真夜中のつぶやき <murmur to oneself at midnight>

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弱いからこそ強いのか『桜霞の神隠し』

2009-06-18 | 読了本review
本日は花丸です

凛紫水さん『桜霞の神隠し』
 民の暮らしを守る為、父の命をうけて鬼の住む谷に向かった
 受様。しかし出合った鬼にはド派手な着物に長髪の美丈夫。
 勢いだけで向かっていくが、敢無く刀を手放してしまい?!

下々の民が鬼とは貴族の姫君を攫ったり、
生まれたばかりの稚児を貪り喰うと信じていた時代、
貴族や裕福な商人達が鬼という隠れ蓑で
厄介な人間を始末していた時代のお話です

妾腹ながら領主の跡取息子として育った受様は
父から民を苦しめる鬼を成敗するように命じられ、
父から賜った鬼切の魔刀を手に鬼の住処へと向かいます。

そこで出合ったのは長髪をなびかせ、
派手な着物を粋着流す二十台半ばの青年。
彼が倒すべき鬼、そして今回の攻様

見た目は稚児か色小姓を彷彿とさせ
初冠もまだの十三、四の少年である受様が
二百年も生きる鬼の攻様に敵うわけが有りません。

あっけなく気を失って住処に連れて来られた受様は
攻様に隅々まで美味しく喰らわれてしまいます

お食事の時間はお初なのにピンクモード全開。
受様の舌足らずな受け答えがより甘くさせてますよ

鬼である攻様と契りを交わした受様は
攻様の優しいぬくもりを知り、
谷の生活こそが現実で有るかのように感じます。

「鬼」と「人間」の違いとは何
攻様はなぜ鬼になってしまったの

人の弱さと強さを
鬼という存在を通して描いたお話です

受様の生い立ちと彼をめぐる父達の思惑、
攻様が鬼になる原因となった過去の恋と二人の出会い、
そして受様が攻様をかばって切られる山場等、
設定も展開もわりとも王道なストーリーでしたが、
人の強さと弱さの明暗がくっきりしていて良かった

凛さんは本作がデビュー作。
花丸文庫は最近めっきりご無沙汰でしたが
読ませる新人さんが出てきて要チェックかな
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