天木さんは、1947年生まれ、京大法を中退し、外務省に入省します。
マレーシア、オーストラリア、カナダ大使館の公使、デトロイト日本国総領事を経て、2001年から3年までレバノンの全権大使となります。
そこで解雇処分を受けたことが、天木さんの人生の転機となります。
解雇理由は、小泉総理にイラク戦争に反対するよう諫言したこと。
由々しきことです。
「日本は侵略国家であったのか」という論文を書き、航空幕僚長を実質的に解任された、田母神俊雄さんとの共通点を感じます。
しかし、そうした体験をバネにして、日本でタブーとして隠されて来た情報や意見をどんどん表に出して行かれているお二人の姿勢は、それぞれの立場、主張は違いますが、素晴らしいと思います。
イスラエルは、一方的とも言える米国からの強いサポートを受けて来た経緯があります。
イスラエルとパレスチナの軍事力の差は、比較出来ない程開いてしまいました。
そして、天木さんがレバノン駐在時に見たものは、パレスチナに対するイスラエルの、まさに弾圧とも言えるものでした。
“パレスチナ問題の真実は、軍事力において圧倒的に強いイスラエル人がパレスチナ人を弾圧・虐殺し続けているのに、国際社会がその非人道性、違法性、犯罪性をだれもとがめることのできない絶対的な不条理、不正義の問題であるということだ。”
そして、絶え間なく続く弾圧に対するやむにやまれぬ自爆攻撃が「テロ」である、と考えます。
“責められるべきは、人間をそこまで絶望に追い込んだイスラエルとそれを無条件に支持する圧倒的な強者米国の不正義なのである。”
更に日米同盟においても、“在日米軍の機能や自衛隊の対米協力が、もはや日本の国防などではなく、米国の「テロとの戦い」にシフトしている”との危機感を抱きます。
その観点で、著者は、日本の自主外交を唱えます。
そのための“憲法九条新党”の立ち上げを提唱します。
そのマニュフェストは、“日米同盟から自立し平和憲法九条を掲げて平和外交を貫くことを国民に訴え、そのことを政策に反映させる”こと。
“憲法九条に基づいた平和外交、専守防衛の自衛隊、そして東アジア集団安全保障体制の構築の三本柱からなる自主防衛瀬策”
実は、私の今の考え方は、天木さんと共通します。
日本が実質的にアメリカに押し付けられ、日本の軍事力を骨抜きする目的で出来た平和憲法、しかしこれは人類の宝だと思っています。
ソ連等の共産国との戦いの為、その後に出来た日米安保条約とは、大きな齟齬が出来てしまいました。それはやはり米国の都合によるものでした。
しかし、平和憲法があるために、私たち日本には、日本を守る自衛隊があり、かつ平和を保っていける。
結果として、素晴らしいバランスが生まれていると思います。
私は、日本人による日本のための憲法改正には、大賛成です。
しかし、今は、あまりにも様々な意見があり、まだそれらが集約されていない為、今、憲法改正を行うことは、大変危険だとも思っています。
なので、憲法改正は、機が熟してからでいいと思います。
今は、今の憲法の枠内で出来ることをやっていけばいいと思うのです。
日米同盟から離れていく時には、当然中国やロシヤの動きも出てくるでしょう。
そのために、東アジア集団安全保障体制を作り、それぞれの国を牽制し、かつ米国をも牽制して行く。
中米の間に入って、それぞれの国益に目配りをし、バランスを取りながら、日本のポジションを確保していくことが出来るのではないかと思います。
軍事力がなくても、中国の圧力に屈せず、劉暁波氏にノーベル平和賞を授与したノルウェーのように毅然と行動し、世界の世論を見方につけるのです。
テロと戦う米国、私はこの国の凋落は、実はかなり早い段階に来るのではないかと思っています。
しかし、米国は、依然として世界最大の軍事国家です。
やはり、戦争を起死回生のビジネスとして活用してくると思います。
日本がそれに巻き込まれるのは、避けなくてはなりません。
日本、日本人の自立が、必要なのだと思います。
