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寮管理人の呟き

滋賀県草津市矢倉2丁目の瓢泉堂(後編)

店の中には誰も居なかったので入口近くのインターホンを押す。すぐに女性の声が聞こえた。

「どういったご用件でしょうか」

「お店の前に建っている古い道標について少しお話を伺いたいと思いまして…南草津駅から歩いて来た旅の者です」

店の人が出て来るまで大きな立派なひょうたんを観賞させてもらった。昔は水筒代わりなどにしたらしいが、我が家にあるミニサイズは七味唐辛子入れになっている。

女将さんと挨拶を交わし矢橋(やばせ)道が現在では東海道本線で途切れてしまっているため若干遠回りする必要があると教えてもらった。私は丁重にお礼を言って観光マップを貰った。

東海道と矢橋道の分岐点に建つ矢倉道標

矢倉道標は東海道と矢橋道の分岐点(追分)に設置されている。うばがもちや(今は草津市大路2丁目で営業を続ける)の軒下に道標が建て替えられたのは寛政10年(1798)で、東洲斎写楽が浮世絵の世界から姿を消した数年後にあたる。

矢倉道標(草津指定文化財)
「右や者せ道 古連より廿五丁 大津へ船わ多し」

広重の浮世絵で早駕籠が走る方向(東海道を南下)から右に曲がって(西へ)二十五丁行くと大津への船の渡し場があるという意味になろう。一丁を単純に100メートルとすれば湊までは2.5キロちょっとの距離である。ここから長い歩き旅が始まった。

矢倉道標の前から南方(旧東海道)を望む

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