Jacarandaの木の下で

2004年〜2006年
ザンビア共和国での在外公館派遣員の記録

マジック。

2006-07-23 07:23:58 | Weblog
「今年イリュージョンして欲しい有名人ベスト10」で毎年11位の僕ですが、来年こそ入賞するためにこんな話。

「脱出マジック」を売りにしているあるザンビア人マジシャン。
体を縛られ土の中に埋められた。
10分弱するとなんと見事に自らほどいて土の中から脱出!
「俺は2時間でも土の中にいれるんだ!」
7月某日。
彼は同じく体を縛られ土の中へ。
有言実行、2時間経過。

彼は死体で掘り起こされた。

2時間土の中にいたのは間違いない。ただ生きていてくれないと・・・


芸者。

2006-07-18 06:15:06 | Weblog
ザンビア人の友達がいる。
以前に友達伝いで仲良くなった数人で、そのうちの何人かは日本語を勉強してる。
変な日本語を使うのは外国人の常だけど、数少ない知ってる単語が「ダイゴロウ」。どっかで「子連れ狼」に触れちゃったらしい。
ま、こちらの文化に興味があると仲良くなるのも時間がかからない。

その内の1人をこないだうちに招待した。
彼女はお肉をもっと肉々しくした感じの可愛い子なんだけども、ひょんなことからダンスレッスンに。
簡単なステップから腰カクカク運動まで。さすがザンビア人、僕らじゃ物理的に不可能な関節の動き。

ダンスのお礼にお好み焼きをご馳走してあげた。
彼女は量りも使わず即席でクッキーを作ってくれた。
食事に夢中になって気が付いたら底が黒こげ。
黒いクッキーもオツなものです。

そんな彼女が「芸者のDVDが欲しい」と。
なんで芸者!?
来月に親が来る時に持ってきてもらおう。
って、芸者のDVDってなんだ?企画モノのエロビデオしか思い当たらない。
誰か「これぞ芸者!」ってDVD教えてください。

この国にはどういうわけか「Geisha」って石鹸がある。
どぎついピンクの安い石鹸なんだけど、「芸者」から名づけたのかも謎。
もしそうなら「芸者」=「ソープ」ってよっぽど偏った遊びをしたザンビア人が名づけたに違いない。文化の壁は高いです。
他にも「TOKYO」という芳香剤。空気の悪い東京にあてつけですか。
「TOKYO OPTICIAN」って眼鏡屋。日本人が眼鏡って印象はあながち間違ってないかも。も一つ「TOKYO なんたら」ってクリーニング屋。なんでも有りか!?





暖坊主。

2006-07-11 05:29:39 | Weblog
あ~さぶい。
ここはまだまだ冬将軍政権下。
家の中でもフリースを着込み、今年2度目の暖房をいれているだす。
遥か遠くジパングではミンミンゼミのノイズとべったり湿気でぐったりだすな。
暑中お見舞いもうすあげます。
寒いのは嫌いだす。そしてジパングより寒いところにいるのに腹立つだす。
去年の今頃は灼熱エスパニョールでサングリア片手に牛追ってただ。


メモリアル。

2006-07-04 02:25:24 | Weblog
スティーブンが到着し、儀式は始まった。
見渡す限り草むらなのに、どこからともなく大勢の人が集結。
火の回りに人が集まり、聖書の朗読とともに祈りを捧げる。
「聖書のここはこういう意味なんじゃー!だからみんなこうしろー!」ってな具合。これが結構おもしろい。
誰かが歌い始め、皆が合わせる。
自然に響くゴスペルはすこぶる神秘的に聞こえる。
歌に合わせ太鼓をたたく。太鼓に合わせマラカスを振る。
そして音楽に合わせ、火の回りを周りながら踊る。
男性は男性の、女性は女性の踊りがある。
周りに誘われ元ダンサーの僕も混ざって踊りはじめると皆歓声をあげて笑いやんの。
見るは易し、踊るは難し。出来ると思ったステップが踏めず、2,3回転したら酔ってよたる始末・・

「音が続く限り踊り続けるんだ」

子供だって関係ない。赤ん坊背負った母ちゃんだって音が鳴れば深夜3時だって踊るんだ。
聖書、ダンスが一晩中続く。
ただいまここは冬の真っ只中。気温は一桁台。
少しでも踊れば温かくなるけれど見てるだけは非常にさぶい。
眠気もピーク。
温まろうと火の前に立っているとそのまま眠りにつき、くらっと倒れそうになって起きる。その繰り返し。

朝陽がでてきたところで儀式は終了した。
踊っていた人々からは湯気があがってる。
昼からのセレモニーまでしばし睡眠。

昼にまた儀式が始まる。
「死は避けられないんだー!ならみんな準備しとけー!」てな具合。
僕も一言お礼の挨拶。こうして大切なセレモニーに参加させてくれたことに感謝。
彼らも外国人の参加を喜んでくれたようで。

これだけ皆に送られて亡くなった奥さんも幸せだろうと感じた。
どっかの坊主に念仏を頼むだけの僕らの文化はどうなのか考えさせられる。

ちなみに、満天の星空の中、僕は初めて未確認飛行物体のようなものを見た。
数個の赤い点が瞬間的にあちこち移動し消えた。
ありゃ絶対に・・・火の粉の見過ぎだわ。



世界はひとつ。

2006-07-04 01:28:15 | Weblog
スティーブンの奥さんを弔うセレモニーに招待された。2度言った彼の実家で夜から朝にかけて行う。 肝心のスティーブンが時間になってもこないからとりあえずサッカーでも見るかということで、テレビを外にセットする。もちろん電気なんてここにはきていない。じゃあどうするか。車のバッテリーに直結する。テレビがつき、乱れた画面。しばらく調節すると、白黒画面にワールドカップの試合が現れた。感動。辺りは真っ暗。こんな地方の電気がないところで数十人、火とテレビを囲んで四年に一度のワールドカップを見れるなんて・・・