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もぐもぐもぐ(深堀り)を試みるブログです.

製薬ビジネス:医学と証券を結ぶ投資家の期待

2010-05-13 19:43:35 | 日記
昨今の経済状況にもあまり関係なく自社株を大きくことが
上げている製薬関係の事例を今回は取り上げたいです.

以前、がんやHIVに関する記事についても、このブログで
とりあげました.

つい先日、タカラバイオという会社研究所(親会社は、
宝ホールディングスというで、もともとは焼酎を専売し
ている会社)が、レトロネクチンを用いたがん免疫療法
の有償治療を行なうということをアナウンスした結果、
株がかなり上昇しています.
(最低保有の1株あたりの現在代金は250,000円あたり)

まず、タカラバイオという会社ですが、滋賀県大津市
に本社を置く宝ホールディングス傘下のバイオテクノロジー
関連の研究開発型企業です.遺伝子工学技術を中心
としたバイオテクノロジーに強みがあるようで、今回
は、がん免疫療法に必要なバイオ技術を開発した、
ということのようです.

では、『レトロネクチン』とは何か、、

レトロネクチンとは、効率よくリンパ球の拡大培養
(細胞を増やす)を行うことができるだけでなく、
その増殖した細胞中には未分化な細胞であるナイーブ
T細胞が多く含まれていることが臨床によりわかっています.

ナイーブT細胞に関しては、以前、このブログでも
とりあげましたが、免疫系の中枢であるTh1、Th2および
キラーT細胞を統合したものであり、これを体内に
注入することは、免疫系を活性させることになります.

今回は、がんを標的とした免疫療法についてのレトロ
ネクチンへの応用ですが、慢性リンパ性白血病や
HIVの遺伝子治療などの臨床実験もすでに進めれています.

たとえば、HIV治療としてキーとなる”RNA干渉”とは、
二本鎖RNAと相補的な塩基配列を持つmRNAが分解される
現象をいいます.つまり、ウイルスが増殖に必要となる
タンパク質生成に必要なmRNAを遮断し、増殖の基となる
遺伝的発現を抑える、というに相当します.

確かに画期的な研究成果いえそうですね.

因みに、

RNAi機構は酵母からヒトに至るまで多くの生物種で保存
されています.その生物学的な意義としてはウイルス
などに対する防御機構として進化してきたという仮説が
有力です.

この研究成果により、2006年にタカラバイオの株価は
終値464,000円のストップ高となって、結局、4日連続
のストップ高という記録を作ったそうです.

ただし、このときは、まだ人体への適用という段階
ではなかったので、あくまでの”投資家の期待”が
先行した、ということなのですね.

いずれにせよ、医学と証券を結ぶ接点が投資であって
製薬業界は、病気克服への課題や期待と共にビジネス
を後ろ盾にしている、という点があって興味深く、
目が離せません.、
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