投稿者 純一 日時 2010 年 4 月 29 日 11:48:02:
2010年04月29日
最近、七奉行を中心に小沢幹事長の責任を問う声が赤裸々ではなく、奥歯にモノがはさまったような言いっぷりが変わってきている。
検察審査会の小沢一郎「起訴相当」議決を受け、小沢幹事長の進退問題への言及は慎重になってきている。
常識的には良い事なのだが、何処か妙である。各マスメディアが民主党内のミゾだとか亀裂だとか、小沢幹事長の責任問題を浮き彫りにしたいのに、発言者が限定されミゾとか亀裂と言えるほど盛り上がりがない。
仕方なしに生方某の話を垂れ流し、亀裂だ~、では亀裂やミゾどころか、逆に結束が出来たような印象さえ残している。(笑)
田原総一朗らしいが、五月連休明けには仙谷・前原と中堅議員による小沢一郎外しの動きが加速するかも?と云う「政局遊び」のような発言があったようだが、筆者は前原らがロールプレイングゲームに夢中になっているだけだと思っている。
自ら党を出るような力量がない事くらい、実は知っているのだと思う。ただ、レゾンデートルとして辛口発言をし続けていないと忘れ去られる、抹殺される恐怖心がさせている問題だと思う。
兎角、マスメディア関係者と云うもの「政局遊び」が大好物である。国会議員の1/3の要求で招集できる両院議員総会の開催を要求し、小沢幹事長の「政治とカネ」の不透明さや検察審査会議決「起訴相当」の小沢幹事長に幹事長の継続は不適当、幹事長の辞任を要求するといった流れを想定しているのだろう。場合によれば、激しい「幹事長ヤメロ」に小沢幹事長が激昂「なら辞めようか」とプッツンすることを期待しているのかもしれない。(笑)
両院議員総会は出席議員の過半数で決する。これでは小沢幹事長続投が党内であらためて承認されるだけで、逆効果になるだけである。1/3は集められるかもしれないが、前原・仙谷・枝野・野田グループで過半数を取るのは絶対に無理なのである。仮に菅が加わっても未だ無理だろう。たしかに鳩山がそれに加われば過半数には達する。(笑)しかし、鳩山が小沢幹事長切りに同調しても、政治的には自らも辞任する流れになるわけで、同調する事はあり得ないだろう。
万が一、鳩山も同調した場合は小沢新党の結成と「小沢新党・自民党・公明党」と云う流れを作り、一瞬にして民主党政権は崩壊、「小沢新党・自民党・公明党」に政権を取られる事になる。
小沢一郎にとって「小沢新党・自民党・公明党」は本意ではないが、おそらく検察との絡みから政権与党であることを捨てる状況にはない以上、それを選択せざるを得なくなるだろう。そして、気がついてみたら、昔の万年野党の民主党が取り残されることになる。
経団連も農業団体も医師会も連合も集合させた20世紀回帰与党が成立することになる。これでは読売ナベツネの思う壺の政局になるのだが、鳩山・菅が小沢を裏切った時には、「小沢新党・自民党・公明党」の実現もあり得るのである。 極めて大雑把な検証だが、仙谷や前原の小沢追い落としシュミレーションよりも小沢新党のシュミレーションの方がリアリティが断然あることに気づく。
「小沢新党・自民党・公明党」と現在の民主党鳩山政権のどちらが好みかは人それぞれだろうが、筆者は似たりよったりだな~と云う感想を持った。(笑)
田原によると、鳩山・小沢ラインで参議院選に突入すると、民主党は惨敗なのだそうである。面白いのは大惨敗と書かなかった点だ。なぜ書けなかったか?もしかすると勝つかもしれないとの不安があるからに他ならない。(笑)また、彼は民主党は惨敗と書きながら、ではどの政党が勝利するのか書けないでいる。やはりテレビ屋なのだと思う。
筆者は民主党は惨敗はしないと思う。現状維持は最悪でも確保するだろう。ただ社民党、国民新党が新党ブームで煽りを食う可能性はあると思う。この場合の選択がみんなの党なのか公明党なのかと云う事ではないかと推測する。自民党ではないだろう。筆者としてはどちらも好ましくないのだが、緊急避難してでも政権維持は優先されるべきである。
仙谷前原グループが怖れているのは、実は当選してくる参議院議員の顔ぶれが替って国会に戻ってきてしまう事なのだと思っている。つまり、小沢派閥が強くなり、前原、枝野らの勢力が減少することを怖れているのだと思う。
それにしても、検察審査会の小沢一郎「起訴相当」の議決が11/11であった事は、小沢や鳩山首相にとって幸運だった。
あきらかに議決が烏合の衆の「魔女狩り」を連想させた点であった。評決が8:3だったら扱いは厄介だったに違いない。全員一致が素晴らしいと、流石のマスメディアが書けないで困っている。(笑)
この議決が検察審査会の存在に一石を投じてしまったのは素晴らしい事だろう。
そして、起訴=推定有罪こそが法治国家として恥ずべき問題だと云う事に世論が気づく事を求めたい。法治国家における「推定無罪」を無視し、ひたすら国民を意図的にミスリードするマスメディアこそが法治国家の敵なのである。
本日のコラムと直接関係ないのだが、小沢幹事長の検審議決「起訴相当」について、まっとうな記事があったので紹介しておく。
