうですね。不況で儲けてるヒトもいっぱいいるでしょうしね。ところでこのカリフォルニアですけど、見た目のイメージよりも大きいようですね。サイズを見てみるとF430よりも少し長くて幅が狭いって感じなんですよ。」
所長 「4シーターじゃから、長くなるのは仕方がないじゃろ。」
助手 「そうなんですけど、てっきり大きくなり過ぎたV8フェラーリの下に位置するモンだとばっかり思ってたんですけどね。」
所長 「F430が2シーターのスポーツカーで、カリフォルニアはオープンエアが楽しめるGTカーじゃし、棲み分けは出来とるんじゃろ。」
助手 「それはわかるんですけど、価格も2,360万でF430と変わりませんし、せめて2,000万円を切ってきて欲しかったんですけどね。」
所長 「2,000万以下じゃったら買うんか。」
助手 「いや、買いませんよ。買えるわけないじゃないですか。」
所長 「じゃあお前の意見はいらんじゃろ。」
助手 「でもV8フェラーリもF355の頃は1,500万ぐらいだったんですよ。もっと安いクラスのクルマがあってもいいと思うんですけどね。例えばもっと排気量の小さいエンジンを選べるようにするとか。」
所長 「あのなぁ、フェラーリって他のメーカーと違って主役はエンジンなんじゃ。ひとつのモデルにいくつものエンジンを用意することなんてあり得んじゃろ。ほらっエンジンを買ったら流麗なボディが付いてきたって言うじゃろうが。」
助手 「ああ、そうですね。エンジンが変わるときはモデルチェンジしてしまいますよね。」
所長 「そういうことじゃ。それに高いクルマしかなかった去年が過去最高じゃったんじゃろ。ならなんの心配もいらんじゃろうが。だいたいフェラーリなんて庶民が買うクルマじゃないから値段なんて関係ないじゃろ。高いと思うモンは買わんかったらいいんじゃ。」
助手 「そりゃまぁそうですけど。」
所長 「普通の金銭感覚のモンは2,000万も出してクルマを買うなんて想像もつかんじゃろ。クルマにそれだけの価値も見出せないしの。この手のクルマを買えるモンは、初めから金を唸るほど持っとるんじゃろ、生活を切り詰めて買うという感覚じゃないんじゃ。だいたいフェラーリのロードカーって始まりはレースの資金を集めの手段じゃったんじゃろ。」
助手 「じゃあ安いクルマは必要ないということですか。」
所長 「今のところはな。高いクルマが売れんようになったら考えんといかんじゃろうけどな。」
助手 「うーん、そうですか。・・・ところでカリフォルニアのルーフラインですけど、この手の電動ハードトップの中では一番カッコいいですよね。」
所長 「じゃな。閉めておれば収納されるとは思えんぐらいの出来じゃな。さすがはピニンファリーナと言ったところじゃな。」
助手 「ですよね。あとフェラーリ初の電動ハードトップという風に言われてますけど、前にスーパーアメリカの回転式のがありましたよね。」
所長 「ああ、あの電気釜のフタのみたいなヤツか。開閉方法としてはシンプルで面白かったのぉ。」
助手 「そうですね。裏返してむき出しになってるのが、笑えましたよね。」
所長 「回転式と言えば、80年代の終わりごろトレーザーのTR1ってクルマがあったのを知っとるか。」
助手 「トレーザーですか、うーん・・・覚えがないですね。」
所長 「コンセプトカーだけで結局市販されんかったようじゃけど、トレーザーというアウディのチューナーが企画したクルマで、ルーフが座席の後ろに回転して収納されるんじゃ、ちょうどヘルメットのシールドを上げるような感じじゃ。」
助手 「なんかよくわかりませんけど、案外つくり易そうな感じですね。」
所長 「ベンツのSLKはおろか、デルソルやソアラのエアロキャビンも出てない頃じゃから、ルーフが収納されるというのが未来的で実によかったんじゃ。」
助手 「ソアラのエアロキャビン、懐かしいですね。キャビンが妙にちっちゃかったですよね。」
所長 「あとこのトレーザーには他にもギミックがあってリトラクタブルヘッドライトなんじゃが、ライトが上がるんじゃなくって、ライトの前の部分が下がるんじゃ。なかなか面白いクルマじゃったわい。」
助手 「合体ロボ世代のボクにはたまらないですね。」
所長 「クルマ自体はゴルフⅡのコンポーネントを使った小型のスポーツカーじゃったし、案外現実的な価格になったと思うんじゃ。発売されんかったのが惜しいのぉ。」
助手 「現実的な価格だったら買うんですか、所長。」
所長 「ん、・・・買わんじゃろうな。」
助手 「じゃあ、所長の意見はいらないですね。」
参考資料
フェラーリ・カリフォルニア(Ferrari S.p.A.)
ディーノ206GT(『GAZOO.COM』 トヨタ自動車株式会社)
ランボルギーニ・ミウラコンセプト(『webCG』 日経デジタルコンテンツ)
フェノメノン・ストラトス(『Response.』株式会社IRIコマース&テクノロジー)
フェラーリ・スーパーアメリカ(Ferrari S.p.A.)
トレーザー・ロードスター T1(treser-audi.de)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
衝突安全とか歩行者保護とかで、フロントマスクは似通うものなのですかね。
下あごが突き出たとこなんかは、マセラティっぽいようにも思いました。
>衝突安全とか歩行者保護とかで、フロントマスクは似通うものなのですかね。
制約はいろいろありそうですね。ま、その中で個性的な顔をつくり出すのがデザイナーの腕なんでしょうけど。
カリフォルニアはマセラティがフェラーリ傘下の時代にマセラティ用につくったのを、マセラティがフィアットの管理下になったので、フェラーリとして出したとかっていう説もありますね。
ま、三者三様の個性が発揮されてますし、どっちでもいいんですけどね。