鉄道のブログでもないくせに、電車のことばかり書いている。それくらい、電車に乗る日々というのは僕にとって新鮮であったのだ。
そんな通勤も、とりあえずは今日が最終日である。いつもの場所から、てくてくと歩いていく。冷え込みはそこそこ厳しいが、雪もすっかり融けて、爽やかな朝である。土手町通りも、まだ車通勤のピーク時間前なのか、通る車は少ない。
昇天教会の脇の坂を下って、駅の前に出る。教会の扉には、しっかりとクリスマスリースが掛かっている。
例によって、大鰐からの電車の到着前にホームに出て、電車を待つ。今日はお天気がいいせいか、雪の日と比べると高校生の姿も少ないような気がする。ピークの日の7割くらいだろうか。しかも通学定期券を持っている生徒がほとんどである。雪の日だと、券売機できっぷを買っている高校生も多い。ということは、今日のような日に乗っている人数が「固定客」ということなのだろう。
数日前には、真っ白な雪の上に見えた吉井酒造の赤煉瓦倉庫も、今日は緑の芝生越しに見える。
最終日ということで、運転席の後ろに「かぶりつき」で立つ。曇ったガラス窓越しに、前面展望を楽しむことにした。
出発前。
ほんの一瞬だけ見える、最勝院の五重塔。
弘高下駅に到着。
弘前学院大前へ。大急ぎで駅前に自転車を停め、ホームに駆け上がる高校生が見える。2人ともちゃんと間に合ったようだ。
去りゆく電車を見送る。
今日はまだ下り電車を待つお客さんの姿は見えない。
中央弘前-弘前学院大前の区間は、距離1.9km、所要時間4分である。待ち時間を含めても、鉄道空間で過ごすのは、10分から15分といったところだろう。それでも僕には何だかとても貴重な時間のように思えた。好きな者にとっての価値、といってしまえばそれまでだが、電車には、他の移動手段にはなに何かがあるように思える。それを実感させてくれた、10日間であった。
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