先週アジアアロワナのエラめくれで相談に来たお客さんが先ほど来て、治ったと言っておった。
結果だけを言えば、水流を一方方向に集中してつける手法で対応したのだが、最善だったようだ。
手術で切るの面倒ですからね、出来れば自然治癒を促す方法がベスト。
この方の場合、エラめくれの原因が水質悪化や急変ではなく、水中モーターの新設に原因があると状況判断で分かってたので、なおさら対応は楽でした。水中モーターの設置位置を変えてくれ!!ってそれだけの対応で済んだ。
結果として目に見える形で現れる病気や、エラめくれなどの症状ってのは、あくまでも結果的に最終的に出てきた症状にすぎず、いかにしてそ~なった原因にたどり着くかが生体管理のアドバイサーが求められる本質的な仕事だと思うんですよね、おっさん的には。
ですから、飼育書を読んで「白点病にはこの薬」「水カビ病にはこの薬」って感じの教科書通りの判断しか出来ないと、まあまあの確率(85%ぐらいか!?)で不正解になる。
不正解だからこそ、薬入れても実際死んでるっしょ。
そ~ゆ~事実から目を背け、薬のせいにしたり、投薬が遅かったですね程度の言葉で濁しているのはアドバイザー的にはどうかと・・・・・・。
もちろん、そ~ゆ~推測が出来るようになるには沢山失敗して、沢山の魚達の命を奪って、奪った分だけ少しでも勉強の材料にする事を忘れないって姿勢が大事だし、何事に関しても「その先どうなるのか?」って考えるクセは必要だと思うんですよね。
特にペットの生体担当者には未来(過去)予測する癖は必須かと。。
だって予測が出来るようになれば、目標に到達するのに必要な事と、逆にマイナスになる要素が見えて来るじゃないですか。それが設備的な事なのか、人間的な事なのかは置いておいて、原因が分からなければ対策も出来んわな。
話は変わって、昨日ペットキスポ可児店さんでとあるお客さんからグッピーの♀が死ぬと相談を受けました。。
大まかに現状を言うと、水槽は沢山所有しており金魚やめだか、熱帯魚をそれぞれ別水槽で飼育している。
グッピーは♂♀同時に複数ペアを複数回、日を空けて購入してきたが、連続で♀だけ死亡。♂は元気!
他のお店で受けたアドバイス的には、輸入物グッピーは弱いから丈夫な国産グッピーは如何ですか?と言われたそうな。また♀が少ないと♂に追いかけられて殺されるとも。。
まあ、たしかに国産のが丈夫とよく言われるが、そこが根本的な原因だと言うのであれば、お前は外産グッピー売ってんじゃね~よ!って言いたくなりますな。♀が少ないと♂に追いかけられて殺されるってのも数が減った状態の説明にはなっているけど、買った時は♂♀同数やっちゅ~~~の!とツッコミ入るのを待っているとしか思えん(笑)
ちなみに水温設定や餌の頻度、水替え周期に量も問題があるようには思えない状況でした。
さて、あなたならどうアドバイスする???シンキングタ~~イム!!!!
話を聞いておっさん的に思ったのは、♂が元気に泳いでいるって事が重要なポイントだろうと。
複数回、日を空けて購入している点を考えると、毎回♀だけ購入時のコンディションが悪かったとは確率の問題で言えば、無いとは言い切れないが低いと思う。
♂が元気と言う事は、一度コンディションが整ったグッピーの性質を考えると♀の方が圧倒的に丈夫なのだから、仮に水替え時に水温変化やPHショックが起こっていれば♂の方が先に死ぬわな。死なないにしても大きな尾鰭に損傷が現れるはずだけど、それも無くヒレは大きく開いていると言っておった。
つまり自宅での飼育方法や水質維持に問題がある可能性は低い。
となると導き出される答えはほぼ見えてきましたね。
まだ見えない?
見えない人はよ~~く考えましょう。
エンドユーザーが店で魚を買って、自宅の水槽に投入するまでの流れを!!!!!!
さすがに見えたでしょ。
まだ見えない?
岐阜県可児市にあるペットキスポ可児店さんは一般的な郊外型立地であり都市型では無い。
大抵のお客さんは自家用車で来ます。
そして2月の気温は日中高い時で10℃前後で日が沈めば氷点下になる事もシバシバ。
12月、1月ならもっともっと寒かったでしょうな。
さすがに分かったでしょ。
そうです、原因として考えられる事の一つは移動中の水温低下(水温変動)です。
車って運転席や助手席はすぐに暖房で暖かくなるように思えるけど、荷室はもとより助手席でもシートの上や足元って実はかなり寒かったりします。
その状況になんの対策もしていない1L未満の水量のパッキング袋を転がしておけば・・・・・ものの10分でみるみる水温は下がるわな。
そして経験上、水温変動を気にかけていない方の場合、パッキング袋の固定も気にしない事が多いから車の中でコロコロしていたらグッピーへ40000ダメージ確定です。。。ぐっはぁ!
らんちゅうなんか、コロコロさせるとすぐ死ぬし、熱帯魚だって一緒です・・・・・・。
そ~ゆ~訳で魚を買った後の行動パターンを伺うと、コンビニ行ったりホームセンターで買い物したり、夕食食べてから帰ったりと・・・・・・・・・。
はい、頑張ったグッピー♂に敬礼ーーーーーー。
お客さん的には目から鱗の発見だったようですが、いや、熱帯魚だから!水温下がったらそりゃ~ダメージデカいぜと。。
それよりなにより、なぜそこに店の人間が気がついてあげないのだ!!!!!!!!!!と思う。
まあ、結果的にお客さんは今後同じミスはしなくなるし、少なくとも原因の一つは消せたと思う。
魚の為だけに、全ての用事より優先して帰宅せよってのは、大人だと避けられない時もあるでしょうから
100均で売ってる保温シートを使うとか、完ぺきを求めるなら発泡箱を使うんだーと言っておきました。
酸素なんて、めっちゃ少なく見えても小魚なら一晩余裕で持つしね。温度とコロコロを優先的に注意せよ!!!と。
発泡箱を使ったとしても、中でコロコロしたら魚は死んでまうので、新聞を少し入れておいて隙間を埋めて転がらないように注意してねとも、ついでに伝えておきました。
お客さん的にも、言われてみりゃ~~~「あ~~~!」となる話だったと思いますが、こ~なってしまった原因ってなんなんだろうって時々考えますな~~~~~。。
ちょっとだけ関連した余談ですが、売場で使うパッキング袋が妙に小さいお店を時々見ます。
気になった時には、袋のサイズを変えよ~ぜ~とさりげなく言うのですが、これは少しでも水量を稼いで移動中の水温変動を防ぐ意味合いと、水替えサボりまくりなお店に対しては魚が売れた時に減る水の量を少しでも多くさせて、自然と水替え風な事をさせる為だったりします。
ついでに言うならチビ袋よりも普及している大きめ袋の方が原価も安いから、使う意味が分からないのが本音ですな。
と、こんな風にお客さんも売り手も共に利益となる仕組みを考える時間が多いのですが、結局のところそれを生かすも殺すも人次第ですな。。。。。。
ほんと、生体販売って人依存度の高い商売だな~と思う今日この頃であります。