>>www.pecj.or.jp/japanese/minireport/pdf/H24_2012/2012-041.pdf
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平成25年3月25日
中国石油産業への外資参入の現状
1.概観
中国の対内投資
世界及び中国の景気低迷にもかかわらず、中国は現在、外国からの投資先として世界で も魅力的な国のひとつである。2012年の中国の対内投資額は、世界規模の深刻な金融危機のために前年比3.7パーセント低下したが、この数年間、外国からの直接投資の受け入れ国として米国に次ぐ世界第 2 位の地位を維持している。2012年の対内投資の累積額は、総額1兆3,300億ドルを超え、その内の直接投資額は
1兆2,800億ドルである。
中国の石油・ガス及び化学産業における外国からの累積直接投資額は、約 520 億ドルと推定され、これは2012 年までの中国への外国投資全体の約4 パーセントを占めている。この比率は10 年前には2.3 パーセントであり、中国の石油・化学産業に対する海外石油会社の関心がこの10年間で一段と高まったと言える。これには、今後も中国国内の自動車保有台数の急増等の社会生活の近代化とこれに伴うエネルギー及び化学製品の大幅な需要の増大が見込まれているという背景がある。
経済の変化
過去35年間の急速な経済的・社会的な発展段階を経て、中国経済は現在、根本的に大きく変化する過程にある。経済の主要な成長エンジンである輸出指向型の製造業は、労働コスト面の優位性を徐々に失いつつあり、経済成長は減速局面にある。中国全体は現在も産業化と都市化が進展する過程にあるものの、成長の潜在力は、南東部の沿岸地域から中部・西部地域へとシフトしつつあり、中国経済は内需指向を鮮明にしつつある。
(3) エネルギー需要と課題
中国では経済の減速化に伴い、エネルギー消費の伸びも鈍化しつつあるが、依然として、輸送用燃料と石油化学原料に代表される石油需要は、今後数十年にわたり拡大することが見込まれるため、需要増加に見合う資源の確保は今後も重要な国家的な課題となっている。
現在、都市部では大気汚染が深刻化しているために、自家用車の使用制限や公共の大量輸送機関の整備が進められてはいるが、経済発展に伴う急激なモータリゼーション進展は続くと予想される。一方では燃料の多様化が進むとみられ、ガソリン、ディーゼル燃料など従来からの一般的な自動車用燃料は、ガス、電気、バイオ燃料、石炭派生燃料などのクリーンな代替燃料との競争に直面する時期に来ている。 石油化学部門では、在来型石油系原料であるナフサや軽質化学原料は、低コストの天然ガス系および石炭系原料との競争を迎えようとしている。
エネルギー部門で現在直面する深刻な課題としては、エネルギーの輸入依存度の高まりとともに安定供給の確保の重要性が増していること、環境全般が悪化してきたこと、CO2排出量をめぐる国際的圧力が増加してきたこと、複雑な地政学的問題への関与が拡大していることなどが挙げられる。
(4) 外国投資の変化
中国への外国投資は、現在、新たな段階を迎えている。初期の予備調査や試験的なプロジェクト実施の段階から事業拡張と産業チェーンにおける地盤を強化するための投資の段階へと進んでいる。また、中国の経済発展と政府の対内投資政策の変化も、外国企業の投資戦略に影響を与えている。
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