植草さんは、1960年生まれで、東大経卒、大蔵省研究官、京大助教授、スタンフォード大学客員フォロー、野村総合研究所主席エコノミストとしてTVにも出演、華々しいキャリアで活躍していました。
しかし、ご存知の方も多いと思いますが、痴漢犯罪で、それは一転してしまいました。
植草さんは、それは国家の罠であり、冤罪だったと主張しています。
私も少し、その時の裁判関係の記事を読んだりしましたが、確かに、その裁判の過程にはおかしなところがあるように思いました。
真実は、本人のみが知るということですが、もしこれが、批判色の強い植草さんの言動を封じ込める為に、権力が嵌めたのだとしたら、大変なことだと思います。
著者は、“米、官、業、政、電の利権複合体”として、その利権構造にメスを入れます。
米国、官僚機構、産業界、政治、マスコミ。
そして、この利権構造は、明治維新以来、今までずっと続いてきたものとして、歴史をさかのぼりつつ検証して行きます。510ページに及ぶ力作です。
鳩山さんが首相から降り、そして菅さんに首相が変わった出来事、著者は、“六・二クーデター”と呼びます。
その時、幹事長だった小沢さんも降りました。
鳩山さんと小沢の会談後、親指を突き出す鳩山さんの姿をニュースでご覧になった方もいると思います。
普天間移転の件含めて、その言動が二転三転した鳩山さんが、最後の踏ん張りとして小沢さんも道連れにした姿として印象的でした。
しかし、そのことを、著者は批判します。
即ち、利権構造を守ろうとした複合体の圧力に鳩山さんは負けたのだと。
最後の最後に小沢さんを切る姿勢を示したことによって、マスコミに迎合したのだと。
そして、それは調子に乗った菅さんの、“(小沢さんには)しばらく静かにして頂いた方が、本人にも、民主党にも、日本の政治のためにも良い”発言を引っ張りだしたのだと。
最近の小沢さん国会招致の動き、その報道の様子を見ていても、やっぱり小沢さんを恐れる人は多いのだな、と思います。
何とかして封じこめたい、という力の強さを感じます。
そもそも、検察が色々調べた結果不起訴と決めたのに、検察審議会が強制起訴をしました。
そして、いつの間にか起訴内容が変わっていたり、2回の審議会のメンバーが全く同じだったのではないかという疑惑が出たり、更には三権のどこにも属さないと疑われる検察審議会の存在自体にもクエスチョンマークがついています。
これから裁判は進んでいく訳ですから、あることないことを言って、視聴者に、小沢はひどい奴だ、というイメージを植え付ける目的の国会招致を行うのはどうか、と思います。
かと言って、私は、小沢さんを応援している訳ではありません。
大軍団を率いて中国に行き、胡錦涛主席に対して、
「私は人民解放軍の野戦軍司令官です」
と言ったということ、また習近平副主席の来日にあたって天皇陛下との会見をむりやりセットしようとした一連の出来事に対しても大きな疑問を感じます。
米国からの依存を低くし、中国に接近するためには、インパクトが大切、と思ったのかも知れませんが、やり方を間違えていると思います。
もしも、中国に近づくことによって、個人的にもいいことがありそう、とでも考えていたりしたら、とんでもないことです。
外国人への地方参政権付与の件しかり、夫婦別姓の件、そして、沖縄の一国二制度の考え方しかりです。
しかし、米国、官僚、マスコミ含めて、小沢さんに敵が多いということは、逆に見ると、小沢さんが本気で動いた時に、自分たちの権益が本当に崩される可能性があると考えている、そう思っている人が多い、ということの証明なのかも知れません。
そうした荒療治を出来そうな政治家は、現時点では、他に見当らないように思います。
前回の代表選で、小沢さんは菅さんに負けました。
その日を境に、民主党内の亀裂はどんどん大きくなって来ているように思います。
政界再編はもう避けられないのかも知れません。
この本のタイトル「日本の独立」についてです。
通読して見ると、そのタイトルの趣旨は、米国を含めた既存の権力構造からの独立という意味のようです。
ですので、本来やむをえないことなのかも知れませんが、
“今、米国から独立する姿勢を鮮明にして、安全保障上含めて大丈夫なのか”とか、
“一党独裁の中国、北朝鮮に対してどのようなポジションを取るのか”、
という視点が抜けているように思いました。
「日本の独立」と言った場合、世界の中の日本という視点、特に米中との関係は必須だと思うのです。
