6時半起床。豪勢な(というより大量の)朝食もこれが最後である。おいしいコーヒーはポットごと頂戴して帰りたいくらいだ。昨夜は遅くまで荷造りをしていたので、いささか寝不足である。
荷物を持ってロビーに下りると、現地ガイドさんが待っていてくれた。ワゴンタイプのタクシーに乗ってウィーン空港へと向かう。車窓から見える建物についてもガイドさんが説明してくれる。まだまだ観られなかった場所がたくさんある。到底3日くらいでくまなく回れるものではない。
航空券の手配や免税手続きはガイドさんが手際よく済ませてくれた。おみやげを詰め込んで重くなったスーツケースは、厳密には重量オーバーのはずだが、見逃してもらえた。
入場ゲートのところで、お世話になったガイドさんとはお別れである。ザルツブルクで迎えてくださった方にも、現地ツアーのガイドさんにも、本当によくしてもらった。
ルフトハンザLH1235便に乗る。機体はエアバスA319だ。
搭乗口の前で、しばし時間をつぶす。いよいよオーストリアともお別れだ。
窓際の席に座ったので、外の景色に目を凝らす。どこまでも広い大地が続く。
それにしても、集落のこの統一感というのはどうして生まれるのだろう。屋根の材質が同じといえど、色まで揃っているというのは日本ではあまりない風景のような気がする。
順調なフライトと思いきや、フランクフルト空港への着陸態勢に入ってからは、気流が悪いのか、やけにアップダウンした。おかげで手は汗でびっしょりだ。飛行機は快適、と思っていたところで、いや、やっぱり苦手だ、と思い直した。
フランクフルトでの乗り継ぎ時間は約1時間。行きにあれこれ手間取ったことを考えると若干緊張したが、スムースに乗り継ぎができた。ただし手荷物検査はかなり厳重で、われわれの荷物も引っかかった。カバンを開けて、中のものを見せる。どうやら疑惑の品はザッハートルテだったようだ(そんなことがあるのだろうか。地雷にでも見えたのか?)。係の人に「ザッハートルテです」と説明したら、「ザッハートルテ?ハッハッハ!!」と大笑いされた。空港の係員は無愛想な人が多い印象があるのだが、こちらのお兄さんはやけに陽気だった。
帰国便のルフトハンザLH710便の出発ゲートの前にはたくさんの乗客が集まっていた。圧倒的に日本人が多い。案内放送も日本語が流れる。機内に不具合が見つかって、出発が遅れますとのアナウンスが流れると、「ええーっ」という声が挙がった。だがそれほど大きなトラブルでもなかったようで、それほど待たされずに機内に案内された。
機体はもちろんエアバスA380である。われわれの座席の担当のCAさんはかなり年季の入った感じの男性である。物腰がごつい感じ。たぶん実際にはかなり親切な人なのだろうが、いろいろとサーブしてもらう際には、「おしぼりだ、手を拭け」「水だ、飲め」とかいわれているような感じだ(あくまでイメージです)。対照的に機長さんはやたらと陽気に機内アナウンスでしゃべりまくるのが面白かった。
機内ではできる限り眠るように努めた。ほとんど揺れず、快適なフライトだった。
飛行機は定刻通りに成田に到着。無事に帰国することができた。ウィーンはもう秋の気配だったが、こちらはまだまだ夏の暑さである。
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