これまで4回のPENTAX FILM DUPLICATORネタはすべてポジフィルム(リバーサルフィルム)のものだったが、約500ショットあったポジのデジタル化はひとまず終了。今度はいよいよネガフィルムに着手する。ネガは少なくとも1,500ショットはあるので、これからが本番という感じ。
さて、ネガフィルムの作業では、部品や工程に多少の追加が必要となる。
ひとつめはホルダー。PENTAX FILM DUPLICATORには35mmスライドマウント用のホルダーが標準で付属するが、スリーブ用のホルダーは別売りとなる。そこで、「スリーブベースマウント」と「スリーブホルダー35MM」を追加購入する・・・結構いいお値段。作業風景は下のような感じで、作業中以外のコマがひらひら~と外に出るので、曲げたりしないように一応注意する。
お次は画像処理。デジタルカメラで撮影した状態では「ネガ」なので、当然ながらネガ/ポジ反転が必要となる。私がRAW現像に使用しているSilkypixには「ネガフィルム反転ツール」があり、未露光領域をクリックすると自動で反転してくれる。
ところで、はじめ迷ったのがネガフィルムをデジタルカメラで撮影する際に露出をどうしたらよいのかというところ。ポジであれば基本見たままなので、白飛びしたら暗めに、ハイライトに余裕がありそうだったら明るめに撮り直せば良いのでわかりやすい。一方のネガは適正露出で撮っておけば良いのかな?ということで試してみたのが下の図。
左から順に1段オーバー、適正、1段アンダーの順に撮影したものだが、ネガ/ポジ反転後の画像は・・・私には同じに見えて見分けがつかない。ネガを撮影した時点でのヒストグラムを見てみると、確かに分布の位置に違いはあるが、幅(図中、水色の両矢印)はカメラ(K-1 MarkII)のダイナミックレンジの半分ぐらいに収まっている。この比較的狭い分布がダイナミックレンジの外に出ない限り、同じような反転画像が得られるのかな?こんな風にダイナミックレンジの一部に情報がまとまっていることが、ネガフィルムの特徴であるラチチュードの広さを意味するのかな?解釈が違っていたらすみません。
そんな訳で、ネガ/ポジ反転後、ホワイトバランスやコントラストなどを調整してできあがった写真がこちら。
この写真は2002年3月に訪れた宮島、厳島神社。石見銀山を目指して山陰を旅したものの、悲しいかな工事中で見学できず、泣く泣く予定を変更して山陽側に移動したのであった。最近、子どもたちがなぜか「広島行きたい」と言い出しているが、いつになったら行けることやら。
まあ、そんなこんなでこの春から着手したフィルムのデジタル化、良くも悪くも様々なタイミングが合ってしまったのだと思う。今年の初売りで「春を探しに行こう!」と購入した念願のマクロレンズは、ほとんど外に出ること無くフィルムの等倍撮影(ある意味本職)に活躍しているし、2月に「強化されたノイズ除去で夜間撮影もバッチリ!?」と更新したSILKYPIX Developer Studio Pro10は、今のところ本バージョンから新規搭載された「ネガフィルム反転ツール」が最も有効活用されている。そして、4月のPENTAX FILM DUPLICATORのアウトレット販売。昔の思い出を見直しながら、新たな旅の作戦を練る日々はもうしばらく続きそうであります。