映画と渓流釣り

犯人は、あなたですね。

 いったい、今年の冬はどうしたのでしょう?このところ毎年暖冬傾向が続いておりましたので、二月も中旬になっていつもなら梅の花が匂う頃なのに、日の陰では名残りに薄汚れた雪まで散見されます。みなさま、春の足音が聞こえましたならお教えくださいませ。
 今週も行って参りました。『チーム・バチスタの栄光』です。ほとんど先入観なく映画と対面しましたので、大いに楽しめました。多分、原作を先に読んでしまっていたなら、楽しめた度合いが違ってしまったでしょう。犯人当てのミステリーですから、それを知ってしまっては面白みが半減してしまうでしょうし、それ以上に物語に登場するキャラクターの色が透明度を失ってしまう恐れがあります。まだどちらもご覧になられてないなら、映画を先に観ることをお勧めいたします。
 わたくしのお気に入りである結子さんの、おどおどしてボケ味利いた女医さん役は、彼女の芸域を広げてゆくには欠かせない部分になってゆくことでしょう。阿部寛の存在感は、その不気味なでかい図体と相まって、この作品の重要なスパイスとなっておりました。脇を固める俳優陣も、卒のない演技ぶりで健闘していました。
 演出も手堅く、適度に笑わせ和ませながら、ミステリーとしての緊張感も持続させることが出来ました。しかし、それ以上を望めばキリがありません。チーム・バチスタの面々を、もう少し濃い味付けが出来なかったものだろうか?謎解きの解説に映画的な工夫と分かりやすさを求めるのは酷なことでしょうか?脚本をもっともっと弄れれば可能であったかもしれません。娯楽作品だからここまでで良いのかも知れないけれど、医療事故とか過失医療とかの臭いが漂うラストなんかになったら、それこそ違った世界に飛躍しそうなのにと思いました。まあ、この作品もTBS製作なので、映画だから出来る物語というような大人の鑑賞物にはできないのでしょうな。昨今の日本映画が抱えている病巣です。
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