今度はネガフィルム

2020-06-27 | 写真・カメラ
これまで4回のPENTAX FILM DUPLICATORネタはすべてポジフィルム(リバーサルフィルム)のものだったが、約500ショットあったポジのデジタル化はひとまず終了。今度はいよいよネガフィルムに着手する。ネガは少なくとも1,500ショットはあるので、これからが本番という感じ。

さて、ネガフィルムの作業では、部品や工程に多少の追加が必要となる。

ひとつめはホルダー。PENTAX FILM DUPLICATORには35mmスライドマウント用のホルダーが標準で付属するが、スリーブ用のホルダーは別売りとなる。そこで、「スリーブベースマウント」と「スリーブホルダー35MM」を追加購入する・・・結構いいお値段。作業風景は下のような感じで、作業中以外のコマがひらひら~と外に出るので、曲げたりしないように一応注意する。



お次は画像処理。デジタルカメラで撮影した状態では「ネガ」なので、当然ながらネガ/ポジ反転が必要となる。私がRAW現像に使用しているSilkypixには「ネガフィルム反転ツール」があり、未露光領域をクリックすると自動で反転してくれる。

ところで、はじめ迷ったのがネガフィルムをデジタルカメラで撮影する際に露出をどうしたらよいのかというところ。ポジであれば基本見たままなので、白飛びしたら暗めに、ハイライトに余裕がありそうだったら明るめに撮り直せば良いのでわかりやすい。一方のネガは適正露出で撮っておけば良いのかな?ということで試してみたのが下の図。


左から順に1段オーバー、適正、1段アンダーの順に撮影したものだが、ネガ/ポジ反転後の画像は・・・私には同じに見えて見分けがつかない。ネガを撮影した時点でのヒストグラムを見てみると、確かに分布の位置に違いはあるが、幅(図中、水色の両矢印)はカメラ(K-1 MarkII)のダイナミックレンジの半分ぐらいに収まっている。この比較的狭い分布がダイナミックレンジの外に出ない限り、同じような反転画像が得られるのかな?こんな風にダイナミックレンジの一部に情報がまとまっていることが、ネガフィルムの特徴であるラチチュードの広さを意味するのかな?解釈が違っていたらすみません。

そんな訳で、ネガ/ポジ反転後、ホワイトバランスやコントラストなどを調整してできあがった写真がこちら。


この写真は2002年3月に訪れた宮島、厳島神社。石見銀山を目指して山陰を旅したものの、悲しいかな工事中で見学できず、泣く泣く予定を変更して山陽側に移動したのであった。最近、子どもたちがなぜか「広島行きたい」と言い出しているが、いつになったら行けることやら。

まあ、そんなこんなでこの春から着手したフィルムのデジタル化、良くも悪くも様々なタイミングが合ってしまったのだと思う。今年の初売りで「春を探しに行こう!」と購入した念願のマクロレンズは、ほとんど外に出ること無くフィルムの等倍撮影(ある意味本職)に活躍しているし、2月に「強化されたノイズ除去で夜間撮影もバッチリ!?」と更新したSILKYPIX Developer Studio Pro10は、今のところ本バージョンから新規搭載された「ネガフィルム反転ツール」が最も有効活用されている。そして、4月のPENTAX FILM DUPLICATORのアウトレット販売。昔の思い出を見直しながら、新たな旅の作戦を練る日々はもうしばらく続きそうであります。

MDのこと

2020-06-20 | よもやま
MiniDisc、懲りずに昔の思い出を掘り起こすシリーズ。このままカセットテープやレコードまで手を伸ばすか…現時点では不明。

昔買った本を整理していたら、「DCC・MDガイドブック(村田欽哉著、電波新聞社、1993)」なるものを発掘した。中身を理解して読んでいたかは微妙なところだが、とにかく興味は持っていたのだろうな。

さて、高校時代は手が出なかったMDだが、1997年頃にはいよいよ購入の気運が高まってきた。というのも、当時はコンビニでハードなアルバイトに励んでおり、おかげさまで小金持ちになっていたのだ。いろいろ検討した結果、据置型のDENON DMD-800と車載用のSONY MDX-C5100を購入。どちらも確か40,000円ぐらいで、学生としては大奮発であった。DMD-800は今もって現役だから、十分に元は取れたかな。

