2024年のダイヤ改正ネタ(今泉駅)

2024-06-16 | 鉄道
ペーパーレスが叫ばれて久しいけれど、ダイヤ改正ごとに冊子の時刻表を買ってニヤニヤ眺めるのは、大変楽しいものですね。

さて、2024年3月16日のダイヤ改正を前に、いつものように時刻表を買ってフラワー長井線のページを眺めていたところ、いくつかの列車でダイヤが変わっていて、何となく今泉駅での停車時間が全体的に短くなった気がした。

とりあえず確かめてみようと、フラワー長井線の上下12本の中で今泉駅に5分以上停車する列車の本数をダイヤ改正前後で比較すると、下り(赤湯→今泉→荒砥):6本→2本、上り(荒砥→今泉→赤湯):6本→4本に減っている。停車時間を単純に算術平均(小数点以下切り捨て)しても、下り:4分→2分に、上り6分→4分と確かに短くなっている。(中央値で見ても、下りは5分→1分、上りは5分→2分と同傾向。)

本来、停車時間(待ち時間)が短くなるのはありがたいことだが、その理由を考えたときに、素直に喜んで良いのだろうかという気持ちになった。というのは、おそらく米坂線の長期運休が影響していると思われるから・・・。

そんなわけで、少し詳しくダイヤを見てみることにした。とりあえず、米坂線が豪雨で運休となる前の2022年のダイヤ改正と、今回(2024年)のダイヤ改正を比べてみよう。

【1】フラワー長井線と米坂線との共用区間(今泉駅~旧:白川信号所)の順番待ちが無くなったことによると思われるもの



基本的に、フラワー長井線と米坂線は今泉駅で相互に接続を取ることが多いため、3~4列車が同時に集まってくることが多い。ところが、両者は今泉~(旧)白川信号場(分岐点)の2km弱で線路を共用しており、下りの同時発車、上りの同時到着ができないので、順番待ちが発生する。
そのため、2022年時点で、下りでは【1-1】のように先に米坂線(1135D)が羽前椿方面に発車し、その3分後(分岐点通過後)にフラワー長井線(217D)が長井方面に発車する、すなわち発車を3分待っているパターンがあった。【1-2】は逆に上りの場合で、フラワー長井線(210D)が5分早く到着し、今泉駅で米坂線(3822D)の到着を待つパターンとなっていた。

米坂線の列車が今泉~(旧)白川信号場を走ることのない現在、フラワー長井線が米坂線に道を譲る必要はない。そのため、2024年のダイヤ改正において、【1-1】では217Dの発車が早まり、【1-2】では210Dの到着が遅くなった結果、停車時間が短くなったと考えられる。
(【1-1】は乗換待ちの解消の影響もありそう。また、【1-2】は、210Dは今泉駅で207Dと行き違いとなるため、停車時間はダイヤ改正後も若干長めとなっている。)

【2】米坂線との乗換待ちが無くなったことによると思われるもの



今泉駅を跨いで運転されるフラワー長井線と米坂線の列車が、今泉駅で「相互に」接続をとる場合、跨線橋を渡る時間を考慮し、いずれか又は双方の停車時間を確保する必要がある。

下りの【2-1】では、2022年時点で、米坂線(3821D)とフラワー長井線(219D)との間でお互いに乗換を可能とするために、
 219D 18:58着→3821D 19:02発(乗換時間4分)
 3821D 19:01着→219D 19:05発(乗換時間4分)
のように、米坂線(3821D)の1分停車に対し、フラワー長井線(219D)は早めに今泉駅に到着し、遅めに発車している(もちろん、【1】で述べた順番待ちもあるが)。
今は米坂線の列車が米沢方面のみの運転となった(今泉駅を跨ぐ列車が無くなった)ため、「相互に」接続をとる必要が無くなり、フラワー長井線(219D)は先着している米坂線(7175D)からの乗換客を乗せるだけですぐ発車できる。

同様に、下りの【2-2】では、フラワー長井線(223D)から米坂線(1137D)への乗換が無くなったために、223Dの今泉駅到着が繰り下がっているし、上りの【2-3】及び【2-4】では米坂線(1122D、1126D)からフラワー長井線(204D、208D)への乗換が無くなったために、今泉駅発車が繰り上がっている。


