ケイシロウとトークアバウト

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こうして去って行ったアイツ

2022-07-12 22:10:00 | 日記




今から15年ほど前のこと。

あのドラム缶メタボのキウチ先輩の親しい後輩にあたる、
堀井たすという男が、
新車を買ったので、
キウチ先輩を最初に乗せたいと言ってきた。
キウチ先輩は喜んで承諾した。

堀井たすは、
どういう訳か、
山へと続く道路を、
新車を走らせながら、
キウチ先輩にはいつもお世話になったとごまをすった。
堀井たすは、
高校時代のキウチ先輩が、
むちゃケンカが強く、
1日で100人の男子生徒を張り倒したこと😳を知っていた。
(キウチ先輩の100人叩きというT高校の伝説になっている)

車が山の頂上に着いた。

堀井たすはうやうやしくキウチ先輩側のドアを開けたので、
キウチ先輩が外に出ると、
15人くらいの男たちが、
チェーンやホッケースティック持って待っていた。

キウチ先輩は、
無言で彼らを眺めまわして、
車の方に向き直り、
中に乗り込もうとした。
すると、
武器を持つ集団のリーダーが、
「キウチ先輩。むかし話をしましょうや❗️」と凄んで来た。
キウチ先輩は頷いて、
「むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは------」と話してた途中に、
リーダーがガチギレして、
「誰が日本むかし話せえちゅうたか😡⁉️高校時代のおはなしよ😡😡」とより凄んで来た!
キウチ先輩は取り乱すことなく、
「あなた方は高校時代は鼓(つづみ)を打ちながら私に歌いかけてきたのに、ここでは強盗にむかうように武器をとるのか⁉️」と、
言い返した。
リーダーは呆れてグループに振り返り、
「お前らだれか、キウチ先輩に鼓(つづみ)を打って歌ったか?」と問うた。

キウチ先輩は再び車に乗り込もうとすると、
堀井たすがドアをリモコンロックして、
「逃げれませんよ。キウチ先輩」と言って薄ら笑いを浮かべた。
キウチ先輩は悲しそうに、
「堀井たす。お前もか------😔⁉️」と言った。

武器を持ったグループが、
構えると、
キウチ先輩は、
両手を上に上げて組み合わせた。
そして、
道路とは反対の真っ直ぐな急斜面の山道に寝そべり、
そのまま猛スピードで転げて降りて行った。
後に残ったグループは「アッ😮❗️」と声を上げたが、
キウチ先輩の姿は遠のいて、
見えなくなった。