当時の私にとって、MDは車の中で聴くことが多かったように思う。アパート暮らしでは室内であまり大きな音は出せないし、選曲の便利さ、カートリッジ入りで少々雑に扱っても大丈夫なところ、カセットテープのように伸びない(!!)ところなど、車の中では大変ありがたかった。

2000年代に入ると、MDに新しい規格(Hi-MDとか)が出てきた。しかし、あまり興味が無かったのか新機種の購入は考えていなかった。むしろ、徐々に普及しつつあったデジタルオーディオプレーヤーの方に興味が移っていた。

そんな私が、2008年4月、突如SONYのMDウォークマンMZ-RH1を購入する。


MZ-RH1は音楽向けMD規格は全部入り、何でもござれの機種であった。私の購入動機はMDLPで録音されたディスクの再生だけだった(DMD-800ではできなかった)ので少々もったいない気もしたが、PCと接続してデータの吸い出しもできるし、実際に演奏会の録音などMDでしか所有していないデータもあったので、まあ便利で良いかなと思ったのだ。そして、私が購入する最後のMD機器になるんだろうな、とも思った。

結局、MZ-RH1はSONYにとっても最後の携帯型MD機器となった…。

ところで、MD~PC間で音楽データを転送するソフトウェアとしてSonicStageが付属していたが、このソフトはWindow 7以降をサポートしていない。そこで、PCのO/SをWindow 7に更新してからは、ソフトウェアをx-アプリに切り替えてデータの転送を行った。

2020年、今度はWindow 7のサポートが終了した。x-アプリ自体はWindow 10でも動作するが、肝心のMZ-RH1がWindow 8以降のO/Sで認識されない(ドライバが無い)ので、結局今のPCではデータの転送ができない(※)。
※非公式の方法で、Window 10でも使えるようだが、ここでは触れないことにする。

そこで、2019年11月、駆け込みでMDのデータ転送を済ませたのであった。

そんな私自身に苦言を呈したいのだが・・・、写真フィルムのデジタル化は、使用するカメラや画像処理ソフトウェアの進歩により、もしかしたら将来に今より良い結果を得ることができるかもしれない。つまり、フィルムの劣化と機材の進化のせめぎ合いはあり得るのだろう。しかーし、DATやMDのバックアップは単純なデジタル→デジタルのデータ移動でしかないのだから、後回しにせずすぐやっておきなさいよ、というオハナシ。

この辺が、我が子に対する指導力不足に繋がっているのかもしれぬ。

DATとDDSのこと

2020-06-13 | よもやま
Digital Audio Tape、Digital Data Storage、やってることは結局PENTAX FILM DUPLICATORと同じ。ネタが音楽になっただけであります。

中学卒業を控えた1992年、アナログコンパクトカセット(カセットテープ)に代わる個人向けの録音機材として、MiniDisc(MD)とデジタルコンパクトカセット(DCC)が発売された。一応レコードからCDへの移行を経験した者としては、MDの特徴であるランダムアクセスは大変魅力的で、高校に入ったら小遣いを貯めて買おうと思うも、これがなかなか高価で手が出ない。クラスで1~2人、MDウォークマンを持っているかどうかぐらいだったかな。

1994年初冬、高校2年生も半ばになり、吹奏楽部に所属していた私は演奏の生録やFM、BSのエアチェック用にいよいよ機材が欲しくなってきた。しかし、相変わらずMDは高いし、DCCは既に先行き不安な状況に・・・。一方、DATはMDやDCCより5年ほど早く発売されたからか、この時点で本体、テープともに両者と比較してやや安かった(当時のSONYカタログを見直すと、定価は本体、メディアともMDよりDATが安い)。

迷いに迷った私は、結局DATを選択することにした。DATはMDほどの手軽さはないものの、非圧縮でのデジタル録音、BS放送(Bモード)のサンプリング周波数48kHzへの対応、標準モードでも連続120分の長時間録音(180分テープもあった)など、私の使い方には合っているのだ、と言い聞かせて。



購入したのはSONYのポータブルDATウォークマン TCD-D7(右)、左の黒い箱はデジタル入出力/リモコン/タイマー機能を持つRM-D3K(RMR-D3:オプション)。がんばって貯めた小遣いは吹き飛んでしまった。

もちろん、DAT本体だけでは当然ながら生録はできないので、お年玉で集音用のマイク、SONYのECM-959Aを購入。TCD-D7+ECM-959Aのコンビは、残りの高校生活はもちろん、卒業後も大いに活躍した。(マイクは今も現役である!!)