ということで、長々と書いてしまったが、結局のところ2024年のダイヤ改正は、米坂線が走らないことを前提にダイヤが「最適化」されたものといえるのだろう。もちろん、今の状態が「最適」とは言えないだろうが、今の利用者に対する利便性の向上は当然のことと思える。


※ちなみに、フラワー長井線の2022年と2023年のダイヤは同じ。米坂線早期再開を期待してダイヤを変更しなかったのか、JRとの調整が間に合わなかったのか・・・興味があるところ。
※話は脱線するが、山形鉄道(フラワー長井線)の経営計画に「中古車両5両の購入」が盛り込まれていることが報道されている。中古で買えそうな車両って何だろう・・・余裕のありそうなキハ110?(古いけど)、左沢線のキハ101?(左沢線にDENCHA /ACCUMが来ないだろうか?)、只見線のキハE120?(比較的新しい)・・・ある意味、新車より予想するのが楽しいかもしれない。

ふと、思い出して・・・

2024-03-17 | 鉄道
2024年3月16日のダイヤ改正で、最大のニュースは北陸新幹線の金沢~敦賀間の開業だと思うが、山形新幹線でも「つばさ」の一部でE8系の運用が始まり、今後徐々にE3系からE8系に置き換わっていく。一方、「つばさ」と併結する「やまびこ」は、今回のダイヤ改正で全てE2系からE5系に変わることが発表されており、考えようによってはこちらも割と大きな変化かもしれない。

前回のネタを書いているときに、E3系「つばさ」+E2「やまびこ」ペアの編成写真が手元に無いことに気がつき、2月下旬の三連休最終日、買い物ついでに郡山に繰り出す。

「やまびこ・つばさ137号」が郡山駅に到着。

前寄りのE3系は、「こまち」から編入改造された1000番台のL54編成。

後ろ寄りのE2系は、この写真では読み取れないがJ68編成。

今度は、上りの「やまびこ・つばさ140号」が到着。

前寄りのE2系は、2010年の東北新幹線新青森延伸向けに増備されたJ72編成。
外観では、行き先表示がフルカラーLEDになっているのが特徴。

後ろ寄りのE3系は、元から「つばさ」用の2000番台L62編成。

そんなこんなで、無事E3系+E2系ペアの写真を撮ることができた。
検査のタイミングにもよると思うが、車歴からするとE3系は1000番台のL53~55編成、E2系は~J69編成までが先に離脱する感じだろうか。そのうち、さよならE3系的なイベントも開催されるのかな。

ところで、ダイヤ改正に先立つ3月8日、東海道新幹線ダイヤの乱れの影響で、出張で久々にE2系「やまびこ」を利用することとなった。E2系1000番台の窓は広幅で眺めが良く、仙台までの約2時間を快適に過ごすことができた。E2系乗車時は、窓を広く使うために号車(7、8号車が確実)や席番(向きにより偶数か奇数か)を吟味したものであった。最近は、どんどん小窓化(&窓下の小物置きも小型化)が進んでいて、私としては残念でならない。

(おまけ1)
おそらく運用の都合だろうが、ダイヤ改正の前日(3月15日)から、一部の「やまびこ」は既にE5系になっていたようだ。(時刻表によれば、135、145、128、142、150、154、156号か)

(おまけ2)
3月6日に、E3系単独運転だった「つばさ121号」が郡山駅でオーバーランしたが、その暫定対策(?)として「つばさ121号」にE2系が増結されることとなり、ダイヤ改正以降も引き続きE2系が充当されているとの情報も。確かめに行ってみたいが、いかんせん早起きが苦手で・・・。

フラワー長井線の日常に及ぼす米坂線不通の影響 その2

2023-07-19 | 鉄道
このブログにも何回か書き込んだ(これとかこれとか)、JRからの助っ人としてフラワー長井線を走る検測車、East i-D。当然ながら、毎度米坂線を介してやって来ていたわけで、不通となりEast i-Dが来られない今、長井線の検測はどうなるのだろう?と思いながら過ごしていた6月のある夜、答えが判明。

