Jacarandaの木の下で

2004年〜2006年
ザンビア共和国での在外公館派遣員の記録

地球儀。

2005-12-28 21:19:34 | Weblog
BBQの翌日24日は前にも2度行ったことのあるカニャマという地域へ行った。
友人が彼らと連絡を取っている。
そこでは体や精神の不自由な子供たちが僕らを待っている。

友人はクリスマスプレゼントとして地球儀を買った。
体が不自由なために学校へ行けない子供たちを教えているその教室へ贈った。
ここじゃ地球儀はマイナーなもの。見つけるのにも一苦労。
地図ではなく、地球という形あるものを感じ、その上で同じ人間が生きていることを知ってほしかった。
世界という価値観をあまり持たないこの国の人や子供たちに新しい世界観を持ってもらい、不自由な環境に沈み込まないで明るい未来を持ってもらいたい。
そんな願いを込めた。わかってくれるかな・・

それとケーキ。
こっちは願いもへったくれもなく、直接腹へのプレゼント。
反応も分かり易い。

友人は地球儀を使って子供にレクチャー。
日本の場所を知っていた子供はゼロ。
というか、きっと地球儀を見たのが初めてだったかもしれない。
アメリカ大陸を回せばユーラシアがでてくる。これが不思議だったかもしれない。

子供たちから唄のプレゼント。
「ナート・テラ~、ナート・テラ~♪」ありがとうの意味。
ここをしきるおっちゃんも賑やかな人で、いつも半分酔っぱらってるよう。

今回はあまり時間がなかったから、遊ぶことなくみんなとお別れ。
また来年来るよと約束した。

いつものごとく、そのおっちゃんは僕らのタクシーに当たり前に乗り込み、途中下車する直前に「ここからの交通費くれ」って。いや「くれ」じゃなくて、あたかも自分のお金のように当たり前に受け取り、受け取ったと思ったら一目散に振り返ることなくタクシーから離れてく。まったく!

ルサカに戻り、帰宅途中に豪雨が始まった。
この雨期一番とも思うくらいの雷雨。
車を運転していたところをおそわれ、前が全く見えない。
ハザードをたきながら徐行する車。道のあちこちですこしでも止むのを待つ車が止まっている。
道は河のよう。雷もいつおっこってくるかわかりゃしない。
必死の思いで家にたどり着くとそこは停電。
電気頼りの我が家はお湯さえ沸かせない・・
明かりがなくても外の雷が絶えず光るので明るく感じた。
やがて暗闇がやってきた。
クリスマスイブ。不可避的なキャンドルナイト。
これはこれでオツなものだ。

倉庫にガスコンロがあるのを思い出し、冷えた体にコーヒーを、と火をつけたその後に電気復活。
復活したのになんか残念な気がした。せっかくなら最後まで不自由したかった。
でもあれば使いますよ。文明ですから。明るいのだーいすき。

それから2,3日、不安定な電力供給が続き、インターネットは完全ノックアウト。

さて、今年の仕事も今日で終わり。さーかえろかえろ。これからサッカーだぃ。
去年は最後の最後で突発性頭痛に襲われ、トイレを抱えた。
予定していたキリマンジェロ登山は1月中にもちこし、年末年始は遙か北欧スウェーデンから同期が来てくれるので、第五回ビクトリアフォールズツアーを開催してきます。雨が降らなきゃいいけどな。

↓写真↓
<X'mas with Kanyama Kids>

BBQ。

2005-12-28 07:37:56 | Weblog
今まで温めていたBBQをやる時が来た。
にしても、時間が無い。
急遽、案内状を作る。
仲間の家を開放してもらい、場所を確保。昼休みを利用して買出し。

現地職員23名。
一年間の感謝。
贅沢のできない生活環境下で共に生きている家族へのわずかながらの気持ち。

親子供ウェルカムといったもんだから、増える増える。
子供3,4人は当たり前。奥さん入れて6人参加なんてざら。
とはいえ、参加できない人もいて、おおよそ70名前後。
ドリンク9ケース、肉30kg、炭25kgを僕のオンボロ車に乗せ運ぶ。

前日、ドリンクは現場の館員宅へ置いたものの、肉は冷凍するため我が家へ。
よっこらせと、大型冷凍庫に運び入れたその矢先、ドーーン。
停電・・・
雨なんて降ってませんぞ。だのに、なぜ。
肉君を常温に置いたら不機嫌になって変な匂いになっちまう。
肉君、緊急避難!
ポリ袋に詰めなおし、またよっこらせと車に詰め込み、15分かけて大使館の冷凍庫へ引っ越し完了。ここなら安心。

