2016年8月29日のAutomotive Newsによれば、カナダでビッグ3と労使交渉をおこなっているUniforは、交渉決裂にそなえてスト権を確立した。
今回とくに問題になっているのはGMのオシャワ工場の生産継続。
現在オシャワ工場では、次期の生産モデルが決まっていないため、Uniforは生産継続の約束を求めている。しかし、GMは労使交渉では次期生産モデルについては話し合わないというスタンスを取っており、両者の溝が深まっている。
ちなみにUniforは、カナダ最大の民間労組。2013年、CAW(カナダ自動車労組)とCEPU(通信・エネルギー・紙労組)が合併して誕生した。
2016/9/7追記
UniforはGMをターゲット(最初の労使交渉の相手)に選んだ。現在の労働協約は9月19日に期限が切れる。
アメリカやカナダの自動車産業ではパターン・バーゲニングといって、まず1社をターゲットに選び、そこで集中して労使交渉をおこない、そこで得られたのと同一の労働条件を順番にほかの企業にも認めさせていく方法を取っている。
2016/9/20追記
2016年9月19日、GMとUniforは4年間有効の新しい労働協約を締結することで合意した。これにより予定されていたストライキは中止された。
焦点となっていたオシャワ工場の次期生産車種については、具体的な車種は未定ながらメキシコから移転させることで合意した模様。メキシコから北米へ生産移転するというのは私の知る限り今回が初めてである。
現時点でそのほかの合意内容の詳細は明らかになっていないが、新規採用者はこれまでの確定給付年金でなく確定拠出年金になると報道されている。
2016/9/23追記
Uniforは次の労使交渉の相手にフィアット・クライスラー(FCA)を選定した。