VWのチャタヌーガ工場(テネシー)で2014年2月12日(水)から14日(金)にかけて、UAW(全米自動車労組)を承認するかどうかを問う組合承認選挙があった。結果は否認712票、承認626票でUAWが否認された。
アメリカの組合承認選挙では徹底的に反組合キャンペーンをはる企業が多い中、今回の選挙でVWは中立の立場を表明していた。このため選挙前にはUAW勝利を予想するメディアが少なくなかった。しかし選挙間際、共和党の国会議員、州議会議員から組合が承認された場合、近い将来に予定されている工場拡張に一切の公的助成をおこなわないなどの強硬な発言が繰り返され情勢が大きく変わったようだ。VWが工場拡張(雇用拡大)の決定を選挙後に持ち越していたことも、選挙結果に一定の影響があったと思われる。
現在、UAWは政治家による不当な介入で選挙の自由が侵害されたと選挙の無効を訴えているが、これが認められる可能性はおそらくほとんどないであろう(政治家の「発言」をアメリカの司法、行政が違法と判断するとは考えにくい)。組合員の減少が続くUAWにとって、今回は手痛い敗北だった。