五行目の先に

日々の生活の余白に書きとめておきたいこと。

9月8日(木)晴れ(成田)→曇り(フランクフルト)→曇り(ザルツブルク)

2011-10-23 17:13:12 | 

 5時過ぎには目が覚めた。外を見るとようやく日が昇るころだ。すぐ目の前の空港がだんだんとはっきり見えてきた。

 ホテルからバスで5分ほど、成田空港の第1ターミナルに到着する。昨日下見をしておいたから、迷うことはない。だが旅行代理店のカウンターはまだ開かない。ロビーのソファは結構埋まっている。何とか空いているところを見つけて腰掛ける。

 ようやく代理店のカウンターが開いて、航空券等一式を受け取る。今回利用するのは「個人旅行」という商品で、現地での送迎や移動の面倒見てもらう以外はすべて自由である。自由はありがたいのだが、旅慣れていないわれわれにとっては、若干の不安もないではない。まあ何とかなるだろう。

 サブウェイで軽めの朝食を摂り、チェックインを済ませて搭乗口へと向かう。結構歩いた末に現れたのは、これから搭乗するエアバスA380の巨体だった。いやはや、これはでかい。でかいだけあって、搭乗するのにもいろいろ順番があって、われわれは最後のほうだった。



 座席に着く。元来飛行機は苦手だが、こうも大きいと、何だかそれこそ大船に乗った気分でいられる。通路際の席だったから、窓の外もよく見えない。ただ怖いと思っている割には、ついつい機体カメラの映像に見入ってしまったりもする。

 ルフトハンザLH0711便は、ほぼ定刻通りに成田を出発した。本当はウィーンへの直行便で行きたかったのだが、そちらはもう予約が埋まってしまっていた。よってフランクフルト乗り継ぎとなった。

 飛行機には日本人のキャビンアテンダントの方も乗務しているし、映像プログラムなんかも日本語のものがちゃんとある。もっともちょっとおかしな日本語であったりする。「エンターテインメントの概要」なんていうのは、いささかわかりづらい。その辺は質実剛健なドイツの航空会社のこと、ということで納得する。乗務員の制服も紺色で、まさに質実剛健である。機内食もまた…いやこれはなかなかおいしかった。

 映画があまり面白くなかったので、フライトの位置を示すGPS画像のようなものをたびたび眺めていた。目的地までの残り時間が表示されているが、なかなか減らない。手荷物のなかに入れておいた3冊の文庫本も読み終えてしまった。となると眠るしかない。だが明日以降のことを考えるとできるだけ起きていたい。

 フランクフルト国際空港には、ほぼ定時に到着した。空はどんよりと曇っている。確かに外国なのだが、曇り空は日本とあまり変わらない。当たり前か。

 ここで飛行機を乗り継ぐことになる。A380から降りて、長い通路を歩く。さて入国審査をどこで受けたらいいものやら。降機の際に係員の人に説明を受けたが、空港じたいがあまりにも広いものだから、よく分からない。長い列のできているところに並ぼうとしたが、どうもここで正しいのかわからない。そのうちに日本人旅行者の方が、「よくわからないですよね」と声をかけてくれた。どうも先のほうに乗り継ぎ用のゲートがあるようだ。そちらに行ってみると問題なく通過できた。

 乗り継ぐ飛行機の出発時間まで3時間近くある。さて、どうやって時間をつぶしたらいいやら。空港内のお店を覗いて回る。だが重い手荷物を持っているので、早々に疲れる。カフェに入ってみたいが、まだ外国に来たという実感が十分でないのでどうも腰が引ける。というわけで安心のスターバックスに落ち着く。こちらはShortサイズがなく、Tallサイズが標準の模様。味は当然日本で飲むものと変わらないが、周囲は飲み散らかしたのがそのまんま放置されていて、あまりきれいな感じはしない。

 出発前に、フランクフルトでは飛行機の出発ゲートの変更がままあるので注意するようにいわれていた。なので早めに再び手荷物検査を済ませて予定のゲートの前まで移動する。紺地に黄色のルフトハンザのマークが掲示されていたが、しばらくして赤地のオーストリア航空のものに変わった。どうやらここでいいらしい。

 ゲートが開いた。階段を降りるとバスが待っている。お客さんをひととおり乗せると走り出す。広い空港に駐機しているたくさんの機体を眺めながら走る。



 それにしてもなかなか着かない。いよいよ空港のはずれというところまで来て、バスが停まった。目の前には小ぶりのジェット機が駐まっている。あれ、ザルツブルクまでの飛行機はプロペラ機と聞いていたのだが(どうやら多客機にはジェット機が使用されるらしい)。

 飛行機にはフォッカー100と書いてある。リヒトホーフェンの愛機フォッカーDr.Ⅰとか「フレンドシップ」のフォッカーか!小学生のころは飛行機好きだったのだが、その後鉄道に転向して以来、ほとんど関心がなくなっていたのだが、こんなところで懐かしい社名を思い出した。



 OS266便も、ほぼ定時出発。当然小さい飛行機だから揺れるであろうと、席に着くと再び緊張してきた。だがスムースに離陸すると軽快に上昇していく。曇り空だが、そこそこ景色も見える。遊覧飛行みたいだ。

 オーストリア航空の乗務員の制服は鮮やかな赤で、ルフトハンザとは対照的だ。1時間半ほどのフライトだが、お菓子と飲みものも出た。これは実に快適。

 あっという間にザルツブルク空港に着く。タラップを降りると、あとはターミナルまで滑走路をてくてくと歩いていく。いかにもローカルな感じがする。



 荷物も無事到着した。ここで現地の旅行代理店の方が待っていてくださった。ホテルまで送っていただく間、そして到着してから、滞在中の注意事項などについてレクチャーを受ける。

 長旅の疲れと気分の高まりで、何だかおかしな感じだ。今夜はしっかり眠らなくては。とりあえず飲み水だけは買っておく。オーストリアでは水道水も問題なく飲めるとのことだったが(実際飲んでみると硬水独特の風味がするがむしろおいしい)、偵察がてら少しだけザルツブルク中央駅周辺を歩いてみた。ここに至ってようやく異国の地にたどり着いたことを実感した。

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