イクオという二十代フリーターがいた。
Facebookの見知らぬお友達とグループチャットしてたら、
ソシャゲ(ソーシャルゲーム)に誘われた。
ソシャゲは、
FacebookなどのSNSのお友達を通して行う、
チームゲームプレイのことで、
無料で、
みんなと仲良くやれることで、
流行っていた。
ある日、
ソシャゲのアプリ運営会社から、
ガチャ1回分の無料サービスを行った。
ガチャとは、
課金を通した、
くじみたいなもんで、
敵を倒すアイテムだの、
やられた時の復活アイテムだの、
イケたキャラGETを目的としたもので、
当然タダなら、
するモンはしてしまう。
イクオがガチャしたら、
最強アイテムの一つが一発で出た👍
チーム全員が大喜び😊😊😊‼️
そして、
このアイテムのおかげで、
イクオのチームは強くなった、
が、
その分、
敵も強くなったので、
チームのみんなはお困り😩チャットに明け暮れた。
イクオは夢よもう一度と、
300円でガチャしたら、
倒されても復活する、
シャンペンを再び一発GETした。
この復活シャンペンで、
チームはもとより、
ゲームキャラにまで、
シャンコ(シャンペンコール。みんなでほめまくりおだてること)されたので、
イクオは、
ガチャにハマった。
が、
その後、
なかなか狙いをGET出来ず、
自分の金は底をついた。
けど、
あのシャンコの喜びが心を支配してたので、
母親のクレジットカードをガメて、
ガチャし続けた。
もうやめようとしたら、
時間限定スペシャルキャラが放たれたので、
また、
ガチャした。
今度こそやめようとしたら、
時間限定スペシャルアイテムのサービスが始まったので、
またまたガチャした。
ひととおり、
気に入ったモンを手に入れ、
続きは明日やと床につこうとしたら、
季節外れのコオロギが鳴き出した。
この鳴き声に眠れなくなったイクオが、
再びガチャしようとして、
ふと、
いくら使ったか調べたら、
300万やった。
イクオにガク(愕)😱が入った‼️
最初は300円のはずなのに😨
当然、
ガチャする気力は失せた。
翌日のグループチャットで、
「ガチャの特別キャンペーンし出した会社は危ないらしいよ」という書き込みに、
慄然としたイクオは、
ゲームアカウントを売り払うことにしたが、
あんじょう、
ゲーム会社は潰れた🙀
300万のアイテムもキャラも消えた🙀🙀
残るは借金のみ😩
イクオは考えた。
あのコオロギの鳴き声がなければ、
300万ではすまんかったやろう😞
虫の知らせや😔(そのものズバリの虫の知らせに驚き😵‼️レフティ、虫の知らせのシンの意味ウキペで調べろよ)
イクオは床屋に行き、
剃髪(ツルツルに頭を剃ること)して、
両親に、
比叡山に登る旨を告げ、
挨拶かねがね出家の決意を語り、
滋賀県大津市へと旅立った。
イクオが出発したすぐ後に、
ローン会社から、
300万の返済要求書が送られた。
父親は、
延暦寺に電話して、
息子をよろしくお願いしますと頼んだうえに、
「息子は逃走癖がございます。その際は容赦なく捕らえて、生き仏として、土中に埋められて結構でござります」と言った。