立春を過ぎたある日、「酒屋の酒場」で聞きなれないメニューを見た。
しもつかれ 210円
ウ~ン しもつかれ ウ~ン 聞いたことがない !
ボードを見ると、大根・人参・酒粕・しゃけの頭をつぶして混じぇたものと書かれている。
どう考えても、この食材を混ぜあわせての味が想像がつかない。
美味いのだろうか、それともとてつもないマズサか。
いやいや、そんな物を出すはずもないし えい ! 勇気を出して頼んでみよ。
まてよ、誰か頼んでないかな~ その人の食べてる顔見て判断しても遅くはない。
ヨシヨシ まわりを見わたす。 『誰も頼んでない。』
仕方がない。 ” しも しもつかれ ください ”
ボードのイラストのニガ笑いが、一抹の不安をつのらせる。
きた。さくらの花付けの綺麗な茶碗に
さも美味しいからねと言わんばかりに鎮座している。
見た目は、皆様の見た目におまかせします。

色は黄色い ところどころにオレンジ 上に発酵した豆がいる
においは、う~ん
つまんでみる。う~~~ん
生まれて初めて食べる味だ
”美味◯ ◯い ウ◯イ” 素直に言葉が浮かんでこない。
妙~に くせのある味だ。
地酒をやればうまいかも ”グビリ” う~~~~~ん !
玉子焼きを食べよ 美味しいね♫♪ しもつかれは視界のはてに
「忘れよ 忘れよう あいつと会ったことは」
と言い聞かせ ほかのツマミで ゴクゴク ゴクゴク。
ふぅゅ~ 気になりますあの味が 妙~に気になる
つまんでみる「アレレ」美味しいかな。 舌がなれたのか。
なんとも味わいがあるではありませんか。 ♫ しもつかれ様 ♫
さぞ、歴史のある栃木の名品なのでしょう
さっそく家に帰って調べてみることにしました。「しもつかれ様の全てを」
【由来】
◇栃木県を中心に、福島・茨城・埼玉・群馬等周辺各県の一部に分布する代表的な郷土料理。
◇農林水産省の「郷土料理百選」に選ばれた。「おみそれしました。」
◇「初午」の朝に、赤飯と、藁髱(わらづと)に入れた「しもつかれ」を 屋敷の稲荷様の祠に供えて、五穀豊穣・商売繁盛を祈願する。「神聖なものなのですね。」
◇語源は諸説あり「酢むつかり」を起源とする説が有力。
◇江戸の飢饉の時に、飢えを凌ぐための食物である救荒食としてよく使われるようになった。
◇土地により、「しみつかり」「しみつかれ」「すみつかれ」などと呼ぶこともある。 語源は、「しみつかる」、「味がしみこんだ料理」「冷たい料理の意」からなったと考えられる。
◇栃木県は下野国(しもつけのくに)だから「しもつかれ」という説。「フムフム。」
◇正月の塩鮭の頭は、悪霊を追い払う呪力を持ち、節分の福豆にも「破魔招福」の力がある。
◇破魔の力を持つ食材を食べて、厄よけを願う縁起物の信仰食である。「神聖だ。」
◇初午の朝に「しもつかれを7軒食べ歩くと病気(中風)にならない」 「なるべく多くの家のしもつかれを食べると無病息災だ」など、 現在でも重箱に入れて隣近所でやりとりする風習がある地域もある。「まだ1件だ。」
【材料・調理方法】
◇材料は正月の塩鮭の頭と、節分の福豆の残りと、大根、人参、酒粕。 細かく切った鮭の頭を骨が柔らかくなるまでアクを取りながら煮込み 皮を除いた炒り豆(大豆)と、鬼おろしで荒くおろした大根と人参を加え 酒粕・砂糖・醤油を入れて味を整えてさらに煮込む。「鮭の頭にくせがあるんだな~」
また、栃木県の真岡市などでは、これらの材料に少量の酢を入れることもある。
【食べ方】
◇地域によってさまざまな食べ方があり、冷えた状態で食べる事も温めて食べる事もある。 そのまま食べる事も、米飯にかけて食べる事もある。「そうか御飯にのせたら美味いんだ。」
◇更に一度煮あがった、しもつかれには再度温めなおすなどせず 勝手の土間に保管し、表面が凍ったものを温かいご飯と食べることが 最もおいしい食べ方とされている地域もある。「発酵食だ。」
【その他】
◇家庭料理である、しもつかれは主に母方家系で伝承される傾向があるため その家庭ごとに特徴的な味がある。
◇各家庭によって味や製法、材料が異なり、同じ「しもつかれ」と言う料理でも 複数の家のものを食べ比べることでまったく異なった味に出会うこともある。
◇同郷者でも他家の製法のものを難なく食べることが可能かは 人それぞれの味覚によるところが大きい。
◇なんと、栃木県では、学校給食のメニューやスーパーで売られている。
【地元の方の弁】
◆由来や材料を知らずにいきなり食べろと出されて、即座に箸をのばせる人がいれば 探求心旺盛な相当なチャレンジャーだと思う。 「私です。私」
◆見た目の厳しさに反して構成材料は至ってマトモな食材なので 食べると美味しいんですよ、本当に。「うん うまかったような。」
◆独特な味や香りとその外見から、好き嫌いが激しく分かれるだろうな。「ハイ そのとおりだと思います。」
調べれば調べるほど 奥が深く 語源も多く諸説がある「しもつかれ様」
厄よけを願う縁起物であり 作り手の違う「しもつかれ」を食べると無病息災 良いことずくめの縁起ある郷土料理です。
また立春すぎに お会いすることがあれば お会いしたいと 思い…ま…す。

◯「初版 healing photo」 こちら ポチッとクリック❣️❣️
◯「初版 ひとり ときどき ふたり散歩」 こちら ポチッとクリック❣️❣️
下記リンクは、terra「ピクスタ」アカウントです。
販売中の写真を見ることが出来ます。
