個人事業税の概要

2020-03-10 15:22:56 | 税務・会計 消費税・その他税目等

 個人事業税の概要

 1 概要
 個人の方が営む事業のうち、地方税法等で定められた事業(法定業種)に対してかかる税金です。現在、法定業種は70の業種があり、ほとんどの事業が該当します。

 2 納める方
 都内に事務所や事業所を設けて、法定業種の事業を行っている個人の方

 3 申告の期限・方法
 個人で事業を営んでいる方は、毎年3月15日までに前年中の事業の所得などを、都税事務所(都税支所)・支庁に申告することになっています。ただし、所得税の確定申告や住民税の申告をした方は個人の事業税の申告をする必要はありません。この場合には、それぞれの申告書の「事業税に関する事項」欄に必要事項を記入してください。
 なお、上記に関わらず年の中途で事業を廃止した場合は、所得税の確定申告や住民税の申告とは別に、廃止の日から1か月以内(死亡による廃止の場合は4か月以内)に個人の事業税の申告をしなければなりません。

 4 法定業種と税率
 第1種事業 (37業種) 5%  物品販売業、 運送取扱業、 料理店業、 倉庫業 、駐車場業等
 第2種事業 (3業種) 4%  畜産業 、水産業、 薪炭製造業
 第3種事業 (30業種) 5%  医業 、公証人業、 歯科医業、 弁理士業、 不動産鑑定業、 税理士業、 公認会計士業、弁護士業、司法書士業 、社会保険労務士業等

 5 税額の算出
(事業所得又は(及び)不動産所得(1) + 所得税の事業専従者給与(控除)額 - 個人の事業税の事業専従者給与(控除)額(2) + 青色申告特別控除額 (3) - 各種控除額 (4) )
 × 税率 = 税額
(1)事業所得又は(及び)不動産所得
 前年の1月1日から12月31日までの1年間の事業から生じた事業所得又は(及び)不動産所得で、事業の総収入金額から必要経費、青色申告特別控除額等を控除して計算します。所得税の確定申告書第1表及び青色申告決算書、収支内訳書の所得金額欄の金額が当該所得です(ただし、雑所得が課税の対象となる場合もあります。)。
(2)個人の事業税の事業専従者給与(控除)額
 事業主と生計を一にする親族の方が専らその事業に従事するときは、一定額を必要経費として控除できます。
 •青色申告の場合・・・・・その給与支払額(所得税の事業専従者給与額)
 •白色申告の場合・・・・・配偶者の場合は86万円、その他の方の場合は1人50万円が限度
(3)青色申告特別控除額
 個人の事業税には青色申告特別控除の適用はありませんので、所得金額に加算します。
(4)各種控除額
 ① 繰越控除
 次の控除を受けるには、原則として、所得税、住民税、事業税のいずれかの申告を一定の期限内に毎年行っていることが必要です。
(ア)損失の繰越控除  青色申告者で、事業の所得が赤字(損失)となったときは、翌年以降3年間、繰越控除ができます。
(イ)被災事業用資産の損失の繰越控除  白色申告者で、震災、風水害、火災などによって生じた事業用資産の損失の金額があるときは、翌年以降3年間、繰越控除ができます。
(ウ)譲渡損失の控除と繰越控除   直接事業の用に供する資産(機械、装置、車両等。ただし、土地、家屋等を除く。)を譲渡したために生じた損失額については、事業の所得の計算上、控除することができます。青色申告をした方は、翌年以降3年間、繰越控除ができます。
 ② 事業主控除
 控除額は、年間290万円(営業期間が1年未満の場合は月割額)です。

 6 納める時期と方法
 原則として8月、11月の年2回(第1期納期限 8月31日、第2期納期限 11月30日(※休日の場合はその翌日))。8月に都税事務所・支庁から送付する納税通知書により各納期に納めます。このほか、所得税の修正申告をした場合、更正・決定が行われた場合、事業を廃止した場合等の特別な場合には、上記とは別に納税通知書に記載する納期限までに納めます。


固定資産税・都市計画税の概要

2020-03-07 17:14:14 | 税務・会計 消費税・その他税目等

 固定資産税・都市計画税の概要

 1 固定資産税の概要
 固定資産税は、固定資産を所有している方にかかる市町村税で、多摩、島しょ地域にある固定資産については市町村が課税しますが、23区内にある固定資産については、都が都税として課税しています。 また、固定資産税は、一般的な財源に充てられる普通税です。
 固定資産とは、土地、家屋、償却資産を総称したもので、次のものをいいます。
 〔土地〕田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、その他の土地(雑種地)
 〔家屋〕住家、店舗・工場(発電所・変電所含む)、倉庫、その他の建物
 〔償却資産〕構築物、機械・装置、工具・器具及び備品、船舶、航空機などの事業用資産で、法人税法又は所得税法上、減価償却の対象となるべき資産。ただし、自動車税種別割、軽自動車税種別割の課税対象となるものは除く。

