からだを動かすばかりじゃ、かたよってしまいます。
時には、文化的な創作もして、60代からのバランスをとります。
嬉しいことに、この7km圏内は、刺激的な事で溢れています。
欲する事があれば、すぐに叶います。
まずは銭湯でのお決まり事、守れない方銭湯に行くべからず!
・まわりに人がいます、湯をかける時、頭洗う時、人に掛けないように
・自宅の風呂ではないことを認識する事
・人様の石鹸やシャンプーを使わないように、備えている店か確認して
・湯に浸かる時は一礼して入浴
・熱いからと言って、水を足しすぎないように
コロナ禍の前
旅が好きだからといって、いつも旅ばかりしているわけにはいきません。
多くの人は、人生の時間の大半を地元での地道な日常生活に費やします。
私もその一人ですが、夕方近くには週3で
その地域で昔から続く銭湯(一般公衆浴場)ののれんをくぐっていました。
この習慣は地元でも旅先でも変わりません。
昔ながらの銭湯の客は、地域の常連さんがほとんど。
近場であれ旅先であれ、知らない人たちのコミュニティーへ
よそ者として、しかも裸でお邪魔することは
けっこうな非日常体験であり、ひとつの旅となります。
銀座、新宿、渋谷、池袋……東京の
これらの地名を知らない日本人はいないと思いますが
でもそれとは別に、銭湯が好きな人たちの頭の片隅には
ポッと明かりをともすようにインプットされている東京の地名があります。
それは三河島(荒川区)。
JR常磐線の三河島駅から徒歩10分圏内に6軒の銭湯が密集しています。
印象に残る銭湯名「帝国湯」、帝国軍人が入浴していたのか、
この近くに軍の施設があったのか?
広い東京には数多くの多様な銭湯がありますが
帝国湯の何が人をひきつけるのでしょう。
飲食店は途切れ、古びた民家がひしめく中を
狭い道が不規則に交錯する下町風景のなか。
下校途中の小学生たちが道路の真ん中を
ふざけながら帰っていきます。
そんな場所に突如として
堂々たる入母屋(いりもや)造りに
起(むく)り破風玄関の「帝国湯」が現れます。
ここは、「ペリカンパン」や「ユニオン珈琲」を買いに行く途中、
目の前を通り過ぎる場所
1916年(大正5)、まさに「大日本帝国時代」から続く銭湯です。
「手以古久(ていこく)」と漢字を当てられた渋い色のれんを
くぐって一歩足を踏み入れるや、
地方から来た人は「これが東京の銭湯か!」
との衝撃を感じずにはおれない空間が展開します。
下町の路地に突如出現する、圧倒的な「空間」。
高い木製番台に座るシャキッとした女将(おかみ)に
入浴料金を手渡し、脱衣場を見回すと
東京銭湯初体験の人なら、天井の高さにまず驚かされます。
普通の建物の2階の天井くらいまで縦長の空間が広がり、思わず息がもれます。
震災や戦災のたびに破損し、
現在の建物は1952年(昭和27)に建て替えられ
創建当初の姿がほとんどそのまま丁寧に維持されています。
がっしりと組まれた折り上げ格天井(ごうてんじょう)
ニスで光る板張りの床、男女隔壁の大鏡と磨き丸太
そして建物を囲むように配置された庭。
それらはすべて典型的な東京銭湯の伝統スタイルで
高い技術を持つ職人が魂を吹き込んだかのような迫力があります。
「東日本大震災の時も、壁にひび一つ入らなかった」と女将は言います。
浴室は、真正面にドーンと男女ぶち抜きで描かれた
雄大な富士山ペンキ絵が目に飛び込んできます。
その下に九谷焼の鯉のタイル絵があり、手前に3槽の湯船が並びます。
これらもすべて東京銭湯の典型です。
が、ここで私が最も心を奪われるのは、
庭側に大きくとられた木製サッシの窓。
この古めかしくも明るいガラス窓と、
手入れの行き届いた庭の風情がなんとも良く。
窓際のカランに陣取って湯を使っていると
どこかの温泉地にいるような楽しい錯覚にひたれます。
そして人口過密で満員電車で忙しくて騒々しくて
代わりに豊かでおおらかな「江戸」が、
おぼろげながら目の前に現れてきます。
「東京は元々こうだったのさ」とニッコリ
教えられているような気がします。
さて、東京銭湯の洗礼はここからです。
3槽に分かれた湯船の右端は、
飛び上がるような熱湯(あつゆ)風呂。
しかも底からは気泡がプツプツと噴出、
まるで釜の中に入るような
私は、片足を数秒が淹れるのが精いっぱいです。
その隣の湯船は慣れればなんとか入っていられます。
左端の小さな湯船はホッとするようなぬるめの薬湯で
私の好きな「実母散(じつぼさん)」の入った
布袋が浮いて良い香りがします。
帝国湯の湯は地下水を薪(まき)で沸かし。
昔ながらに毎日薪をくべて、この熱々の湯が沸かされ続けています。
脱衣場に戻ると、落ち着いた庭の風情が迎えてくれます。
東京以外では、このように庭に広いスペースがある
銭湯にはお目にかかれません。
庭を背にして半裸でベンチに腰を掛けたり
棚に置かれた漫画本をパラパラとめくったり
思わず唸(うな)るほどのぜいたく空間です。
この銭湯に通う湯人(ゆびと)にとっては、
浴後のひとときを過ごすことが日常なのか……。
これもまたまぎれもなく令和の東京風景です。
行くなら4月のツツジが咲くころ
【帝国湯】2022.7.7 休業/2023.4.16 営業再開
東京都荒川区東日暮里3丁目22-3
電話 03-3891-4637
営業時間 15:00~22:00 月曜定休
今のご時世、短めのブログが好まれますが
内容によっては長めになることも多々
私のブログは自分史みたいなもの
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