まずは6月12日の深夜、窓の外からエンジン音が聞こえてきた。ただ、山形鉄道所有のモーターカー(除雪機械)ほど大きな音ではなく、何だ??と窓の外を見ると、トラックが何か荷物のようなものを引っ張って荒砥方面に走り去っていった。ただ、この日は眠いのでそのまま就寝。

翌6月13日の22:30頃、また窓の外からエンジン音が聞こえてきて、昨夜と同じトラックが赤湯方向にゆっくりゆっくり通過した。このスピードなら簡単に追いつける、正体を明らかにしてやろう(!?)、とカメラをもって早速出動。



真っ暗な時庭駅北側の芝生エリアを走る、謎の機材とトラック。写真左側に向かって走行しており、トラックがバックしながら機材を押しているような状況。また、トラックの荷台には不思議な箱が設置してあり、人が乗っているようだ。

何となく目的がわかった気がしたが、いかんせん暗くて写りがイマイチなので、もう少し追いかけてみる。



さらに走って、今泉~西大塚の踏切(第3小松街道踏切?)を通過。少し明るいので、ようやく全体像が見えてきた。また、機材やトラックの側面に「日本線路技術」と書いてあるのが読み取れた。



ということで調べてみたところ、謎の機材は牽引式軌道検測装置(外部サイトにリンク)であるらしい。詳細は同社のサイトにも記載があるが、通常の検測車が使用できない場合等に備えて開発されたものとのこと。これに、牽引用軌陸車(トラック)をつなぐことで、East i-Dの代わりをしていたということのようである。荷台の箱は、機器やデータを監視するための測定室とのこと。正体が明らかとなりスッキリ。

East i-Dは白昼堂々走行していたが、こちらは営業運転終了後の夜間しか走行できないであろう。貴重なものを見たうれしさもあるが、East i-Dが走れることが本来の姿であり、早くそうなることを願っている。



フラワー長井線の日常に及ぼす米坂線不通の影響 その1

2023-06-23 | 鉄道
2022年8月の豪雨で米坂線の今泉~坂町間が不通になっているが、これによりフラワー長井線でも今までとちょっと変わったことが起きている。災害が原因なので気分的に少々微妙ではあるが、一応記録しておこうと思った。

まずは、フラワー長井線を走るキハ110。本来、米坂線の車両は拠点である新津運輸区との間で行き来していたが、新潟方面への線路が寸断されており、自走で新津に向かうことができない。燃料の給油など日常の整備は米沢駅できるようだが、より詳細な点検・整備については、フラワー長井線荒砥駅に隣接する車両基地で実施しているようなのだ(おそらく交番検査相当か?)。これまでも、我が家の子どもたちから「近くの踏切で米坂線(の車両)が走っているのを見たよ。」と何回か聞いていたのだが、そのタイミングが読めず・・・。

2023年6月4日(日)の昼頃、窓の外からいつもとは違った警笛が聞こえてきて、ふと外を見るとキハ110が今泉方面に走り去っていった。休日にお目にかかれるなんて、なんてラッキーな。早速カメラ片手に今泉駅へと向かう。

今泉駅のフラワー長井線上りホーム(1番線)では、キハ110-204が入れ換えの準備中であった。




入れ換えの様子はビデオカメラで撮影。キハ110-204は、無事側線に収まる。


良いものを見たと満足した私は、るんるん気分で帰宅したが、その行動は「不正解」だったのだ・・・。

15:00からの子ども会育成会の打合せに向け昼寝をむさぼり、ぼちぼち起きねばと思った14:30頃、外で踏切が鳴る。本来、この時間帯に走る列車はないはずと外を見たところ、キハ110が荒砥方向に走り去った。
改めて今泉駅での出来事を思い出すと、キハ110-215は側面に「回送」を表示しており(この時点で、前面は「ワンマン普通」表示だが)、米沢方の標識灯も「赤」だ。反対側(坂町方)で前照灯が点いていたかは記憶にないが、キハ110-215も入れ換え待ちであったことは想像できる。