 納める方(納税義務者)
 1月1日現在、土地、家屋及び償却資産の所有者として、固定資産課税台帳に登録されている方
 納める額
 • 土地 課税標準額 × 税率1.4%
 • 家屋 課税台帳に登録されている価格 × 税率1.4%
 • 償却資産 課税標準額 × 税率1.4%
 納める時期と方法
 6月(第1期)、9月(第2期)、12月(第3期)、2月(第4期)の年4回で、第1期の納付月にお送りする納税通知書によって、各納期限までに納めます。
 なお、土地、家屋については、納税通知書と同時に課税明細書をお送りしています。

 2 価格(評価額)とは
 固定資産の価格とは、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて評価された額を知事又は市町村長が決定し、固定資産課税台帳に登録したものをいいます。

 3 土地・家屋の価格の決定について
 3年に1度、全件評価替えを行い、価格を決定します。この評価替えの年度を基準年度といい、直近では平成30年度がこの基準年度にあたります。
 第2年度(平成31年度(令和元年度))、第3年度(令和2年度)は、原則として基準年度(平成30年度)の価格を据え置きます。ただし、新築、増改築等のあった家屋および分合筆等のあった土地など基準年度の価格によることが適当でない場合は、新たに評価を行い、新しい価格を決定します。

 4 資産譲渡後(年の途中の売買等)の納税義務者について
 固定資産税は、地方税法の規定により賦課期日(毎年1月1日)現在の登記簿等に所有者として登記されている人に対して課税されます。
 仮に、1月2日以降に所有権の移転が行われても、納税義務者は変更されません。
 なお、売買契約などで所有権移転する際に固定資産税を日割り等で精算を行う商慣習がありますが、地方税法上で規定されているものではありません。負担割合等を含む精算については、あくまで当事者間の合意により行われるものです。

 5 都市計画税の概要
 都市整備などの費用に充てるための目的税で、原則として都市計画法による市街化区域内に所在する土地・家屋の所有者として、毎年1月1日(賦課期日)現在、固定資産課税台帳に登録されている方に課税されます。
 固定資産税と同様に市町村税ですが、23区内では特例で都税として都が課税しています。
 納める方 1月1日現在、土地、家屋の所有者として、固定資産課税台帳に登録されている方
 納める額
 • 土地 課税標準額 × 税率* 0.3%
 〔小規模住宅用地の場合〕(23区内)
  課税標準額 × 税率* 0.3% -  都税条例による軽減額
(注) 都税条例による軽減額とは
 小規模住宅用地の部分に相当する課税標準額×0.3%×1/2
 • 家屋 固定資産課税台帳に登録されている価格 × 税率* 0.3%
 *税率は23区内のものです
 納める時期と方法
 6月(第1期)、9月(第2期)、12月(第3期)、2月(第4期)の年4回で、第1期の納付月にお送りする納税通知書によって、各納期限までに納めます。
 都市計画税は土地、家屋の固定資産税とあわせて課税されます。納税通知書には、都市計画税と固定資産税の税額が記載されています。



不動産取得税の概要

2020-03-06 17:41:52 | 税務・会計 消費税・その他税目等
 不動産取得税の概要

 1 不動産取得税とは
 土地や家屋の購入、贈与、家屋の建築などで不動産を取得したときに、取得した方に対して課税される税金です。有償・無償の別、登記の有無にかかわらず課税となります。ただし、相続により取得した場合等、一定の場合には課税されません。
 ※贈与税において、夫婦間の居住用不動産の贈与の特例の適用を受けた場合や、相続時精算課税制度の適用を受けた場合でも、不動産取得税の課税の対象となります。(贈与を取り消した場合でも同様です。)。
 また、等価交換による不動産の取得も不動産取得税の課税の対象となります。

 2 不動産取得税の計算方法
 取得した不動産の価格(課税標準額)*1 × 税率*2
 *1 令和3年3月31日までに宅地等(宅地及び宅地評価された土地)を取得した場合、当該土地の課税標準額は価格の1/2となります。
 *2 税率は以下のとおりです。
 取得日 平成20年 4月 1日から 令和3年 3月31日まで
 土地・家屋(住宅) 3/100  家屋(非住宅) 4/100

