空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

選挙の健全性の維持

2017-10-12 18:00:10 | Weblog


 街頭演説を気楽に行えなくなった世界と言うのはヒドイのだが。
 というか、様々な可能性は、合理的な範囲で、できるだけ開かれているほうがよい。



 そして、候補者の安全とは、割と非政治的な理由で侵されるものだったりする―少なくとも我が国では:

朝日新聞 衆院選の候補者殴った疑い、無職の男逮捕 駅前で演説中 2017年10月12日00時20分

衆院選・千葉8区の候補者の選挙活動を妨害したとして、千葉県警は11日、自称、同県柏市在住の無職天野佳夫容疑者(66)を公職選挙法違反(選挙の自由妨害)容疑で現行犯逮捕

陣営関係者などによると殴られたのは自民党千葉県連会長の桜田義孝候補。現場にいた秘書が取り押さえて110番通報し、駆けつけた警察官に引き渡した。桜田氏はその後も約1時間、演説を続けた

容疑者は酒に酔っていたという

 酒酔いですってよ。

 また、Wikipedia日本語版長崎市長射殺事件。場所が場所、以前の例が例だが、基本、カネの恨みということになっている。

 …やはり、選挙のときの候補者に「しかける」のは、品の良いことではないのだ、まっとうな市民はそれをしないものなのだ…という心理的な規制があるほうが健全な社会ではないかなあと思う。

 もちろん、反安倍のひとたちは、それでもなお過激な行動をせざるを得ないほどの悪がそこにいるのだ、と主張するものなのだろう。それに対しては「野次とばし隊から逃げ回るのが独裁者の独裁っぷりかよ」という突込みが予想される。もちろん、これにも、「それは民主主義を支持しているように見せかける安倍の擬態なのだ」という反応が予想されよう(原口氏への励ましの言葉と、それにたいする反応など想起)。

 ともあれ、いずれにせよ、我々個々の人民には一定の解釈の自由が許されており、それを一定のルールに従って表明する自由も認められている。その機会が近々めぐってくるので、そこで表明されるものがあろう。その結果によっては日本を脱出したり、脱出を勧めたりするひとも出ることかと思われるが、そういって現実に脱出するものもさほどいないようでもある。

 さて有名人がなにやら言っているようなのだが:





 …「政治的自由を享受していいのはあなたじゃないよ!」という叫びを聞かされた人民の気持ちである:







 だよなあ。
 私は待鳥聡史『代議制民主主義』の

「…ある政権や政策に対する否定的評価が、代議制民主主義の全否定につながりかねないリスク…」(p.56)
「…有権者の意思をより忠実に反映した政策決定を目指す変革か、民意をむしろ遮断しつつエリート間の競争により新しい政策課題に機動的かつ柔軟な対応を可能にすることを目指した変革…」(p.118)

 の言葉を想起する。私としては、現政権をよし嫌っていても、それは民主主義への信頼を根本的に放棄するべきものではないということと、個人的には一応仮にも知的エリート層に属するにしても、政治的資格としては一市民に過ぎない私としては、民主主義的要素を重視したいということ、注意したい。

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