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番外編14 日本は何故、ZipanguそしてJapanなのか?

2016-04-06 00:39:49 | 仕事と生活
諸説あるようですが、ご存知のようにマルコ・ポーロが東方見聞録で日本をZipanguと紹介したことが、Japanの語源となっています。それでは、Zipanguは何でしょうか?



実は、「日本国」の当時の発音です。マルコは元朝で楊州や蘇州等華南・華東地方で徴税官に任ぜられたようなので、現地の言葉である閩南語の発音と思われます。現在中国語の発音は、漢族ではない満州族の王朝である清朝の時代に満州族の訛った中国語が所謂マンダリンとなったものですが、それ以前の中国語とは発音が違います。現代の中国語の共通語「普通話」では「リベングオ」と発音しますが、現在でも浙江省や福建省の人たちは普通話の影響もあり全員ではありませんが「ズウベンゴ」と話しています。ズウはイとウの間の曖昧な母音です。また、ベンのベは日本語の「ベ」ではなく、「ぺ」に近い発音ですが、違いは息を吐くか吐かないかです。何れにせよ、「ジパング」は「日本国」と言っていたのです。と言うことで、Japanは「国」を除いて「日本」であるZipanが元になっています。日本語の中の外来語を見てみれば良く分かりますが、言語が変わると発音もその外国語の発音の影響を受けて変化します。Zipan→Japanです。英語以外の言葉でも綴りは違えど「ジャ」の音が多いのですが、逆に「J」からその国の言葉の発音に変化することもあります。ドイツ語の「ヤパン」やスペイン語の「ハポン」等です。

筆者は香港で5年ほど生活しました。また、東南アジアにも出張する機会も多く、現地で多くの華人・華僑の方々とお話をする機会がありました。更には、中国大陸にも1年半ほど住んでいましたが、当時は浙江省や福建省へ行く機会も多くありました。そんな中で、ふとあることに気が付いたのです。香港で話されている広東語や東南アジアの華僑の人々が話す福建語(客家語含む閩南語)の発音が、日本語の漢字の発音に近いことです。現代中国語の漢字の発音と日本語のそれとではかなり違いものが多いのですが、華東・華南の人々が話す方言は日本語の漢字発音にとてもよく似ています。それは、日本への文物や漢字の輸入経路に関連するのかも知れません。日本向けの集積地としては現在の福建省の寧波(ニンポー)は有名ですね。典型的な閩南語の地域です。そして日本の漢字の音読みの一つである呉音とは古代閩南語のことなので、現在でも発音が似ているのです。

皆さんはあまり気付かれてないかも知れませんが、日本に漢字が輸入された時の時代や地域によって、日本語の中でも漢字に発音が違う二つ以上の音読みがあるのも面白い現象です。例えば、「金」ですが二つの音読みがあります。通常は「キン」ですが、もう一つは黄金の際の「ゴン」ですね。「キン」は明らかに百済経由ですね。「ゴン」は中国の南方経由と思われます。因みに、広東語で黄金は「ウォンゴン」と発音しますが、この「ウォン」の「ン」は鼻濁音のngで日本語の「ン」とは異なります。現代日本語もカナの統一で失われたワ行、ヤ行の母音がありますので、黄金の昔の発音は「ウォウゴン」なのですね。また、日本語では何故かng音は全て「ウ」音に変わってしまっています。当時の日本人には鼻濁音が「ウ」に聞こえたせいでしょうね。考えてみれば、そう聞こえなくもありません。

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