タイニーハウス東京

東京でタイニーハウス暮らしを実現する。超小型木製トレーラーハウスの自作にチャレンジ

仕入れ

2017-06-27 14:27:01 | 仕事と生活
昨日の夕方前と今日の午前中にお客から依頼を受けた商品を仕入れて来ました。先日紹介した個人輸入支援ビジネス(代理購買ビジネス)と言うのは、お客様に成り代わって商品を購入し、それをEMS等の国際小包便を使って送り届ける仕事です。筆者にとっては本業のコンサル事業に対しサイドビジネスの位置付けで大体夕方4時過からと予定のない週末を中心に仕事をしています。

対象となる商品は、化粧品、美容器具、日用雑貨、赤ちゃん関連商品、食品および非処方薬や衣料など主に日本企業ブランドの商品ですが、時にはルイビトンのバッグや所謂舶来物のパイプ用品などもあります。






客筋で多いのは圧倒的に中国のお客様です。何故日本からわざわざ取り寄せるのか不思議に思っていらっしゃる方が多いと思いますが、はっきりとした理由があります。

①入手コスト
一つ目がコスト面での優位性です。日本から取り寄せても中国で買うより安いのです。中国の税制は日本と異なり間接税が主体で凡そ税収の7割弱が間接税(取引税)です。個人所得税や企業法人税等の直接税が中心の日本とは全く状況が違うのです。また、その間接税、増値税と言いますが、非常に高率です。

例えば、海外から商品を輸入するとして100円のものが、商品と輸送費等の輸入関連費用(例:10円と仮定)の合計110円に輸入増地税17%、そして国内の取引では更に増値税17%が付加されます。即ち、中国国内に輸入業者がその商品を輸入し販売するまでの原価は既に137円になっています。これに、国内の流通コストや利益を加味すれば(例:流通経費10円、利益20%と仮定)すると、元の100円から優に約二倍の200円くらいになってしまいます。例では分かりやすいように単純な設定にしてありますがこれが輸入品の中国での販売価格です。従って、海外から輸送費を払って個人輸入しても、かなり割安に商品を入手できるのがご理解頂けると思います。

②国産品への不信感
ちょっと不思議に思われるかも知れませんが、中国人は日本人が思うほど実は「愛国者」ではありません。血縁や利益関係には滅法肩入れの強い中国人ですが、実は政治的な一体感などにはあまり関心はありません。どちらかと言うと身内や自身の利益を徹底的に追求します。
一方で、中国国内で生産される製品に対しては大きな不信感を持っているのが一般的で、お金が不自由しないなら迷わず外国製品を購入します。つまり、国産品を購入するのは平たく言えばお金を持っていない人たちです。更には、中国人自身が自ら職業倫理が低いことを強く認識していて、国産品は粗悪品であることを認識しています。又、食品等でも違法な製法や材料を使ったり、管理方法が酷かったりと、多くの事件が発生しており、益々この傾向を助長しています。特に、お子さんがまだ小さな若い世代では、経済的にも前の世代より豊かになっていることもあり、お子さんの生育の安全のため多くの家庭では従来から外国産の商品を購入される傾向が強いように思われます。

③偽物の横行
このように外国製品を熱愛する中国人ですが、こうした人気に目をつけて偽物を作って販売する輩が後を絶ちません。そうなんです。中国は国内外に関わらず人気のある商品(一般的に高価)の偽物天国なのです。購買者の立場では、購入のたびに大きな不安を感じる訳です。ところが、日本は偽物がないことが中国では広く知られており、小金持ちの中国人にとって安心して購買ができる場所なのです。ですから、日本に旅行すればたくさん買い物をして持ち帰ります。これが、一時期の「爆買い」の心理的背景の一つです。
他方、最近では、ECの発達とともに中国のECサイト経由で日本含む外国製品が購入できるようになっています。有名なアリババ集団が運営する「淘宝」などが有名で、そこでは比較的廉価に商品が売られており人気を得ています。ところが、実はそこで販売される商品の80%くらいが偽物だと言われており、同社創設者でCEOである有名な馬雲氏が自ら認めるぐらい、公然の秘密となっています。
また、現在の需要構造は、一時期の暖房便座や高級炊飯器のような商品から日常品にシフトしており、少しお金があり日常的に購入を希望する中国人の購買者にとって本人が日本に行かなくても日本の市場で代理購入してくれるサービスが受けている訳です。筆者のようなサービス業者の立場では「仕入れ」ですが、実際の購入プロセスは中国のお客様から注文を頂きスーパーやドラッグストア、デパート等に行って商品の写真を撮り、お客様の確認を取りながら、ある意味で擬似的なショッピングをしながら商品を購入して行きます。

以上が個人輸入支援ビジネスの成り立つ背景の説明でした。

但し、必ずしも良いことだけではありません。特に厄介なのが、中国での通関の問題です。通常は少量の個人輸入等には関税や輸入増地税はかからないことが多いのですが(地域やタイミングにもよりますが)、輸入量が多かったりした場合に時々税関で貨物が捕捉されることがあります。この時にちゃんと税金を払えば通関でき中国内の購入者は無事に商品を入手できるのですが、ごくごく稀ではありますが税関で輸入を拒否され日本に返送されることが発生します。





これは、たまたま今日中国から戻ってきた貨物です。普通の国であれば関税を払って引き取りのできる日用品ばかりですが、税関の職員の虫の居所が悪かったのか不運にもお客様が引き取りが出来ませんでした。いかにも法治が疎んじられ人治がはびこる中国らしい現象ですね。但し、他人事のように言っているわけにも行かず、対策として小包を小分けにして再度発送するつもりですが、二度手間になり仕事の効率が落ちてしまいます。

今日はキャンピングトレーラーの改造作業がなかったので、筆者のサイドビジネスの一端を紹介させて頂きました


関連動画;自作トレーラーの関連動画はYouTubeにアップしてあります。宜しければご覧ください。
     https://www.youtube.com/watch?v=z-eC-Jokxhw&t=25s