大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

日本の軽減税率は独・仏・英より高い

2018年10月20日 | 日記

 2019年10月から消費税が8%から10%に上がる。

 それとともに、食料品などに8%という軽減税率が導入されることがきまった(学校の授業料、医療費、薬代、土地の売買にはこれまでどおり消費税がかからない)。

 日本ではいまだに軽減税率は不要、無意味だという議論がなされている。しかし、日本より早く付加価値税(消費税)を導入した欧州では多くの国が軽減税率を導入している。それだけでなく、日本より低い軽減税率を定めている場合が少なくない

 たとえばフランスの付加価値税率(以下たんに税率と記す)は20%。しかし、新聞、雑誌の税率は2.1%本、食料品、映画の税率は5.5%と日本の現在の消費税より低くなっている。フランスほど福祉が充実していない日本で、食品などにどうしてフランスより高い税金を払わなければならないのか不思議に思う人は少なくないはずだ。ちなみに、日本で問題になっている外食の税率は宿泊、肥料などともに10%となっており、来年10月以降は日本と並ぶことになる。

 ドイツも税率は19%と高いが、食料品、新聞、本、宿泊などは7%と日本より低い軽減税率が適用されることになっている。

 イギリスの場合、税率は20%だが、食料品、新聞、本は0%となっている。ちなみにイギリスは医療費は無料である。

 高福祉だが高負担のイメージが強いスウェーデンも同じである。税率は多くの人が想像するように25%という高率であるが、新聞、本、スポーツ観戦、映画の税率は6%と日本より低い。また食料品、宿泊の税率は12%となっている(以上は『日本の税制』財経詳報社2018年版に拠っている)。以前のブログで触れたようにフィンランドもだいたいおなじような感じである。

 日本における軽減税率の導入は遅きに失しただけでなく、その水準も高すぎるように思うのは私だけであろうか?



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