残念がっていても仕方が無いので、急ぎ長井駅に向かう。幸運にも、上り定期列車(216D)が発車する14:42までは長井駅に留まるだろう。


予想どおり、長井駅に停車中のキハ110-215。前面は「回送」表示となっている。

ほどなく、216Dが到着。さくらラッピングのYR884とのツーショット。



14:42、両者は同時に発車していった。このまま荒砥まで追いかけたいところだが、先述のとおり15:00からの打合せがあって泣く泣く断念。長井駅で見ることができただけ、ラッキーだったとしよう。

翌6月5日(月)、出勤途中に荒砥の車両基地を通りかかると、基地内にキハ110-215が居る。外にはJRマークのトラックも停まっていて、何か整備用の資材を運んできたか、整備担当者が来ているのか。


さらに6月6日(火)の朝、この日もキハ110-215は基地の中。



代わりに追い出された感のあるYR-886が、基地の外に留置中。右隣は廃車となって久しいYR-885。

6月7日(水)の朝は、仕事の関係上立ち寄れなかったが、夜にはキハ110-215の姿は無かった。6日・7日のどちらに戻ったのかは定かではないが(何となく6日かな?)、それほど時間のかかる整備ではなかったのだろう。

本来、米坂線の早期復旧を期待したいところだが、もうしばらくは同じような整備が続くのかもしれない。何となくパターンがわかったので、今度はもう少しじっくり眺めてみよう。

※数年に一度レベルの高度な検査は荒砥では実施できないようで、2022年11月、2023年5月に今泉駅から車両の搬出(陸送)があった。どちらもタイミングが合わず見ることはできなかったが、とりあえず11月の陸送直前のGV-E400-3だけ記録しておいた。





「休車」の札が差し込まれている。

ところで、このまま搬出され続けたら使える車両がなくなってしまうのだが、いつか検査後の車両が搬入されることはあるのだろうか…。



フラワー長井線に「ハミ電」が登場。

2023-04-29 | 鉄道
タモリ倶楽部が終わってしまった・・・。最近では保存用に録画している唯一の番組だったので、とても残念。
ところで、タモリ倶楽部の鉄道ネタのひとつとして、かれこれ10数年前に放送されたのが「ハミ電」。その「ハミ電」が、フラワー長井線でも見られるかもしれない!?と、4月22日(土)の朝から出動。
※今回に限り、フラワー長井線は「電車」じゃないだろうというおきまりのツッコミは無視することとする。

「ハミ電」とは、列車全体がプラットホームに収まらない(ハミ出る)状態で停車すること。この場合、ホームにかからないドアは、安全のため開かない対応が取られる(ドアカット)。なぜフラワー長井線で「ハミ電」が見られるかというと、全線開通100周年イベントとして「ラッピング車両4両連結運行」が企画されたからである。告知にもあるように4両編成での運行は史上初であり、各駅が3両編成対応のフラワー長井線において、おそらく1両がハミ出ることになるだろう。
荒砥駅での連結作業の手順も興味深いところで、まずは荒砥駅に向かう。

車両基地(車庫)にて、さくらラッピングのYR-884が覗いている。この日の企画のためだろうか、4両編成用の停止位置目標が掲示されている。

車庫から出てきた3両(YR-884 さくら、888 ダリヤ、886 あやめ)が、側線にて一時待機。

1両編成の205D(YR-883 紅花)が荒砥駅に到着し、お客さんが降りてくる。その間に、側線から3両が転線し、赤湯方から近づいてくる。

結局、連結の手順はこんな感じだった。



ということで、無事「ハミ電」が完成。

※荒砥駅到着後の車両を、ホームの先に「逃がす」手順は、折り返し時の車両交換などで時々見られるようである。

その後、ラッピング車両による4両編成は、210D~209Dとして、荒砥~赤湯を1往復した。
本来は、1日中追いかけたいところだが、この日の午後に参観日やPTA総会などがあって、泣く泣く午前中のみでサヨウナラ。

時庭駅に到着する210D。


ここでも、しっかりと「ハミ電」となった。

西大塚駅に到着する210D。ラッピング車両が、きっちりと(左から)白鷹・長井・川西・南陽の順番で並んでいるのが素晴らしい!!

西大塚駅は発車する210D。レンズの選択を誤り、最後尾がフレームからハミ出してしまった・・・。


一方、同時間帯のもう1運用は、YR-882(シンボル車両)が黙々とこなしていたのであった。