フィナンシャルタイムズ(2019年6月5日)は、中国で多くの銀行が2018年の決算発表をいまだできておらず、その財務内容への懸念が高まっているとする記事を掲載した。
FT紙によれば現在、19銀行が2018年決算をいまだ公表していないが、その資産合計は6470億ドル(70兆円:1ドル=110円)に達する。
このうちのひとつ内モンゴルの包商銀行(Baoshang Bank)は2019年5月末に公的管理に移されており、他の銀行についても多くの不良債権を抱えるなどの問題があるのではないかとの懸念が高まっている。
それをうらづけるように19銀行のひとつ錦州銀行(Jinzhou Bank)では、借り手の返済能力などについて大手会計事務所(アーンスト・アンド・ヤング)と意見が合わず、会計事務所が撤退する事態となっている。
FT紙は、バークレーのアナリストの意見として、中国では今後、小規模の銀行やノンバンク(資金を個人でなく金融機関などに頼っている貸し出し機関)の淘汰(大銀行による吸収・合併)が進むとする見方を紹介している。