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ひとり ときどき ふたり旅 さんぽ

日本橋 弁松総本店 濃ゆうまい総菜 赤詰の柔らかさ

 

弁松さんが、老舗の街「日本橋」で末永く続くわけは!


 
【濃ゆい 濃ゆい 味つけ】

弁松の弁当の味は、江戸から続く甘辛の濃ゆい味ですね~

日本人のDNAに刻まれた懐かしい味なのです。

 

◉では、なぜ濃ゆいのか?

弁当なのでもともと日持ちさせるためと

肉体労働に耐えられるようカロリーを高くするために

砂糖が高価な時代に江戸っ子は見栄を張って沢山入れたそうです。

江戸っ子は中途半端な味ではなくはっきりとした味を好みます

関東の水質は硬水、出汁は鰹節・煮干し

生臭さを消すために濃口の醤油をたくさん入れて

味を薄めるのは簡単ですが

この味を好まれるお客様がいらっしゃる限り伝え続けるそうです。


 
【弁松のお惣菜】

自慢の惣菜は、百人一首にも詠われた逸品「たこの桜煮」

定番の「野菜の甘煮・しょうがの辛煮・玉子焼・豆きんとん・めかじきの照焼・信田巻」

江戸時代の弁当の味ってこんな感じだったのかと、楽しみながら食べられます。

弁当を食べるとしばし江戸時代にタイムスリップ

 

【甘いはウマイ―野菜の甘煮】

甘煮と書いて「うまに」と読みます。

甘い(あまい)は、甘い(うまい)。

「うまい」の語源はあまいからきています。

これがお口に合うかどうかで

弁松の弁当の好き嫌いが分かれますが、懐かしい味がするようです。

 

【丑三つ時から―玉子焼】

何はともあれ「玉子焼」、弁松ではいまだに手焼きでがんばっています。

だしをきかせたしっかりとしたお味です。

月のように黄色く仕上げ、かめば口の中に出汁がにじみ出て来ます。

 

 

【弁松の重鎮-しょうがの辛煮】

弁松の弁当に必ず入っている、しょうがと昆布を辛口に煮た佃煮です。

甘い味付けが多い中で、ピリッとアクセントになっています。

きざんで御飯に混ぜてもおいしく、お弁当をピリリと引き締めます。

 

【江戸百人一首の逸品-たこの桜煮】

『雪と見る笹折詰の弁当は月の玉子や花のさくら煮』

江戸百人一首にも詠われた弁松の逸品です。

じっくり煮込んで桜色になったタコに、上質の葛粉である吉野葛のあんがからみます。

タコなのに柔らかくてかみ切れるため、私らでも好評です。


 
【魚の照焼-めかじきは凶暴】

弁松で使用している魚は主にめかじきです。

弁松では、めかじきの中でも最低100キロ以上の脂の乗った固体の身を仕入れ

仕込みから調理まで職人が熟練の技で丁寧に扱っています。

甘辛のたれで照焼にしためかじきは、とっても柔らかく、私が楽しみに味わう総菜です。

 

【信田巻-弁松いなり寿司の正体】

弁松名物のひとつ信田巻。

見た目はいなり寿司ですが、ハスやしいたけ

海老を刻んだものが入っていてひと口頬ばると、たっぷりの煮汁がしたたります。

歌舞伎にも登場する「信田の森のキツネ」の人気にあやかり

キツネの好物の油揚げを使った料理を信田と呼ぶようになります。

キツネもうっかりだまされる、弁松のいなり寿司です。


 
【弁松スイーツ―豆きんとん】

いつも折箱の端っこに鎮座しています。

弁松=甘いというイメージに貢献しているお惣菜です。

きんとんはおせち料理でもお馴染みで、「金団」と書いて金運・財運を意味しています。

弁松は豆きんとんなので、「まめに働いて財を成す」という意味になります。

 

【堅物ですみません―赤飯】

お祝いの席に欠かせないお赤飯。

きれいなピンク色がおめでたさを演出します。

赤飯というのは、小豆やささげの入った「お強(おこわ)」のことです。

お強とは、米を蒸したもの、「こわい」という昔の「かたい」の言い方から由来しています。


こちらの赤飯は絶品です、かたいと思い口にするとなんと柔らかいことか

弁松の赤飯を食べたさに「赤詰」を求めます。


 
【折箱のこだわり】

弁松の折箱は、今では珍しい「経木(きょうぎ)」の折を使用しています。

経木とは、昔、紙の代わりに杉や檜の板にお経や記録を書き留めたことから

そのように呼ばれ、現在でも折箱の材料を経木と呼んでいます。

弁松で使っている折箱は、主に北海道のエゾ松が原料です。

折箱もたくさんの手間暇をかけて作られ、経木の折箱も弁松の弁当の一部だそうです。

 


 

創業約170年。老舗が多い「日本橋」では、まだまだ若造なお店ですと、謙虚なこと。


【現存する中では日本で最古の弁当屋】

時に文化7年(1810年)越後生まれの樋口与一という男が

日本橋の魚河岸に「樋口屋」という食事処を開いたそうです。

盛りのよさが評判で繁盛していましたが

時間のない魚河岸の人たちは、全部食べ切る時間もなく席を立たねばならず。

残った料理を「経木(きょうぎ)」や竹の皮に包んで

お持ち帰りしたところ好評で、持ち帰り用を所望するお客様が増えたのだそうです。

これが、弁松の折詰弁当の始まりなのです。

二代目竹次郎の時代には、最初から竹皮で包んだ弁当を販売するようになり

三代目松次郎のとき、食事処から現存する中では日本で最古の弁当屋になったそうです。

 

【弁松になった日】

三代目樋口松次郎の時代、店も弁当販売が主流となり

「弁当屋の松次郎」略して「弁松」と呼ばれるようになったそうです。

そして、食事処を店じまいし、折詰料理専門店「弁松」を創業したのは、嘉永3年(1850年)

徳川御三家の家来が、人力車に乗って注文に来たり

日本橋から埼玉まで大八車で弁当を届けたという記録もあったそうです。

171年間お江戸日本橋で弁当を作り続けています。

 


弁松で、ひと折りに詰められた人気№3「赤詰 1199円」

 

歌舞伎座の幕間には、おすすめです。江戸の雰囲気にひたれます。


 

 

 

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