おそらく、検察庁自体が、このような議決を想定していなかった空気が窺える。この検察審査会の存在意義や法的価値について問題提起する動きを出はじめた。
≪ 小沢氏起訴相当 再捜査、新証拠の壁
市民の結論は「起訴すべきだ」だった。小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件で、検察審査会が「絶対権力者」に対する 検察の不起訴処分の見直しを迫った。再捜査で真相は解明されるのか。検察幹部からは戸惑う声も上がった。【大場弘行、石川淳一】
◇「共謀」秘書供述が根拠
「現状の証拠だけでも共謀の成立が推認されるなら、法廷で真相を明らかにすべきだ」。小沢氏を起訴すべきだとした東京第5検察審査会の議決は、こうした「市民感覚」から導き出された。議決書の末尾には「これこそが善良な市民としての感覚」との文言もある。
小沢氏の不起訴処分について、検察は「100%有罪の自信がなければ立件できない」と説明してきた。政治資金規正法が政治家ではなく主に会計責任者らを処罰の対象にしているため「明確な指示』がなければ共謀の証拠として弱い」という考え方もあった。
一方の審査会は、小沢氏の一定の関与を認めた元秘書で衆院議員の石川知裕被告(36)、元秘書の池田光智被告(32)の供述を有力な直接証拠とするだけでなく、土地購入の際に銀行融資を受けた「偽装工作」なども小沢氏の関与を裏付ける状況証拠と評価。検察の考え方を否定して「絶大な指揮命令権限を有する小沢氏の地位と石川氏らの立場を考慮すれば共犯が成立すると認定できる」と述べた。 こうした表現からは、審査員が法律のプロのように「形式的な法解釈」に束縛されず、小沢氏と秘書の「特別な関係」に着目したことがうかがえる。
「暴力団組長のガードマンが拳銃を所持していた場合、組長の指示がなくても共謀を認定した判例がある」。審査の過程で、そんな事例を紹介されたことも、判 断を後押ししたようだ。
一方で、検察内部からは否定的な見方が相次いだ。
「証拠の評価よりも感情論が勝った気がする」。ある幹部は「裏付けが取れて初めて直接証拠と言えるはずなのに、元秘書の供述のどの部分が直接証拠なのかも書かれていない」と指摘。別の幹部も「小沢氏の共謀を示す積極証拠だけしか見てないような書きぶりだ」と苦言を呈した。
小沢氏の不起訴処分は「検察が組織の存亡をかけて挑み、敗北した結果」(幹部)と総括されている。結論を見直すには、小沢氏の「明確な指示」を示すような新証拠が必要だという意見が根強いが「今さら関係者の供述が変わるとは考えにくい」という声もある。
法務省幹部は「具体的な再捜査のポイントも何も示されなかった。このまま起訴したら前回の判断が誤りだったと認めるようなものだ」と語った。再捜査の行方は、新証拠にかかっている。
◇検察幹部、戸惑いも
「検察が『有罪に持ち込む証拠がない』と不起訴にした政治家や企業幹部を検察審査会が次々に強制起訴したら、刑事裁判の意味合いが変わりかねない」。一定の捜査を経た不起訴判断を覆す議決に、検察幹部は首をひねる。「密室審査の末に、公判で無罪が出たら誰が責任を取るのか」と懸念も漏れる。
2度の「起訴相当」議決による強制起訴を盛り込んだ審査会の権限強化は国民参加を柱とする司法制度改革の流れの中で決まった。01年6月の司法制度改革審議会の意見書は「公訴権行使の在り方に民意をより直接反映させることも重要」と、議決に法的拘束力を与える必要性を指摘した。その背景には、01 年2月に福岡地検次席検事による捜査情報漏えい問題が発覚し、検察への信頼が揺らいでいたこともあったとされる。
検察審査会法が04年に改正され、09年5月に施行された。 裁判員制度が殺人などの重大事件に限定されたのに対し、審査会は全事件が対象だ。ある法務省幹部は「(法改正の)当時から政治家が対象になる可能 性は懸念されたが、野党の民主党からも反対論は出なかった」と振り返る。対象犯罪を限定する議論もあったが、最終的に「国民による公訴権の監督を限定してはいけない」という方向でまとまったという。その一方で「政界事件を巡って、これほど審査会への申し立てが相次ぐとは想定外だった」と漏らす司法関係者も いる。
別の法務検察幹部は「今後、強制起訴となった被告に無罪判決が出るケースも出てくるだろう。その積み重ねの中で、審査員の判断基準が定まってくる のではないか」と話している。(毎日新聞:電子版)≫
≪ 検察審査会見直し議連、民主議員有志が設立
民主党議員らが28日、「司法のあり方を検証・提言する議員連盟」(滝実会長)を設立し、国会内で初会合を開いた。
小沢民主党幹事長が検察審査会から「起訴相当」の議決を受けたことを念頭に、同審査会のあり方の見直しを求めていくことで一致した。
会合には20人が出席。滝会長は、「司法制度改革は権力が独走する仕組みを変えるものだったのに、そうではない実態が出ている」とあいさつした。 鈴木宗男新党大地代表も「検察審査会を可視化しなければならない」と訴えた。会合後、辻恵事務局長は記者団に、「国民感情で司法制度が揺さぶられている。裁判員制度も検察審査会もおかしい」と強調した。(2010年4月28日19時56分 読売新聞)≫