当日、朝から準備。
大使館から肉を車に乗せるときに、ポリ袋は限界を迎え、道端に肉君たちが散乱。惨め。
借りてきたBBQセットに炭を置き、火をおこす。
火がつかない。下手っぴなのです。
庭師に手伝ってもらい、1時間かけてやっと点火。

今回、資金協力・当日協力のため、単身者4名での開催。
男は外、女はキッチンで下ごしらえ。
人も集まってきてパーティ開始!
焼いても焼いても僕の前には差し出された皿が消えない。
まだだ!って言ってんのに「これくれ」「もう大丈夫だ」ってやんややんや。
ちっちゃい子に肉をとってあげようと、箸から肉をお皿に置く瞬間、別のお皿がその箸とお皿の間にするりと割り込み、横取りしてく。器用なもんだ。

周り囲むもんだから入ってくるはずの風もカットされて煙が出て行かず目が開けられない。
それでも最初はまだ遠慮があったのだけれど、小一時間もすれば彼らも我慢と理性の限界。
僕の焼き場を占領し、箸でも熱いところを手で、自分の分は自分で焼き始めた!
もうお手上げ。任せた!
野菜なんて食べやしない。聞き分けの無い肉食獣たち。

あっという間に30kgの肉をぺろり。網に残ってるのは芋となす。
子供たちは駆け回ったり、プールに足をつけたり。
食った後は寝る。芝生に地べたに、おばちゃんたちはぐだぁーと横たわる。

ローカルの一人が皆を集め、最後に締めの言葉。
僕からもみんなに感謝の言葉。

完全にパパパウンドクッキーを配るのを忘れてた!
帰る門のところで細かくきって配布した。これも一瞬。「一人一個」なんて言葉は彼らの辞書に載ってない。あるだけ食べる。食べれる時に食べる。

ここ数年なかった現地職員のためのパーティをできて僕は嬉しい。
現地職員の人柄や、協力してくれる館員のおかげ。
この日ばかりは嘘のような快晴。
みんな満足してくれたよう。
来年はもうここにいない。
最初で最後のクリスマスパーティ。
いつかこんなことがあったと思い出してくれるだけで、僕は嬉しい。




何これ。

2005-12-22 04:50:17 | Weblog
さて、もぅいくつ寝るとクリスマス。
日本はキラキラとして恋人たちはプレゼント探しで大忙し。独りもんは恋人探しで大忙しのことでしょう。

去年のクリスマスはカシシ孤児院で子供たちと唄い踊り過ごした。
今年も、と考えていたけれど、その前にやるべきことを見つけた。
「現地職員に感謝感謝、不況と貧困に笑顔を、そして肉を。みんな集まれ、クリスマス・バーべキューパーティー♪」
そうだ!パーティーだ!
本当は僕の1周年記念でやろうとしてたものが延びに延び、遂に年末。ここでやらなきゃ名がさがる!
全現地職員23名とその家族を呼び、パーッとやろうじゃないかと計画。
単身の館員さんにも声をかけて資金協力依頼。
発案から実施まであまりに短く準備でてんてこ舞い。
彼ら23名をなめちゃーいけない。
ここはアフリカ。なりふり構わず子供が生まれる。
「家族・子供もつれて来な!」なんて広告うったものだから、恐れていたとおり、一家庭あたり5,6人の参加。仕舞いには「遠くにいる親を呼んできてもいいか?」なんて言う始末。
せっかくのクリスマスだ、呼びたいやつぁ呼んで来い!!
予想は80~90名。どうしよ・・・

ドリンクは今日の昼間に買った。きっと買い足し。
肉は3~40kg位必要かな・・・酒飲まない代わりに喰うわ喰うわ。
じゃー色をつけようじゃないかと勢いでデザートを作ろうと思い立った。
数日前、友人がパウンドケーキを作っているのを見たから、きっと僕にもできる。
そう信じてた。
人生でケーキ初挑戦!
とりあえず分量を聞いてあとは記憶に頼る。
バター、砂糖、小麦粉、各400g。卵6つ。
まぜまぜまぜまぜまぜまぜまぜ・・・・
オーブンを温めて、と。
お、型がねぇ。う~ん、きっと大丈夫。
オーブンについてる鉄板にシートをひき、見事に混ぜ上がったものをドスン。
お、レモンがあった。皮をすりおろし、果汁をまぶす。
綺麗に丸く形を作っていざ焼きスタートぉ!!