マレーシア、オーストラリア、カナダ大使館の公使、デトロイト日本国総領事を経て、2001年から3年までレバノンの全権大使となります。
そこで解雇処分を受けたことが、天木さんの人生の転機となります。
解雇理由は、小泉総理にイラク戦争に反対するよう諫言したこと。
由々しきことです。
「日本は侵略国家であったのか」という論文を書き、航空幕僚長を実質的に解任された、田母神俊雄さんとの共通点を感じます。
しかし、そうした体験をバネにして、日本でタブーとして隠されて来た情報や意見をどんどん表に出して行かれているお二人の姿勢は、それぞれの立場、主張は違いますが、素晴らしいと思います。
イスラエルは、一方的とも言える米国からの強いサポートを受けて来た経緯があります。
イスラエルとパレスチナの軍事力の差は、比較出来ない程開いてしまいました。
そして、天木さんがレバノン駐在時に見たものは、パレスチナに対するイスラエルの、まさに弾圧とも言えるものでした。
“パレスチナ問題の真実は、軍事力において圧倒的に強いイスラエル人がパレスチナ人を弾圧・虐殺し続けているのに、国際社会がその非人道性、違法性、犯罪性をだれもとがめることのできない絶対的な不条理、不正義の問題であるということだ。”
そして、絶え間なく続く弾圧に対するやむにやまれぬ自爆攻撃が「テロ」である、と考えます。
“責められるべきは、人間をそこまで絶望に追い込んだイスラエルとそれを無条件に支持する圧倒的な強者米国の不正義なのである。”
更に日米同盟においても、“在日米軍の機能や自衛隊の対米協力が、もはや日本の国防などではなく、米国の「テロとの戦い」にシフトしている”との危機感を抱きます。
その観点で、著者は、日本の自主外交を唱えます。
そのための“憲法九条新党”の立ち上げを提唱します。
そのマニュフェストは、“日米同盟から自立し平和憲法九条を掲げて平和外交を貫くことを国民に訴え、そのことを政策に反映させる”こと。
“憲法九条に基づいた平和外交、専守防衛の自衛隊、そして東アジア集団安全保障体制の構築の三本柱からなる自主防衛瀬策”
実は、私の今の考え方は、天木さんと共通します。
日本が実質的にアメリカに押し付けられ、日本の軍事力を骨抜きする目的で出来た平和憲法、しかしこれは人類の宝だと思っています。
ソ連等の共産国との戦いの為、その後に出来た日米安保条約とは、大きな齟齬が出来てしまいました。それはやはり米国の都合によるものでした。
しかし、平和憲法があるために、私たち日本には、日本を守る自衛隊があり、かつ平和を保っていける。
結果として、素晴らしいバランスが生まれていると思います。
私は、日本人による日本のための憲法改正には、大賛成です。
しかし、今は、あまりにも様々な意見があり、まだそれらが集約されていない為、今、憲法改正を行うことは、大変危険だとも思っています。
なので、憲法改正は、機が熟してからでいいと思います。
今は、今の憲法の枠内で出来ることをやっていけばいいと思うのです。
日米同盟から離れていく時には、当然中国やロシヤの動きも出てくるでしょう。
そのために、東アジア集団安全保障体制を作り、それぞれの国を牽制し、かつ米国をも牽制して行く。
中米の間に入って、それぞれの国益に目配りをし、バランスを取りながら、日本のポジションを確保していくことが出来るのではないかと思います。
軍事力がなくても、中国の圧力に屈せず、劉暁波氏にノーベル平和賞を授与したノルウェーのように毅然と行動し、世界の世論を見方につけるのです。
テロと戦う米国、私はこの国の凋落は、実はかなり早い段階に来るのではないかと思っています。
しかし、米国は、依然として世界最大の軍事国家です。
やはり、戦争を起死回生のビジネスとして活用してくると思います。
日本がそれに巻き込まれるのは、避けなくてはなりません。
日本、日本人の自立が、必要なのだと思います。
さらば日米同盟! 平和国家日本を目指す最強の自主防衛政策 | |
天木 直人 | |
講談社 |