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天道の真髄は如何に?

【政府の行うマクロ経済政策④】

2018-02-03 16:48:24 | マクロ経済の基礎の基礎

【政府の行うマクロ経済政策③】からの続き

【ケインズの理論⑧】【ケインズの理論⑨】でAD-ID図とS-ID図の仏の図の孰れかによって均衡国民所得NNPに関する分析を勉強して来た。

 既に、政府需要と租税が如何にしてAD-AS図に導入され得るかを学んだ。残されたものの一つに、S-ID図に如何にして導入されうるかを学ばなければ成らない。
 以前【政府の行うマクロ経済政策②】で次のことを学んだ。

 国民所得NNP = 消費C + 民間貯蓄NPS + 純租税NT

 家計は支払い可能な財やサービスを総て買取れる ⇨「『価格』を通してのみ物品やサービスは割り当てられると仮定 :
 消費される額(C)=消費需要CD ⇩

国民所得NNP = 消費CD + 民間貯蓄NPS + 純租税NT

 均衡は、「国民所得NNP=総需要AD」を要求し、更に「総需要AD=消費需要CD+投資需要ID+政府需要GD」⇩

国民所得NNP=消費需要CD+民間貯蓄NPS + 純租税NT

 均衡は「国民所得NNP=総需要AD」を要求し、然も「総需要AD=消費需要CD+投資需要ID+政府需要GD」⇩

 消費需要CD+投資需要ID+政府需要GD=消費CD + 民間貯蓄NPS + 純租税NT

 上式の両辺から「消費需要CD」を削除 ⇩

投資需要ID+政府需要GD=民間貯蓄NPS + 純租税NT

 👇図では、投資需要ID + 政府需要GDと民間貯蓄NPS + 純租税NTが縦軸に示され、国民所得NNPが横軸に示される。投資需要ID政府需要GDを定数として取り扱って居る ⇨其の合計も定数(⇨水平線)
 国民所得NNPが幾らであっても、投資需要ID + 政府需要GDは不変。

 斜線=民間貯蓄NPS + 純租税NT☜ 純租税NT(=一定と仮定)を国民所得NNPの各水準で存在するであろう民間純貯蓄NPSに加えることに依って与えられる。「民間純貯蓄NPS + 純租税NT」⇔「国民所得NNP」の関係☜消費需要CDから得られる。

消費需要CD=(自生的消費需要AC-mpcNT)+mpcNNP

 民間純貯蓄NPS=国民所得NNP-消費需要CD- 純租税NT

✱ 限界消費性向mpc ☜(消費需要の変化)/(所得の変化)、民間純貯蓄NPS☜【ケインズの理論⑤】☜参照

👆の二式から「消費需要CD」を削除⇩

 純租税NT+民間純貯蓄需要NPS=―自生的消費需要AC+mpcNT+(1-mpc)NNP

「限界貯蓄性向mps=1-限界消費性向mpc」、「自生的消費需要AC=-自生的貯蓄需要AS」⇨上式を書き変えると、

 純租税NT+民間純貯蓄需要NPS

=(自生的貯蓄需要AS+mpcNT)+mpsNNP

👆の関数の勾配は
 限界貯蓄性向mpsであり、其の切片は自生的貯蓄需要ASと限界消費性向mpcを国民所得NNTに乗じたものとの和である。
 均衡国民所得NNPは👆の図に於いて、「民間純貯蓄NPS+純租税NT=政府需要GD+投資需要ID」と成る様な「民間純貯蓄NPS」*で与えられる。

 国民所得NNP>此の「民間純貯蓄NPS」* ⇨総需要AD<国民所得NNP ⇨国民所得NNPは減少する。
 国民所得NNP<此の「民間純貯蓄NPS」* ⇨総需要AD>国民所得NNP ⇨国民所得NNPは増加する。
 総需要GDの増加は、「投資需要ID+政府需要GD」を押上げ、国民所得NNPの均衡水準を政府需要GDの増加の乗数倍だけ増加する☜ 其の乗数は、「民間純貯蓄NPS+純租税NT」関数の勾配=限界貯蓄性向mpsに依存する。
 純租税NTの減少は、減税額に限界消費性向pmcを乗じただけ、「民間純貯蓄NPS+純租税NT」関数を引下げ、均衡国民所得NNPを増加させる。

 均衡国民所得NNPを代数的に求めるには、「投資需要ID+政府需要GD=民間純貯蓄NPS+純租税NT」と於いて此の式を国民所得NNPについて解く、

 純租税NT+民間純貯蓄NPS      
=-自生的消費需要AC+mpcNT+mpsNNP

「投資需要ID+政府需要GD=純租税NT+民間純貯蓄NPS」と置くことで次式を得る。

投資需要ID+政府需要GD        
=-自生的消費需要AC+mpcNT+mpsNNP

👆を国民所得NNPについて解けば、

国民所得NNP=1/mps(投資需要ID+自生的消費需要AC)
+1/mspGD-mpc/mspNT

 政府需要GDの係数=限界貯蓄性向mpcの逆数1/mps ⇨政府需要GDの1$の増加が限界貯蓄性向mpsの逆数だけ均衡国民所得NNPを増加させる>
限界貯蓄性向mpsは分数である ⇨国民所得NNPは政府需要GDの増加の乗数倍だけ増加する。
 純租税NTの変化が国民所得NNPに影響を及ぼす影響を見付出すには、上式に於ける純租税NTの係数を調べなければ成らない ⇨其れは「mpc/mps」に負の符号を付けたものである。租税の引下げは均衡国民所得NNPを増加させるであろうが、其の増加は限界消費性向mpcに依存して居るのであって、減税額の乗数倍だとは限ら無い。もし限界消費性向mpcが0.5以下であれば、国民所得NNPは減税額より少なくしか増加し無い。譬えば、限界消費性向mpcが0.4であれば、限界貯蓄性向mpsは0.6であり、租税の1$の減少は、国民所得NNPを1$の2/3だけ増加させることに成る。



つづく

 

 

※ 本投稿文中の綴りや語句の使い方や理論分析の誤りは、適当に解釈して貰うか、コメント欄で指摘して頂きたい。


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