5分後、様子を見る。

「うわぁっ!なんだこれ!!?」
僕が丹念に丸く仕上げた固まりは見るも無残に鉄板全体にのべ~っと広がっちまった・・決められた形は守るやつだと信じてたのに・・ケーキは作者に似る。根性なくてだらしない。もう手遅れ。見守ろう。

焼ける香りは素晴らしい。材料はあってるんだから当たり前。
45分後、成長した僕の分身はいい色してオーブンから顔を出した。

「なんだこれ。」
何回見てもそう。TVよりでかい。笑うしかなし。
36cm四方、厚さ2cmのパパパウンド・・クッキーの出来上がり♪

味見無しで出してやろーかと思ったけど少し不安になったから一口味見。
悪くない。ほんのりレモン風味。
どこの世界も外見じゃない。心意気です。

BBQは金曜日。それまでオーブンの中で眠っててもらおう。


避難所。

2005-12-20 05:41:16 | Weblog
年末というわけで、外国人の多くが母国に帰るためにドル現金を引き出してしまうため、この時期は銀行にいってもドルがない。首都の銀行がそんな状況だから困ったもんだ。

ご存知、僕の家の敷地内には10匹近く犬がいる。
なついてエサ目当てで毎日おかえりなさいを言ってくれるヤツもいる。
ある一定の家にずっと居座ってるヤツもいる。
土曜日、ものすごい雷雨がふった。
雷さんはかなりの短気者らしく、これでもかこれでもか!と落とすもんだから怖いのなんのって。
すると、どういうわけか普段は絶対にうちにこないじいちゃん犬が僕の知らない間にドアを開けて我が家に避難。泥だらけの足で絨毯の上をよだれをたらしながらのっそのっそと歩き、部屋の端っこで一時休憩。ちょっと休むとまたのっそのっそ。しまいにはリビングの真ん中に居場所を見つけ、スーピースーピー居眠り。まったく可愛いじいちゃんだよ。
そうなると、いつも来るお迎え犬は嫉妬して、自分もと、勝手に入って来て休憩。
僕の家に昔いた愛犬コロも雷が大嫌いで、なる度に階段を上って僕の部屋や、ベランダを渡って隣の家へ徘徊してた。時には僕の部屋に小便を残していった。
べらぼーにバカ犬だったなぁ。
そんなことを思い出したりした。
そんなわけで、お客さんが多かった一日。


為替。

2005-12-15 01:59:28 | Weblog
あぁー為替よくならないかなー。
数ヶ月前から円安が続き、さらにひどいクワチャ(ザンビア通貨)高なもんで、もろに影響を受けてしまっているのです。
ザンビアは遙か昔、1ドル=1クワチャから始まり、国の衰退とともに貨幣価値が激減して1ドル=5000クワチャまで行った。
僕が赴任した当時は約4800だったのだけれど、ここ数ヶ月、クワチャが強くなってきて、現在3300。原因は主要産物の銅が高値で売れるようになったとか、どっかの大金持ちがクワチャを買い占めてるとか、どれも不確実な噂ばっかで、あてにならない。
この国の国家予算の約4割が外国からの資金だっていうんだから、やんなっちゃう。もっとしっかりせぇよ。そりゃーどっかがアクション起こせば影響大ですね。

現地職員の給料はドルベースだからみんなヒーヒーいってます。
だって、今まで$100で500,000クワチャもらってたのが、今は330,000。給料30%強の減少。
為替のせいで今まで100円だったジュースが急に150円。なのに物価は上がる一方。ドライバーの一人は子供の教育費が払えなくなり、一時休学させた。深刻だよ。
 僕らの給料は円ベース。もっと厄介。
円がドルになって振り込まれて、それをここでクワチャへ両替。
赴任時は$1=¥105位。それが今は¥120。

単純に10万円で計算すると、
・赴任時($1=105円、4800クワチャ)
¥100,000=$952=k4,571,000
が、
・今($1=120円、3300クワチャ)は
¥100,000=$833=k2,750,000

こんなに違う。給料40%減。
この差を今のクワチャレートでドルに戻すと約$550!!
おい。ラーメンの具を買わせろ。ひもじい。

くやしいので、なんとか儲ける方法を模索中。