 3 不動産取得税を算定する際の「取得した不動産の価格」について
 不動産の価格とは、総務大臣が定めた固定資産評価基準により評価、決定された価格で、新・増築家屋等を除き、原則として固定資産課税台帳に登録されている価格をいいます。したがって、不動産の購入価格や建築工事費ではありません。
 また、土地や家屋の贈与を受けたり、交換により取得したりした場合も、固定資産課税台帳に登録されている価格となります。
 ※新築・増築された家屋については、固定資産税では新築・増築された翌年の1月1日を基準日として課税されますので、初年度において減価が行われます。一方、不動産取得税は取得した時の価格によって課税されますので、年数の経過に応じた減価がありません。そのため多くの場合、不動産取得税の課税の基礎となる不動産の価格は、固定資産税の課税の基礎となる価格と比べて高くなります。
 
 4 不動産取得税の免税点について
 課税標準となるべき額が次の金額未満の場合、不動産取得税は課税されません。
 土地 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10万円
 家屋 { 新築、増築、改築・・・・・・・・・・ 23万円
 その他(売買など)・・・・・・・・・ 12万円
 ただし、次の場合は、それぞれその前後の土地又は家屋の取得をあわせて一つの土地の取得又は一戸の家屋の取得とみなして、判断します。
 •土地を取得した方がその土地を取得した日から1年以内にその土地に隣接する土地を取得した場合
 •家屋を取得した方がその家屋を取得した日から1年以内にその家屋と一構となるべき家屋を取得した場合

 5 不動産を取得したときの申告について
 取得した日から30日以内に、土地、家屋の所在地を所管する都税事務所(都税支所)・支庁に申告してください。未登記物件を取得した場合も申告が必要です。





相続人の中に養子がいるとき 養子の数 相続税

2020-03-05 19:05:10 | 相続・贈与(税)
 
 相続人の中に養子がいるとき

 1 相続税の計算をする場合、次の4項目については、法定相続人の数を基に行います。
 (1) 相続税の基礎控除額
 (2) 生命保険金の非課税限度額
 (3) 死亡退職金の非課税限度額
 (4) 相続税の総額の計算

 2 これらの計算をするときの法定相続人の数に含める被相続人の養子の数は、一定数に制限されています。
 この法定相続人の数に含める養子の数の制限について説明します。
 (1) 被相続人に実の子供がいる場合
  一人までです。
 (2) 被相続人に実の子供がいない場合
  二人までです。

  ただし、養子の数を法定相続人の数に含めることで相続税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合、その原因となる養子の数は、上記(1)又は(2)の養子の数に含めることはできません。

 3 なお、次のいずれかに当てはまる人は、実の子供として取り扱われますので、すべて法定相続人の数に含まれます。
 (1) 被相続人との特別養子縁組により被相続人の養子となっている人
 (2) 被相続人の配偶者の実の子供で被相続人の養子となっている人
 (3) 被相続人と配偶者の結婚前に特別養子縁組によりその配偶者の養子となっていた人で、被相続人と配偶者の結婚後に被相続人の養子となった人
 (4) 被相続人の実の子供、養子又は直系卑属が既に死亡しているか、相続権を失ったため、その子供などに代わって相続人となった直系卑属。なお、直系卑属とは子供や孫のことです。

  平成31年4月1日現在法令等


労働保険事務組合制度 労働保険

2020-03-04 17:30:20 | 労働・社会保険
 労働保険事務組合制度

 I 労働保険事務組合とは
  事業主の委託を受けて、事業主が行うべき労働保険の事務を処理することについて、厚生労働大臣の認可を受けた中小事業主等の団体です。

 II 労働保険事務組合への委託手続は
  労働保険事務組合に労働保険の事務処理を委託するには、まず「労働保険事務委託書」を労働保険の事務処理を委託しようとする労働保険事務組合に提出します。
  委託する際には、団体への入会金・委託手数料等が必要になる場合がありますので、必ずご確認ください。

 III 委託できる事業主は
  常時使用する労働者が
  金融・保険・不動産・小売業にあっては50人以下
  卸売の事業・サービス業にあっては100人以下
  その他の事業にあっては300人以下       の事業主

 IV 委託できる事務の範囲
  労働保険事務組合が処理できる労働保険事務の範囲はおおむね次のとおりです。
  (1) 概算保険料、確定保険料などの申告及び納付に関する事務
  (2) 保険関係成立届、任意加入の申請、雇用保険の事業所設置届の提出等に関する事務
  (3) 労災保険の特別加入の申請等に関する事務
  (4) 雇用保険の被保険者に関する届出等の事務
  (5) その他労働保険についての申請、届出、報告に関する事務
  なお、印紙保険料に関する事務並びに労災保険及び雇用保険の保険給付に関する請求等の事務は、労働保険事務組合が行うことのできる事務から除かれています。

 V 事務処理委託のメリット
  1.労働保険料の申告・納付等の労働保険事務を事業主に代わって処理しますので、事務の手間が省けます。
  2.労働保険料の額にかかわらず、労働保険料を3回に分割納付できます。
  3.労災保険に加入することができない事業主や家族従事者なども、労災保険に特別加入することができます。