89歳の日々

home: http://kutani-mfg.jp

「東アジアの海とシルクロードの拠点 福建展」を見る。

2009-04-23 22:22:40 | 九谷焼
 
 学習院大学で「東アジアの海とシルクロードの拠点 福建展」を見て・・・

大きい樹木が新緑に輝いている学習院を訪れました。広いキャンパスの学生たちも、素敵に輝いて見えました。

余談ながら・・・
 3月に神戸で夫の囲碁の会があり、ポートピアホテルに泊まった時、美術館の招待券(1000円)と其処までのタクシーがサービスに付いていたのですが、生憎月曜日で休館でしたので何処に行こうかと迷いましたが・・

 たまたま俳句を始めた夫は神戸大学に出来た山口誓子の記念館を思い出し行って見たところ、山口誓子は自宅と共に沢山の財産を寄贈したようで、日本家屋にお庭も綺麗でした。
 (夫は学生の時、六甲の山に上がるのが面倒で、下の碁会所ばかり行っていた様で今でも囲碁だけは好きですね!)
 神戸大学のキャンパスは高台にあり 樹木も多くここも素敵で感激してきた所です。

 さて、学習院で中国でも、南部の福建省の陶磁展を見ました。

 赤色でざっくり描かれた「呉須赤絵」や黄色、緑、紺色で塗りつぶした「交趾焼」等の良く知られている中国の陶磁器は中国の南の福建省で作られていました。「曜変」「油滴」などの茶道具もこの地方の建窯で作られた作品との事で、沢山展示されていました。

 福建省はヨーロッパの大航海時代(15世紀)以前の 10世紀の宋代から13世紀の元代頃には、盛んな海上貿易の拠点でした。異国人も多かったようで、14世紀のキリスト教(景教)墓碑、アラビア文字墓碑等が展示されていて、そこに刻まれた文字も珍しいものでした。

 他に漳州窯の窯跡から発掘された合子は、日本では香合として珍重された様々な形物が沢山発見されたと言われ、ここでは九谷焼の吉田屋で有名な「眠り鴨」と同型の発掘品も展示されていました。
 
 図録には、荒川正明氏が「華南三彩から織部、古九谷へ」と解説しています。   ”福建省の「交趾焼」は織部の緑として現れ、17世紀中葉には緑・黄色を用いた塗り埋め手といわれる古九谷様式の青手として登場する。 日本では、建省の漳州窯で焼かれた素三彩を「交趾」と呼んで珍重し、緑、黄色、紫などを組み合わせてカラフルな色彩に仕上げられている“と説明されています。

 特徴的な古九谷焼の青手や吉田屋手(緑、黄色、紺、紫色で描かれている色絵)は正にこの交趾の色合いとスタイルを用いて描かれているもので、この展示会はそのルーツを示していました。
                    

  




最新の画像もっと見る

コメントを投稿