なんでもぐもぐもぐ= (なんでも-も)+(も+ぐ)+もぐもぐ

専門のマシン知能に限らず、身辺で感じたこと、なんでも、なぜ、という観点から
もぐもぐもぐ(深堀り)を試みるブログです.

現象の時遅れ、予兆を捉えるモデルとは

2010-04-14 21:40:19 | 日記
景気動向が少しずつ変わってきてきましたね.

このブログも書き始めてそろそろ1年となり
ます.

1年前は、ちょうど景気が悪くなりつつある
前兆のころでした.

確かにリーマンショックが引き金にはなった
とものの、すぐに悪くなるのか、というと
そういうわけでもなかった感があります.

(当時の経済指標に変化がでたのは、リーマン
ショックから2ヶ月くらい遅れたころだった
記憶しています)

いわゆる『事象の時遅れ』があります.

ある現象が起こる予兆が何がしか起こって、
しばらくして、真の現象が実際に起こりうる.

こういったことはわれわれの社会システム
において頻繁にありえることだと思います.


たとえば、渋滞、、

渋滞は、車がほとんどストップ、もしくは、
少し走ってとまるストップ&ゴー現象を意味
しますが、こうした現象の起こる数分前に
”メタ安定”と呼ばれる状態が生じます.

メタ安定は、比較的、高速で自由に走行できる
ような状態で、かつ周辺の交通量が徐々に増加
している状態を意味します.

(つまり、ストップせずに走りつつ、前後、
左右隣りにも車がある、といった状態です)

このようなメタ安定状態が時間発展すると、
自然渋滞の予兆である前出のストップ&ゴー
走行となりやがて渋滞に変わってゆきます.


もし、あなたが未来を変える、つまり、渋滞
回避をしようとするならば、ストップ&ゴー
になった時点でのルート変更など、もしくは、
メタ安定でのルート変更のいずれを好む
のでしょうか、、

このような一見すると定性的なお話しでも、
現象を記述する支配パラメタ(たとえば、
交通量、交通密度等など)をおさえると、
定量化することが可能となります.

こうした定量化の方法をモデル化、もしくは、
モデリングを呼ぶことがあります.


われわれが何がしかの未来を予測するため
には、こうしたモデル、を使うことが有効
となりえることが考えられます.

また、モデルは通常、数理、つまり数学の
ロジックなどを定式化することで作成する
ことが一般的なのです.

以前、ブログの中で紹介した金融にかかわる
現象も、ブラックショールズ方程式などに
よってある程度定式化可能となりえます.

ただし、これらのモデルというのは、通常、
ある状況を固定、もしくは、制限したかたち
で想定するので、状況が変われば、モデルを
つくりかえる必要があります.

このあたりの作り変え問題は、場合によって
とても困難であることが往々にしてありえ
ます.

それは、モデルの設計者にとっては、現在の
状況がどの未来の状況へ移り変わるのか必ず
しも自明ではないからです.

こうした話しは、映画『マトリックス』など
の展開ロジックと非常に似ていると思います.

マトリックスでは、人間やマシン、その間
にあるエージャントと呼ばれるプログラムが
介在することで、結果として、人間とマシン
との関係を描くかたちになっていますよね.

誰かがあらかじめ予想したようにプログラム
を作っても、そのプログラムが状況の中で
進化(書き換え)してしまう、となると、
未来が変わってしまって予想したものを遥かに
超える展開となることがありえます.


昨今の経済状況に話しを戻すならば、リーマン
潰しが発端となった今回の不況で、たとえば、
自動車メーカーの世界的なマーケット地図も
大きく変わり、大型車から小型車へのサイズ
シフトが次世代のマーケット地図を塗りつぶす
キーとなりつつあります.

景気をよくするためには、何がしかのバブル
が必要で、ある意味で経済政策とは、この
バブルをどこかで作りつつ、破裂しないよう、
制御することであるようにも思えますね.

しかし、こうした制御がリーマン潰しのような
ある意味で突発的な出来事によって、一変
されて壊されてしまう、こともよくあります.

だから、制御されている状況を注視しつつ、
制御の限界も、来るべく未来に起こる前の
前駆的な予兆としてみるために、数理による
モデルは役に立つかもしれない、と思って
日夜研究に取り組んでいます.

そういえば、株や経済指標などのストップ&
ゴーもだんだん頻度が落ちてきた感がある
のは、気のせいでしょうか、、

(このあたりは、事象を周期で定量化すると
効果的かもしれませんね.)
コメント
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