長い間ブログを更新しなかった。天気がパッとしないせいもあるが、本当に今年の夏は忙しい。この状態は来月末まで続きそうだ。そんな中で今月半ばのトルコ行きが決まった。半分仕事、半分プライベート。行程の中には観光地として日本人に人気のカッパドキアも含まれていた。あのキノコのような岩が天に向かって生えている場所だ。
この季節トルコは雨が降らない。ずっと晴れている。それならばあの奇岩の後ろを巡る星座を写真に納めよう。神々のいたずらを見守る星座達。きっと神秘的な眺めに違いない。
持って行ったのは小さいカメラ。竹取庵の観測デッキから落とし、レンズを壊してしまったあのキャノンEOSkissX4だ。後で調べるとボディーも全く無事ではなかったが、まあ何とか普通に使える事も分かっていた。
そのカメラとワイドレンズを携え期待に胸を膨らませながら入ったカッパドキア地方は、想像に反して賑やかな観光地だった。泊った丘の上にある岩穴ホテルは素晴らしかったが、そこから見下ろすカッパドキアの夜の町は明りに溢れている。撮れるだろうか。日周運動を撮影するなら少なくとも10分は露出したいのだが。
三脚にカメラを載せ、レリーズのスイッチを入れる。案の定、1分も露出するとモニター画面が真っ白になった。色々工夫をしてみたがどうしても駄目だ。町から遠く離れた奇岩の場所まで移動する事も考えた。しかしホテルの主人はオオカミが出る事を理由に賛成しない。
仕方がない。日周運動は諦めて目の前の止まった星を撮影しよう。カメラ感度800、絞り4、露出6秒。
うすぼんやりと並ぶ星々が分かるだろうか。跳ねまわる子熊に、心配そうに付き添う母熊。日本の宮城県とほぼ同じ緯度にあるこの地方の母熊は地平に沈まない。晴れている限りこの親子はこうして夜空を巡る。そしてそれを指差す奇岩達。みかんの丘に比べてはるかに明るいこの空だが、やはり神秘はそこに居た。
オオカミ・・・食べられちゃったら、救出して、石ころを詰めてあげましょう。
‐しっぽな‐