ところで、DATで録音するのは良いとして、再生には別の一般的なメディアを使った方が便利なため、当初はカセットテープにコピーしていた。2000年頃にはCD-Rが普及したので、私もPCにデジタル入出力端子を備えたサウンドカード(確かSound Blaster Live! Digital Audio 2)を取り付け、いくつかのデータをCD-Rに焼いた。しかし、この時点で私には「バックアップ」という発想が無かったのだ・・・。というのも、「DATは無くならないだろう」と勝手に思い込んでいて、TCD-D7が壊れたらTCD-D100を買おう、いずれ据え置き型もいいなあ、などとのんきに構えていたのだった。

2005年、ついにTCD-D7のテープローディングが不調となり、いよいよ更新かと商品情報を調べ始めると・・・据え置き型が無い! TCD-D100も生産終了とか言ってる! ・・・世間は変わっていたのであった。このまま70本近くあるテープをお蔵入りにしてしまうのはあまりに悲しいので、救済策を検討することにした。

その中で知ったのがDDS。DATと同じテープ(※規格により異なるものもある)を使用してPC等のデータを記録するものである。120分テープの記録容量が1.3GBなので、30年前なら確かに大容量といえるだろう。そんなDDS、機種限定ではあるものの、WaveDATなるソフト(シェアウェア)を使用すると音楽用テープの再生やデータ転送ができるらしい。そんなわけで、2005年12月の寒い冬の日、オークションでほぼ新品と思われるDDSドライブを入手。


機種はSONY製のSDT-9000で、PCとの接続はSCSIである。ハードウェアの導入に若干の癖はあったが、WaveDATサイトの説明を読みながら無事インストール完了。久々にDATを再生し感動!!

感動が冷めやらぬうちにバックアップに精を出せば良いのだが、なんだかんだで70本完了したのが2017年の暮れ。そして、中身の整理はステイホームの今になってようやく進めているところ。しかも、音飛びなどで再読込したいテープがあるのに今のPCにはSCSIカードを挿すPCIバススロットが無く、中古PCを買おうかな~などと考える始末。

とにかく、反省の無い私。

SLべにばな号

2020-06-06 | 鉄道
しつこくPENTAX FILM DUPLICATORシリーズは続きます。今度は山形新幹線開業後の1992年8月末に奥羽本線山形~新庄を走ったSLの写真を掘り起こし。

機関車はD51 498、1988年の復活から4年後のイベントで、それまでに陸羽東線での運転はあったようだが、山形県内の奥羽本線ではおそらく初めての運転だったと思う。8月29日、30日の2日間運転され、私は8月30日の新庄(8:50)→山形(11:04)で乗車した。

ところで、写真は新庄駅で撮影したものしか残っていない。乗ったのは確かだ(席がダブルブッキングしていた記憶はある)が、車内や山形駅到着後の記憶、記録は全くない。なぜだろう・・・。


◇入換のため後退中


◇秋田方より当時の2番線(今の1・3番線)に入線
12両の停止位置目標に、往年の本線の「格」を感じる。

◇個人的に、ヘッドマーク無しがうれしい


◇朝日を浴びて発車を待つ

構図や露出、ピントのずれなど(ほぼ全部じゃないか!!)を大目に見ることにしても、PCのディスプレイで見る古いフィルム写真は驚くほど鮮明で、A3程度のプリントではびくともしない。これは、当時何とかの一つ覚えで「ベルビア」を使った効果かな。中高生の頃は大判プリントする金銭的な余裕など無く、たまに奮発してキャビネ(2L)判が精一杯。それが今や自宅でデジタル化やプリンタ出力ができるのだから、良い時代になった&元データ(アナログ)の質にはこだわらなくては、と実感した次第。

そんなこんなで、久々にリバーサルで撮ってみようかなと思うも、リバーサルフィルムは安くても1,500円程度(36枚撮り)するし、さらに現像費用もかかるとなれば、フィルムでの撮影はかな~り高級な趣味に感じてしまう。