10月12、13日に関東から東北を縦断した台風19号は甚大な被害をもたらしている。52河川73箇所の堤防の決壊で75人の死者、14人が不明だという。
昨年の大阪を襲った電柱をなぎ倒した台風といい、人力の及ばない自然の猛威は強くなる一方、これも人間の自然破壊の結果なのだろうか。
ゴーゴーとうなる風の音、今まで聞いたことのないような雨音を初めて怖いと思った。
夜9時過ぎに突然音のない世界が訪れ、これが台風の目かと実感した。通り過ぎればまた風の唸り、それも過ぎたとホッとした時だった。
武蔵小杉駅前の人気のモール前を濁流が流れる映像が娘から送られてきた。「やばいかも」
確かに近いけど、多分マンションまでは来るまい、「電子機器を上に上げて、水嚢を作って玄関に積んだら、窓は二重窓だから大丈夫。」
15分後にはすぐ近くの交差点まで迫った水の写真。
10時過ぎ、とうとう「水来た」
連絡が取れなくなった。
夜中1時近くの連絡「床上浸水、水嚢も流された。上の部屋に世話になってます。」
翌朝、電車の運行状況を見て、娘のマンションへ急いだ。
マンションの敷地は道路よりは一段高い、建物はさらに一段高い、水は入るまいと思っていたが、部屋は一階で、バリアフリーの玄関から一気に流れ込んだようだ。
水嚢が浮き上がった時点で、娘は貴重品とネコ二匹を抱えて階段を上がった。マンションの電気室が水没し停電になり、初めて上の階の人たちは水に気がついたらしい。
ドアを開け娘とネコ二匹を保護してくれた人には感謝しかない。
しかも明るくなると、マンション理事長さんはじめたくさんの人が部屋に駆けつけ、部屋の家具や水に浸った荷物を外のテラスに運び出し、バスタオルやシーツを持ち寄って水をふき取ってくれたという。私がついた時には壁に残った跡しか浸水の形跡がわからないほどに綺麗になっていた。
とはいえ、部屋は歩けばフローリングの間からピュッピュッと水が噴き出し、テラスには濡れた荷物が山積み、キャットタワーも、台風一過の晴天に干してあった。
女一人、会社勤め、近所の人と親しく話すこともなかったろうに、マンション住人の親切を本当にありがたく感じました。
この後、罹災証明を取り保険手続き、フローリング張替え工事と問題はまだまだあるけど、多くの人が亡くなった台風でこのくらいで済んだのは不幸中の幸いと思い、一つずつ片付けていってほしい。
今日は娘も出社するし、私は近くの温泉に浸かりのんびりしてきました。お食事処のテレビではずっと台風のニュースで、避難なお4700人超。
台風が去って冷たい空気が上空に入り、一気に寒くなりました。被災者の皆さんがせめて暖かく過ごせるよう願ってやみません。
(追)
娘の部屋は水だけで済んだけれど、近くでは泥が20〜30センチも堆積したし、天井まで水が上がって亡くなった人もいる。もはや災害は人ごとではなくだれに起きても不思議はない時代、皆が心せねばなりませんね。
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