
媼と柚子と
柚子あまた実る年なりほれこれと持ち来る媼(をうな)八十五歳 丹人 予が執務室に時折来駕賜...

戒語・東城寺鐘楼
今月四日 東城寺に参詣す 東城寺は筑波山の南にありて 筑波四面薬師の一なり 草深き道を登...

夢のうち<紅葉>
この秋はもみぢの色の殊の外うつくしくありて 友部は北山の湖岸の朝に 黒羽は東山雲巌寺の時...

蘭<パフィオ・サンデリアナム>
木枯らしの磐城の丘のハワイアンズのドームに眺むパイン・アラモード 丹人 アラモードの生...

平潟・漁港
平潟の港に網を繕へる老ひし漁夫の手温む冬の陽 丹人 大津漁港直営なる市場食堂にて あん...

鮟鱇・どぶ汁
ときわ路の北の果てなる平潟に上がる鮟鱇のどぶ汁の味 丹人 味噌仕立て大根ワカメに鮟鱇...

木枯らし・笑む紅葉
木枯らしに散りて躑躅(つつじ)の葉に休む紅葉(もみぢ)離れし枝を見上げる 丹人 木枯らし...

錦に玄白・雲巌寺
山門の威容に心正しつつ見上ぐ廂(ひさし)を黄葉(きば)の彩る 丹人 流れ行くあをき清水に...

十段・三百の菊
千手かければ千に咲き万手かければ万に咲くとふ菊の花 丹人 一本の茎より分かつ枝幾つ花...

もみぢ<北山公園>
もみぢ葉の光に影のたはむれぬ 奮太 朝の陽に笑みはじけたる紅葉かな 奮太 北山の...