あのアホメタボおやじのヤマオは、
毎日トンカツ喰っていた。
モチ、
手作りして。
やけど、
揚げた油処理に心を悩ませ、
その挙げ句、
近所の空き地に埋めることにした。
半年後。
いつものように、
ヤマオが、
トンカツ油の煮えたぎるフライパン持って空き地に来ると、
和服姿のジジイと、
屈強な二人の男が、
待ち構えていた。
男の一人が言った。
「現行犯ですな」と。
ヤマオはせせら笑い、
「これは異なことを申される。わたしが土に油を埋めたからといって、世の様は変わりますまい」。
男はジジイを指して答えた。
「ここの土地は、カミヤマ様のもんや」
ヤマオは言った。
「ほぉ!これはひょうきんなことを申される。ここの土地のどこにカミヤマと書かれてあるのか?」と言って、
土を掘ろうとした。
カミヤマは言った。
「ちょっと。そこのデブいの。土地に名があるかないかなど、法律的には空論に等しきこと」
ヤマオは声を荒げて、
「デブいのとは御老人、片腹痛きことを申される!法がどうのとヌカされる前から、この地は、存在しておったのですよ」
男たちは呆れて、
「あんたのしてる事は犯罪なんやで」と言った。
ヤマオは三人を見回して、
「法だの犯罪だの、それは概念に他ならん。土があり、そこに油を埋めたという事実はトッピなことなのか⁉️」
男たちは「勝手に人の土地にトンカツの油を捨てるな!」とガナった。
ヤマオは答えた。
「なんとキテレツなことを申される。福島原発は、核廃棄物を地に埋めて天下太平と処せられ、わたしが地にトンカツ油を埋めれば論難なさる。あなた方は、福島原発を是としわたしを否となさるのか⁉️」
カミヤマは言った。
「そちはなぜ、土に油を埋めるのか?」
ヤマオは答えた。
「油供養にござります。地から出ずるものは地に帰る。この森羅万象の法則を侮られるのか⁉️」
カミヤマはキレた!
「やかましい!このデブが。さっきから大人しく話しを聞けばつけ上がりやがって。平手打ちするぞ❗️」と叫んだ!
ヤマオもキレて、
「なんやオンドレは⁉️ワシを舐めたら、油ともども埋めるぞ!」とガナリ返した。
結局、
警察が来た。
ヤマオは連行される際、
こう言った。
「トンカツを食する善良な市民を務所に送るあなた方は何者か?この地は呪われて、作物の実りを見ることはないであろう」
カミヤマは答えた。
「作物など実らんでエエ。ここは、マンション建つさかい」