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日本の安全保障問題について考える その1 初めに

2019-09-21 15:22:38 | 仕事と生活
日本では安全保障問題は戦後長らく政治的にタブーとされてきました。大きな世論の圧力もあり、改憲を党是とする自民党さえ世論を気にして積極的な改憲の動きを控えて来ました。
しかし、近年の日本を取り巻く安全保障環境の変化もあり、安倍政権で初めて改憲を前面に出して取り組もうとしています。



日本には、安全保障に関する大きな二つの考え方があります。一つは平和憲法として知られる現憲法の9条を維持し国の持つ軍事力を制限…戦後多くの人たちが支持して来た立場です。もう一つは、簡単に言えば現憲法は戦後米国占領下で押し付けられた憲法なので改憲し、普通の国家として軍隊を持つべしとの立場です。

これら二つの立場は、日本ではこれまで前者が左寄り、後者が右寄りと位置付けられて来ました。
また、左派右派両陣営から盛んに議論されて来ていますが、議論がなかなか噛み合わず本質的な議論に発展して来ていません。どちらが良い悪いの議論や感情論ではなく、やはり国民の間で理性的に議論すべき問題と考えています。

さて、前者の護憲派の立場では、実は今でも非武装中立と言う戦後かなりポピュラーであった考えを支持している方も少なくないようです。その考え方は大変シンプルで、軍隊=戦争なので、自衛隊にも絶対反対であり、日本が戦う意志を見せなければ、即ち戦争をする手段たる軍隊を持たなければ戦争は起こらないとの発想です。ここまで極端でなくても、やはり軍隊を持つと戦争を起こしやすくなるので、現憲法下で自衛力も制限することで戦争の可能性をなくそうとの考え方は今でも多くの国民に支持されているのも事実です。

また、他方の改憲派ですが、普通の国家として交戦権は不可欠との考え方です。現憲法下で手足を縛られている状況下では、軍拡を進める中国などの周辺国との軍事バランスが崩れ、その差が大きく広がりつつあり領土紛争地である尖閣諸島への軍事侵攻や軍事衝突を誘発しかねないとの考えです。

ここで議論すべきは、戦争発生のメカニズムだと思います。何が発生要因となり抑制要因となるかです。近代以降、どの時代も、どの国の為政者も同様ですが、戦争の原因を自国の存続危機として位置付け正当化しています。日本が参戦した明治以降の戦争にしても、それなりの理由があったのも事実です。勿論、これらの理由は戦争相手国からすれば容認できない事由であることもよくあることで、個人間の喧嘩や関係の拗れと同じです。尖閣や竹島にしても、中国や韓国の国民の多くは自国領だと思っているので領土主張は当然と考えているのも事実ですが、当の日本国民からすれば理不尽で侵略的な行動と映ります。勿論、子供の喧嘩とは違い戦争は非常に多くのエネルギーを費やす行為であり、こうした領土問題が即戦争に繋がる訳ではありませんが、その他の誘発要因が加わったり、抑制要因が加わりして…現状の硬直状態がある訳です。但し、将来、新たな要因が加われば当然変化します…

その場合の新たな要因というのは何でしょうか?例えば、誘発要因としては、更なる相手国を刺激する行為が発生することや国際紛争の解決手段としての軍事バランスが大きく崩れたりすることが一例です。抑制要因は何かと言うと、戦争そのものには人・物・金を含む膨大な資産消耗が必須であり国民生活に大きな悪影響を与えますので、所謂民主国家においては為政者も簡単にゴーサインは出せないのです。また、現在は以前にも増して国際間の経済的な結びつきが強く戦争により一層の不利益が生じることが予想されることなどでハードルは更に高まります。

ところで、日本では不戦=平和と捉えられていますが、戦争が起こらないと言う意味は必ずしも平和を意味しません。簡単な例を挙げれば、悪者に牛耳られた不平等な世界で生きることが嬉しいかを自分に問うてみれば自明と思います。勿論、戦争は悲惨な結果を生じさせるのは確かですが、一方で不戦の誓いが平和な生活を保障しないのも事実です。
この延長で、仮にならず者国家が侵略して来た場合を考えて見て下さい。当然、国民保護のため自営の戦いをせざるを得なくなります。

また、その際現状の防衛力の範囲で有効に防衛できかは疑問の残るところです。その理由は非常に簡単で、中国、ロシアや北朝鮮の攻撃力の主力は中距離弾道弾であり、その対応には敵地先制攻撃を含むオプションなしにはミサイル防衛だけでは完全には対処できないからです。この場合の最適な防衛手段としては、相手国のミサイルサイトや基地を叩くことになりますが、それが不可能で要撃ミサイルだけで防衛となると少なからず国民の犠牲が出てしまいます。
また、現代戦では、ステルス機や長射程ミサイルに代表されるように先んじて敵機を自分の射程範囲に入れ、相手より早く攻撃を仕掛けると言うのが主目的になります。しかし、相手から攻撃される前に、攻撃できないと言うことは、緒戦では日本の自衛隊員が犠牲になる確率が非常に高いことを意味しています。しかも、前線の自衛隊員が交戦行為を始めるにも手続きがあり、現地判断では出来ない仕組みになっているのも大きな足枷です。

但し、戦前の日本や現在の北朝鮮や中国のように桁違いの軍事費を投じて軍拡に邁進すれば良いかと言うと、これも現実的ではないと思います。国民の福祉や生活の質を犠牲にしてまで戦費に注力すると言うのは、国民保護の名目を逆手に取った本末転倒な行為と言えます。現に戦後の日本が辿った歴史的事実を見れば、国家予算の規模として見ればGNPの1%と言うかなり限られた防衛予算に当てた正に戦後の日本が、歴史上最も発展した幸福な時代である事実がその証拠とも言えます。

但し、戦後の冷戦と言う特殊なレジームが、それを許したのかもしれません。東西両陣営の米ソを中心に世界が分かれ争った時代、ある意味で東西の軍事バランスが保たれ均衡の時代です。相手を敵視しながらも核戦争による相互破壊の恐怖から、両極が絡んだ代理戦争は別にして大きな軍事衝突は避けられました。その期間、幸いにも日本の周辺国は中国含めて未だ軍事的には弱小であり、米国からの大きな後ろ盾がある限りは心配の必要もありませんでした。これが相対的に低い防衛費予算の背景にあったのだと思います。

時代は変わり、米国の軍事プレゼンスの弱体化と周辺国の軍事力強化に伴い以前の均衡状態が崩れつつあります。日本のメディアと日本人が大好きな国連も世界の警察にはなり得ません。

では、どうするべきか…です。(続き)





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     https://www.youtube.com/watch?v=z-eC-Jokxhw&t=25s

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