「タイムバール」少年探偵団の時代

元少年探偵団、現ダメ社長が「記憶と夢」を語ります。

想定と想像

2011年04月11日 | Weblog

大地震と巨大津波から1ヶ月・・・そろそろ「今回の惨事から何を学ぶか・・・喉元過ぎて熱さ忘れる前に知恵と警告を出すべきなのに、相変わらずマスコミは「奇跡の生還」「命がけの作業」「復興への願い」で一杯です。「日本の力を信じてる」なんて嘘くさいAC(広告)も鼻につくだけです。こうした似非ヒューマニズムはマスコミの持病なのでいいとして、怪しげな端数には困ったものです。かって首都圏直下型地震の予測では死者1万1000人とか5683人なんて無意味な端数を出して得意げな学者がいました。大深度を走る地下鉄が液状化現象に襲われたら・・・渋滞の高速道路で車が火を噴いたら・・・死者は何万、何十万の単位になる筈です。今回も津波の「想定高さ」は5.7mとか7.3m・・・大体「津波の高さ」という表現も面妖で、上下する「波」と押し寄せてくる「破壊のエネルギー」とでは大違いです。500mまでかけ上がった1958年のアラスカ大地震の例を見るまでもなく地形や条件によって何十倍もの差が出るのに「端数」で想定する愚かさ・・・いくら予算を通すための数字だとしても人間音痴の役人と専門家の頭は・・・「良い」かも知れませんが「強く」ないのは確かです。正直に「防潮堤の設計上の高さは10mですが、1%の確率でこれを超える津波が来ます。」と告知しておけば、死にたくない人はすぐ逃げた筈です。

確かに天変地変で最後に生き残るのは「運」ですが「強い頭」と「鋭い勘」はその確率を高めます。いい例が同じ町でも指定避難所より高い場所まで逃げて全員無事だった小学校と、校庭に生徒を並ばせて無駄な時間を費やした挙句、津波が来る方向に動いて大半が犠牲になった小学校・・・聞けば全員無事だった小学校では日頃から「数字」に頼らず大きな地震が来たら出来るだけ高い場所に一目散に逃げる訓練をしていたそうです。昔の三陸大津波の体験と知恵が生きていた訳です。日本人は言霊信仰でもあるのか、縁起でもない言葉を口にするのを嫌がりますが、災害は一方的にやって来ます。むしろ常に「死」を間近に感じることで「感覚」は鋭くなります。数字の「想定」はあくまで「仮の姿」で、それを補うのは「想像」であることを学習させるべきです。「想像力」はハラハラ・ドキドキした濃密な体験によってのみ得られます。

シーベルトだかベクレルだか得体の知れない数値を振り回す東電や政府の責任も軽くありません。出荷・水揚げできない農業・漁業関係者は気の毒で、判りもしないのに騒ぎまわる大衆は愚かです。どう考えても米ソ冷戦時代の’60年代に花火大会の如く水爆実験を繰り返していた時代にばら撒かれた放射性物質の方が今よりは夥しい筈なのに、みんな生きています。我々も’50年代のガキの頃、港にあるボーキサイト(アルミの原料)置き場で真っ赤になって遊んでいました。後でそれは猛毒の物質だったと知りますが、55年以上たった今でも「少年探偵団」には死んだ奴はいません。尤も同級生女子に言わせれば「あんた達がイカレているのはそのせいよ」・・・確かにアルミとかチタンに触れると「うっとり」するのは「後遺症」かと思うものの「もともと人間の身体には微量の金属が欠かせないのだ。多少アルミを余計に摂取した方がメタル星人に出くわした時に親しみが持てるのさ」「・・・」なんて諭していますが、鉄のように固いおばさんの頭が変わることはありません。

 


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