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真夜中のつぶやき <murmur to oneself at midnight>

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互いに譲れぬモノを越えて『交渉人は愛される』

2012-03-18 | 読了本review

本日はシャイです

榎田尤利さん『交渉人は愛される』
 下町の交渉人である受様のもとに舞い込んだ依頼は何度も受様を
  危険に晒した男の父からの依頼だった!!自分の信念のため、迷い
  ながらも彼の依頼に応えようとする受様に攻様は・・・

本作は関東屈指の指定暴力団の二次団体の若頭と
元検事で元弁護士で現ネゴシエーターのシリーズ第六弾は
シリーズの最後を締めくくる完結巻となります

受様は
あらゆる折衝事を交渉する民間の交渉人です。

お話の発端は
結婚式から花婿をさらって欲しいという依頼でしたが
この依頼に関わった事が後々本筋となる依頼の解決に
大きく関わる事になります

もちろん、最初は
そんな片鱗なんかは全く無くて依頼自体も
単発で見ても結構込み入った事情を抱えたモノなので
受様のお仕事ぶりとシリーズ常連人物の紹介を兼ねた
軽い前振りって感じですね。

そんな受様に次にもたらされた依頼は
余命幾許もないヤクザの組長からの
息子を助けてほしいという依頼でした。

件の息子は受様にとってばかりか
攻様にとっても天敵な男で心情的にも困難さからも
本当は断りたかった受様ですが

交渉人としての自らの信念と
死へと向かう依頼人への思いから引受けます

依頼人の頼みを遂げるため懸命に動く受様ですが
義理と人情と誇りと矜持と上下関係と
金勘定と権力が複雑に絡み合ってシノギを削る極道と
まともに交渉する事自体が無謀というモノなのですが
それでも受様の気持ちはブレません。

果たして受様は依頼を完遂できるのか

攻様との関係を流された一過性のモノでは無く
彼に対する気持ちを認めた受様ですが
攻様の極道としての生き方もその世界観も
本来の受様の価値観では相いれないモノです。

それぞれの立場からギリギリの妥協点と
スレスレの駆引きを繰り広げます。

受様が依頼を完遂するまで
ラブラフもハラハラもドキドキも超満載で
とってもとっても面白かったです

局面に立たされた人が選ぶのは
自分なのか、他人なのか。

その選択は本当に心からのモノなのか、
偽善ないか。

自分の選択に迷いは無くても
時に立ち止まり、時に逡巡し、時に引きかえして、
挫折したらその選択をとったことすら
悔やむ時が来るかもしれません。

それでも受様なら自分の信念を曲げることなく
交渉人として生きていくのだろうなと思います。

またこんな素敵なお話に巡り合える事を
楽しみにしています
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