しかし、ご存知の方も多いと思いますが、痴漢犯罪で、それは一転してしまいました。
植草さんは、それは国家の罠であり、冤罪だったと主張しています。
私も少し、その時の裁判関係の記事を読んだりしましたが、確かに、その裁判の過程にはおかしなところがあるように思いました。
真実は、本人のみが知るということですが、もしこれが、批判色の強い植草さんの言動を封じ込める為に、権力が嵌めたのだとしたら、大変なことだと思います。
著者は、“米、官、業、政、電の利権複合体”として、その利権構造にメスを入れます。
米国、官僚機構、産業界、政治、マスコミ。
そして、この利権構造は、明治維新以来、今までずっと続いてきたものとして、歴史をさかのぼりつつ検証して行きます。510ページに及ぶ力作です。
鳩山さんが首相から降り、そして菅さんに首相が変わった出来事、著者は、“六・二クーデター”と呼びます。
その時、幹事長だった小沢さんも降りました。
鳩山さんと小沢の会談後、親指を突き出す鳩山さんの姿をニュースでご覧になった方もいると思います。
普天間移転の件含めて、その言動が二転三転した鳩山さんが、最後の踏ん張りとして小沢さんも道連れにした姿として印象的でした。
しかし、そのことを、著者は批判します。
即ち、利権構造を守ろうとした複合体の圧力に鳩山さんは負けたのだと。
最後の最後に小沢さんを切る姿勢を示したことによって、マスコミに迎合したのだと。
そして、それは調子に乗った菅さんの、“(小沢さんには)しばらく静かにして頂いた方が、本人にも、民主党にも、日本の政治のためにも良い”発言を引っ張りだしたのだと。
最近の小沢さん国会招致の動き、その報道の様子を見ていても、やっぱり小沢さんを恐れる人は多いのだな、と思います。
何とかして封じこめたい、という力の強さを感じます。
そもそも、検察が色々調べた結果不起訴と決めたのに、検察審議会が強制起訴をしました。
そして、いつの間にか起訴内容が変わっていたり、2回の審議会のメンバーが全く同じだったのではないかという疑惑が出たり、更には三権のどこにも属さないと疑われる検察審議会の存在自体にもクエスチョンマークがついています。
これから裁判は進んでいく訳ですから、あることないことを言って、視聴者に、小沢はひどい奴だ、というイメージを植え付ける目的の国会招致を行うのはどうか、と思います。
かと言って、私は、小沢さんを応援している訳ではありません。
大軍団を率いて中国に行き、胡錦涛主席に対して、
「私は人民解放軍の野戦軍司令官です」
と言ったということ、また習近平副主席の来日にあたって天皇陛下との会見をむりやりセットしようとした一連の出来事に対しても大きな疑問を感じます。
米国からの依存を低くし、中国に接近するためには、インパクトが大切、と思ったのかも知れませんが、やり方を間違えていると思います。
もしも、中国に近づくことによって、個人的にもいいことがありそう、とでも考えていたりしたら、とんでもないことです。
外国人への地方参政権付与の件しかり、夫婦別姓の件、そして、沖縄の一国二制度の考え方しかりです。
しかし、米国、官僚、マスコミ含めて、小沢さんに敵が多いということは、逆に見ると、小沢さんが本気で動いた時に、自分たちの権益が本当に崩される可能性があると考えている、そう思っている人が多い、ということの証明なのかも知れません。
そうした荒療治を出来そうな政治家は、現時点では、他に見当らないように思います。
前回の代表選で、小沢さんは菅さんに負けました。
その日を境に、民主党内の亀裂はどんどん大きくなって来ているように思います。
政界再編はもう避けられないのかも知れません。
この本のタイトル「日本の独立」についてです。
通読して見ると、そのタイトルの趣旨は、米国を含めた既存の権力構造からの独立という意味のようです。
ですので、本来やむをえないことなのかも知れませんが、
“今、米国から独立する姿勢を鮮明にして、安全保障上含めて大丈夫なのか”とか、
“一党独裁の中国、北朝鮮に対してどのようなポジションを取るのか”、
という視点が抜けているように思いました。
「日本の独立」と言った場合、世界の中の日本という視点、特に米中との関係は必須だと思うのです。
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