鉄道写真の振り返り 2004年 その2

2020-12-19 | 鉄道写真の振り返り
11月は何かと忙しく、久々の更新。

さて、この年の夏、はじめてデジタルカメラを購入する。PENTAXのOptio S4i、当時のズームレンズ搭載機としては最も小型・軽量の機種であった。確か、CASIOのEXILIM と部品を共用していたような。レンズ沈胴時に一部のレンズを光軸からずらして格納する「スライディングレンズシステム」を採用していた。
撮像素子は1/2.5型のCCDで、有効画素数は400万画素。レンズは焦点距離が35mmフィルム換算で35~105mm相当となる3倍ズームであった。

Optioを購入後、早速あちこちに持ち出して便利に使い始めたが、当時のデジタルカメラに対する知識不足もあって、今となってはフィルムカメラを併用すべきだったなあと思うことも多い。
まず、ベース感度がISO50であったこと、そして、これ以上の感度での画質劣化が激しいこと。すなわちシャッター速度が稼げないので、鉄道の写真を撮るには非常に厳しい。
そして、画素数も正直厳しかった。一応400万画素機であったものの、それなりの画質が得られるのは200万画素相当(1600×1200)→L版プリントまでといった感じ。
それでも、当時のスキャナでフィルムを読むよりクリアな感じがしたので、まあいいかなと思っていたけど、PENTAX FILM DUPLICATORを使い始めた今となっては・・・。

後ろ向きなことばかり言っていても仕方が無いので、写真を眺めてみよう。
(いずれの写真もSilkypixで画質調整しています。)


福島駅に停車する200系
このカラーリングも、割と好きだったなあ。

9月に地元の友人と出かけた山陰旅行から何枚か。

寝台特急日本海のB寝台車
初めて乗った開放型客車B寝台。低感度でも何とかぶれずに撮れて満足。

急行銀河
京都駅で日本海を降りた後、スーパーはくとを待つ間にやってきた銀河。感度を上げて(といってもISO200)撮ったため、画質的にはかなり厳しい。

特急スーパーはくと
京都駅で日本海を降りたのは、1号車自由席の最前列にゲットするため。当時の1号車は確か喫煙席で、通常であれば避けるところだが、前面展望のためならば致し方ない。京都→鳥取のダイナミックな走りを堪能でき、満足満足。

急行だいせんで運用されるエーデル北近畿車
だいせんは2004年10月に廃止されたようなので、この時(9月)は最末期であったのだ。


出雲市駅で発車を待つ寝台特急出雲
24系25形客車で運転される「出雲」と285系電車の「サンライズ出雲」が選べた時代。この旅では前後の日程の都合でどちらにも乗れなかったが、今思えば無理にでも乗っておくんだったなあ。(入場券を購入してホームから撮影)

ロビーカー代わりに連結されていた食堂車

米坂線小国駅に停車中のキハ52+キハ47
坂町行きの普通列車。次の越後金丸(当時は交換可能駅)で上り列車と交換するのだが、小国駅で時間調整といったところか。

キハ52の車内
キハ110はともかくとして、キハE120やGV-E400より座り心地が良い座席だったなあ。

村上駅に停車する115系電車とキハ47
キハ47は引退し、115系も風前の灯火(?)。

繰り返しになるが、今となっては貴重な思い出となる列車たちを、いわば非力なデジタルカメラで撮っていたのは、何とももったいない感じがする。この後数年間、カメラの性能向上↑と撮りたい列車の消滅↓の追いかけっこが続くのであった。

カセットテープのこと

2020-12-06 | よもやま
懲りずに昔の録音のデジタル化のお話。

中高生の頃の演奏会やコンクールの録音で、カセットテープでしか所有してないものや、ビデオテープより状態の良いものがあったりするので、これをデジタル化したくなる。

当然のことながら作業にはカセットデッキが必要で、押し入れから中学生の頃に購入したSONY製のTC-WR775を久々に引っ張り出してきた。生意気にも据え置き型デッキを使っていたのは、母が昔購入したDIATONEのアンプ(DA-U660)に接続して使用するため。どうやら母はカセットテープを音の悪いものと見下していたフシがあって(?)、安いラジカセで簡易に聴くことはあってもシステムに接続することは無かったのだ。ちなみに、DA-U660にはTAPE端子が2系統あるのだが、取説の接続例に描かれているのはオープンリールデッキだし・・・。

購入当時(1991年頃)のカタログを眺めてみると、メカ、ヘッド、回路ともに数々の技術用語がちりばめられている。少なくとも、カタログを見る限りカセットテープが格下といったイメージは無い。私にとってカタログ収集は趣味の一つ(!?)でもあるが、カセットデッキに限らず、この頃のカタログを見るのはとても楽しく興味深い。

話を戻して、私のTC-WR775はSONYの据え置き型では最も低価格のもので、カタログ末尾にある仕様・機能比較表の○印はだいぶ少ない。それでも、テープは録再ともノーマル/ハイポジ/メタル対応だし、ドルビーNRもB/Cタイプを搭載しているから、中学生にとってはかなり贅沢な機種であったのだ。

といったところで、久々に電源を入れてみると・・・動かない。どうやら、駆動用のゴムベルトがダメになってしまったようで、修理も考えたが、あきらめることにする。上の長い長い前書きも、ムダになってしまった・・・。

これがだいたい7~8年前のできごとで、その後しばらく放置していたが、3年ほど前に思い立って新たにカセットデッキを購入することにした。新品のカセットデッキも存在したが、ドルビーNRが無い(※)などの残念なところもあって中古品を入手する。

※その後、2018年にドルビー Bタイプ NR相当の機能を搭載したTEAC製W-1200が発売されている。


ONKYO製のK-505X(S)、インテック205シリーズ のカセットデッキである。確か13,000円ぐらいだったかと。ドルビーNRもB/C搭載で、テープも各タイプに対応している。


水平ローディング式。ふたがバッタンと倒れるデッキに慣れた私にとっては、ハイテクな印象?

ともかくもカセットテープを再生できるようになったので、TASCAM(TEAC製)のPCMレコーダーDR-100MK3でデジタル化を進めることにする。


懐かしいテープを聴きながら思ったのは、クリアな音に「おおっ!!」と感動するものもあれば、ぼやぼやっとした音に「あれ?おや?」となるものもある。どうやら、テープによって分かれるようだ。これが保管・使用状況によるのか、テープの種類によるのかはわからないが、ノーマル/ハイポジ/メタルによる違いはなさそう。当時の私は主にAXIA(富士フイルム製)のテープを使っていたが、何となくPSシリーズよりAUシリーズの方が状態が良いように感じられる(気のせい?)。いずれにせよ、全体的にレコードの方がカセットテープより音が安定していて、母がカセットテープをあまり当てにしていなかった理由が、今となってはわかる気もする。